水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

道がクロマグロ採捕停止の規則を公布 来年3月末まで30㎏未満小型魚の採捕禁止

2018-07-02 10:50:48 | ニュース

 道はクロマグロがTACの対象魚種となったことから、クロマグロの採捕を停止する命令の規則を制定し、7月1日から施行した。知事管理量の9割5分を超える採捕があった場合、知事が数量を公表する。公表の翌日から管理期間の末日まで採捕を禁止する。漁業者のほか、遊漁者も対象とする。

 7月からの第4管理期間(来年3月末まで)は、30㎏未満小型魚の漁獲枠がゼロで採捕を禁止する。30㎏以上のい大型魚は141㌧を漁業種類・海域に別けて管理し、1割の16㌧は道が留保する。


道がクロマグロ資源管理で漁業者に緊急対策

2018-07-02 10:49:43 | ニュース

 道は、太平洋クロマグロの資源管理で漁業経営に影響が想定される漁業者に、関係機関と連携した総合的な緊急対策をまとめ実施している。

 内容は①沿海(総合)振興局水産課に相談窓口を設定する②金融支援として漁業振興資金に低金利の融資枠(1億円)を確保する③既存事業や制度の活用、他部・他機関との連携した取り組みを実施する。

 金融支援は、道信漁連と連携・協力し、マグロ漁業者(はえ縄、一本釣り、定置網)に対し金利を低減し、融資枠を確保する。利率を通常の1.5%に対し0.4%とし、償還期間1年間で貸付限度額500万円と設定する。また、他漁業への取組支援として日本海漁業振興対策事業を活用し、マグロ漁業者の養殖業への取組を支援し、施設整備、資材購入などの2分の1を補助する。道総研、指導所の専門家が養殖適地選定、技術的課題の解決などの協力を行う。付加価値向上対策としてマグロ以外の漁獲物の付加価値向上を推進するため、道総研や指導者の専門家を派遣し、ブリ、イワシなどの鮮度保持技術を指導する。


道議会予算特別委員会(水産林務部)で水産政策の改革、クロマグロ資源管理など質疑

2018-07-02 10:22:01 | ニュース

 道議会予算特別委員会が6月29日開かれ、第2分科会で水産林務部所管審査が行われた。水産関係の質疑では、中川浩利道議(民主、岩見沢市)や三好雅道議(自民党、宗谷地域)が水産庁の「水産政策の改革」について道の対応を質したほか、浅野貴博道議(結志、留萌地域)がクロマグロの小規模な沿岸漁業への配分増加を求めた。

 中川道議は、水産庁が6月1日に公表した「水産政策の改革」が「漁協を中心に管理してきた沿岸漁業の実態にそぐわず、浜に大きな混乱を持ち込む」との疑問を示し、遠藤俊充水産局長は「改革の具体的な内容に不明な点が多い。漁業権の管理や調整に漁協が中心的な役割を担ってきた本道の実情を国に理解してもらい、法制化の検討に反映させたい」と答えた。また、資源管理をMSY(最大持続生産量)ベースに転換するのは「日本独自の資源管理と相容れない」と述べ、科学的に問題も指摘されるMSYを導入する目的を追求。幡宮輝雄部長は「国は諸外国と協調した資源管理をするために国際的なスタンダードであるMSYを使うと説明している。道としては現場の感覚と乖離しないようデータを集め、しっかり対応するよう求める」と述べた。

 さらに、有用魚種の8割にTACを拡大し、IQ(個別漁獲割当)やITQ(譲渡性個別割当)導入を視野に入れた国の方針の妥当性を質問し、矢本論漁業管理課長は「現在のTACは8魚種で6割を占める。8割にするためには、あと数魚種のTAC追加が想定される。TAC拡大に伴う影響を見極め注視したい。IQ、ITQは大型漁船の管理には適当だが、沿岸漁船には現時点で課題が多い」とした。

 漁協を第一に優先して管理してきた特定区画漁業権を改めた場合、漁業調整を道が行いうるのか質した。矢本課長は「本道沿岸の海面利用は多数の漁業間の調整を漁協が担い、適切かつ有効に活用している。新たに国が定める具体的な免許の基準に地域の意見が反映されるよう働きかける」とした。

 海区漁業調整委員会の委員構成の変更に対しても「漁業の調整には知事の任命だけでなく、公選の委員の役割が重要で、本道周辺の漁業秩序にとって変更は良くない」と指摘し、矢本課長は「漁業調整、資源管理、免許の諮問など重要な役割を担い、円滑に運営、実施されてきた。委員の見直しは柔軟な構成にするというものだが、漁業者の代表が主体となることが重要」と述べた。

 成長産業化をめざす今回の改革を「本道漁業に必要なのか疑問で、多くの学者も問題点を指摘し、反対している」と道の対応を改めて質した。幡宮部長は「国の改革は資源管理と成長産業化を両立し、漁業者の所得向上、バランスのとれた就業構造をめざすとしている。本道漁業の課題解決に資すると考えるが、不明な点も多く、漁業者に不安を与えている。MSYに基づく資源管理や漁業権の優先順位の廃止などの国の見直しに、本道漁業の実情を反映させ、持続的発展をめざしたい」と答えた。

 続いて、三好道議が改革案の取りまとめ経過や新たな資源管理システムの効果、漁業権の見直し内容、養殖を営む特定区画漁業権の免許状況、漁協の役割を踏まえた道の対応を質した。矢本課長は「改革は現行の制度を維持した上で、都道府県が引き続き免許し、優先順位を廃止する。実績のある漁業者に優先的に免許し、その他は総合的に判断する。その基準は漁業者、関係団体の意見を聞いて検討する」との国の方針を説明。本道の養殖免許(特定区画漁業権)は、ホタテ、コンブ、カキなど12漁協に免許し、51漁場で201件の区画を利用している。「漁協が長年にわたって管理して養殖を営んでいる。漁協を中心に地域全体の漁場利用、調整を行い、企業参入にも漁協の役割を尊重すべき」とした。今後の対応について幡宮部長は「漁協を中心にした漁場管理は現在の利用実態から影響ないが、企業が参入した際にトラブルも懸念されることから、国に実情を反映した政策、措置を求めていく」と述べた。

 浅野議員は、太平洋クロマグロ資源管理の小型魚が上限を超えた理由、配分を残した漁業も一律に削減する矛盾、小型魚ゼロが長期化する懸念、はえ縄・一本釣り漁業への配分などで道の対応を質した。矢本課長は「定置網の大量漁獲に加え、全道各地で来遊が多く、はえ縄・一本釣りを含め配分を大きく上回った。道は小型魚を漁獲せず、放流するよう指導した」。遠藤局長は「小型魚の配分枠を残した地域もあり、留萌の一本釣り・はえ縄にも漁業経営に大きな影響が出ている。7月から本道も大型魚の平成27〜29年の漁獲自制に基づく配分を行う。国際的な資源管理機関でも資源評価は基準を上回り、漁獲の増枠を31年以降期待できる。関係者の意見を十分聞き、適切に配分する」とした。沿岸を重視した配分の見直し要求に対し、幡宮部長は「クロマグロの資源回復は沖合、沿岸双方にとって重要で、より効果的な管理が大切。国のクロマグロ資源管理強化の取り組みに、沿岸の小規模漁業に十分配慮するよう求める」と述べた。

 そのほか、トドなど海獣による漁業被害対策、イカなど不漁による水産物輸入の増加、無線局を経由した漁船への緊急通報システム、ホタテのへい死対策、担い手不足の解決策、ナマコなどの密漁問題、漁港に堆積する砂、燃油高騰などをめぐり質疑を交わした。


政府が「骨太の方針」で外国人受入拡大へ 道内実習生は漁業160人、水産加工約4千人

2018-07-02 10:17:01 | ニュース

 政府は6月15日に閣議決定した「骨太の方針2018」で外国人技能実習生の受入を拡大し、最長5年の技能実習を終えた外国人をさらに5年間延長する新制度を創設し、農業、建設など人手不足の深刻な分野に限り、外国人の就労を認める方針を明確にした。水産分野でも制度対象にするよう要望が上がる中、道がまとめた外国人技能実習制度の受入状況調査(29年調査結果)では、年間受入数は約8,500人となり、漁業も160人、水産加工品製造業が約4千人を数え、さらに増加する傾向となっている。

 骨太の方針に盛り込まれた「新たな外国人材の受入れ」のポイントは次の通り。

・ 中小企業・小規模事業者をはじめとした人手不足の深刻化への対応

・ 一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れるため、就労を目的とした新たな在留資格を創設

・ 出入国管理及び難民認定法を改正し、政府の基本方針を定めるとともに業種別の受入れ方針を策定

・ 政府の在留管理体制を強化するとともに、受入れ企業又は登録支援機関(業界団体等)による生活ガイダンス、相談対応、日本語習得支援等を実施

・ 在留期間の上限は通算5年とし、家族の帯同は基本的に認めないが、滞在中に高い専門性を有すると認められた者について在留期間の上限が無く、家族帯同を認める在留資格への移行措置を整備する方向

                ◆      ◆     ◆

 道が6月26日発表した調査結果(確定値)によると、29年の年間受入数は前年に比べ23%、1,585人増加し8,502人となった。うち協同組合を通じて受け入れた実習生が7,286人で、農協638人を含め全体の93%を占める。国別ではベトナム3,883人、中国3,563人が多く、特にベトナムは前年に比べ47%、1,243人増加し、中国を初めて上回った。

 業種別では、漁業が160人で前年より44%、49人増加。水産加工業製造業は3,987人と同じく16%、541人増えている。双方を合わせた水産分野が4,147人と全体の約半数(49%)を占める。

 地域別にみると、オホーツクの1,403人、石狩の1,168人が多く、食料品製造業が多い。漁業が多いのは渡島の74人、留萌の43人、日高の26人、檜山の6人。それぞれ養殖、漁船漁業に従事している。なお漁業(養殖、漁船)の受入団体は道内6漁協と道漁連が主に担っている。


2018年6月29日(金)発行/北海道漁協系統通信6337号

2018-07-02 10:14:28 | 系統通信

水産庁「水産政策の改革」説明会(札幌)に160人
資源管理と海面利用、漁協制度の見直しに多くの疑問
現行法の改正「漁業権の優先順位の廃止」に反対の声も

道連合海区漁業調整委員会
クロマグロTACと並行し国、道に経営支援の実現求める

北太平洋漁業委員会(NPFC)7月3日から東京で
公海サンマの国別漁獲数量規制の導入を議論

道東のサバ類・マイワシ試験操業(6月20日)
マイワシは前年比25%増の1,437㌧、サバ類は5㌧未満

道信漁連が岩手県信漁連と「支援協定」締結 7月6日に調印式

【単協役員選】

◆えさん漁協 上見孝男代表理事組合長を再選

◆八雲町漁協 新代表理事組合長に掛川正春氏

◆いぶり噴火湾漁協 岩田廣美代表理事組合長を再選

◆日高中央漁協 新代表理事組合長に向井 進副組合長