絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

懐かしい卒業生 2

2013-07-29 | いろいろ
卒業して10年目の卒業生が二人来ました。

一人は変わってしまって、名前を言われてもその子だと思えませんでしたが、
もう一人の子は、顔を見て名前がすぐに出ました。
そうしたら、名前を憶えていてくれたことに感動して涙ぐんでいました。

この子は、忘れるわけがないのです。私が27年間の教員生活の中で、ただ一人、美容院へ髪の毛を染めに連れて行った子なのです。
髪の毛を赤くしてしまい、なかなか思うように黒くしないので、経緯を忘れましたが、私が連れて行きました。

そうしたら、この子が言った言葉が「お手数をおかけして済みません」でした。
やけに、大人みたいな言い方だったので、覚えています。

もう一人の子は、時間とともに髪の毛が赤くなっていきました。
人によって、時間とともに色が変わる子もいる例は知っています。
しかし、この子は入学試験の時に黒く染めて、ごまかして入学してきたのだとわかりました。

だから、そのことで、バトルがあった記憶があります。

それで、「あれ?? 髪の毛黒いじゃん」と私が言ったら、やはり「覚えていてくれたんですか」となりました。
私が保護者のための絵の会を作った時に、お母さんが参加されました。
お母さんの印象がとても良くて、その割に本人がいまいちなので、このギャップはなんだろうと思ったものです。

二人とも、私が覚えていたことで、感激したようです。
そして、実は、先生に謝りたいと思って来たんですと言いました。

二人とも、わがままな生徒で迷惑をかけてすみませんでしたと言いました。
しかも涙をこぼして言ったので、その瞬間感動の場面でした。棚沢先生もそばにいて、感激していました。

大人になって、改めて先生のありがたさがわかったということも言っていました。

どんなに反発しようが、言うべきことは言うという私の気持ちが、大人になって通じたという例でしょうか。

ーーーーーーーー
実は、こういうことは、時々耳にします。

あんな奴どうでもいいと思えば、面倒だからいろいろ言ってやるのはやめようとなります。
しかし、ここでは、これだけは言っておきたいと思って、後で気づけばいいと思いながら言うことがあります。

卒業して、会社に勤めて、ベテランになると、新入社員の教育にあたる人もいます。
その立場になって、高校の時に先生に聞かされたことをそのまま言っている自分に気づきますと言っていた子がいました。

高校時代は、先生の言うことに反発していたにも関わらず、自分が大人になって、自分がその立場になってみると、
確かにそうだなと思わされることがたくさんあるのだというのです。

真面目によく受け止めてくれていた人は、それが早くわかっていたかもしれませんが、今回のケースは、明らかに反発していた子ですから、
この涙は、感動ものでした。

嬉しい再会でしたね。











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Mさんの100号 続き

2013-07-29 | 絵画指導
今日は、Mさんだけでした。いつも一緒に来るFさんは、仕事の都合で、後日です。



かなり完成度を増してきました。もう少しというところですが、頭の下に敷いてあるものと髪の毛がまだ未完成という感じがします。
腰に巻いてある布の柄はかなりピントが合っています。下に垂れ下がる部分もできてきました。

人形の下に敷いてあるものは、実は毛布らしいです。厚みのある四角形のクッションみたいな感じに見えます。
それが、上の面が見えているのに、ソファは上の面が見えません。ちょっとおかしいかなと思い始めました。

右側の部分は、ガラスの玉がおいてあります。それがソファに食い込んでいるように見えます。
そのことから想像すると、左側はどうなったらよいのでしょうか。私は、玉が食い込んでいることがおかしいと思ったり、
左側の部分は、ソファの上の面が見えそうな気がするのです。
見えないことで済ますには、椅子に掛かった布をうまく使って、しわでごまかすしかないかなと思います。

髪の毛の表現ができないなら、レオナルドダビンチの時代の髪の毛の描き方を参考にしてくださいと言いました。
今は、紙のボリュームがないのです。明暗を使ってボリュームを出してから、髪の毛の線を入れていくような段階を踏むと良いと思います。

ソファの柄は、上の方がよくなりました。人形に近い部分がごまかしている感じで、あいまいです。
全てを克明に描く必要はありませんが、ごまかした感じではいけません。しっかり描いて殺すという感じにしてほしいです。

その他、細かい部分の表現もアドバイスしました。
絵の要素が多くないので、有る物だけで勝負をしなければなりません。
その場合、その物の表現力で見る人を納得させる必要があるのです。
いいねと思わせる説得力のある表現です。

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