道水産林務部漁業管理課は、7月10日宗谷海峡の道漁業取締船「北王丸」(499㌧)でロシアのサハリン州国境警備局と洋上会談を行った。道によると、宗谷海峡での洋上会談は1年ぶりで、道側から谷内和人国際漁業担当課長、ロシア側からテレヴニン・デニス・ゲナジエーヴィチ海棲生物資源保護課長(大佐)が出席した。
道側は、オホーツク海域の「かにかご漁業」の外国漁船による漁具被害、不法漁具の撤去状況を説明し、密漁の根絶に向け指導・取締の継続を要請した。これに対しロシア側から便宜置籍船に厳しく取締を行っており、日本側の協力で違反船を拿捕できたと回答し、さらなる情報共有を依頼された。なお、昨年から今年にかけての取締状況は、拿捕が10隻、うち船体の没収5隻、船長を禁固刑にしたものが1隻あったという。
また、道側から地先沖合漁業の操業上の問題点についてロシア側に説明するとともに、洋上での検査がスムーズに行われるよう申し入れを行った。ロシア側は警備艇や監督官を増やし、抽出して検査を行うなど、日本漁船の操業にできるだけ影響を与えないよう努力するとした。
毎年発生している安全操業の漁具被害について説明するとともに、根室海峡における巡視の継続と、ロシアトロール船の操業自粛を関係者に働きかけるよう要請した。ロシア側は被害が発生した際には、写真など具体的な情報提供を日本側に依頼したいとし、その情報に基づき必要な措置を講じるとした。次回会談は来年7月頃としたが、必要に応じて協議することを確認した。