鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

読了。

2005-11-11 13:25:24 | 雑事

買った三冊読み終えました。
篠田真由美は、以前から読んでいたので、いつも通りといえばいつも通り。
後書きなどでは、女性っぽくない口調を故意に選んでいるように思えるのですが、
作風にはかなりしっかりと女性的な感性があり、今回の短編集「桜闇」も、
一つ一つの作品に視覚的な美しさがあります。
例えば、鮮やかな色彩、暗闇に沈む深い井戸、荒涼とした廃屋、異国的なブルーの家々、満開の桜。

で、アスカベさんですが…。
これは…どう言ったらいいんだろう。そもそもミステリなのかな?これは。

ただ、面白いかと言われれば面白かった。
ここまで「自分の世界」を作り出せるかたはそうそういないでしょう。
ことに「砂漠の薔薇」は、表紙のイラストが「切腹女子高生」というタイトルで、
つまり、女の子達が大勢切腹してるわけです。
ちょっと見、そういう絵だとは気付かないのですが、まじまじ見ると凄かった(汗)

でも、本文を読んだ後だと、「ああー」と納得がいく不思議。
「冬のスフィンクス」は…どうかなぁ。
文庫版の表紙の絵はとても好きです。でも、内容はあんまり…?
読んでて、すごく文章が「個人的」な匂いがするのですよ…
他人の頭の中覗き込んでるみたいな違和感。
作中人物のものではなく、作者自身の語る言葉を聞いているような。