絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

ローマ亡き後の地中海世界3

2010-05-15 | 読書
海洋都市国家という言葉を聞いたことがありますが、そのような都市国家が現れる背景が、この海賊対策にあることを感じました。
ベネチアは、最も代表的な海洋都市国家ですよね。

本来なら、良い港のある町は、交易が盛んで栄えると考えるのが、普通の想像ですが、この中世前期には、それが海賊の的となることで、散々な目にあったのでした。

そして、守ってくれるはずの国家(ビザンチン帝国)が当てにならず、フランク王国に頼んでも、力がなく、結局自分の所は自分で守るということを考えないと、どうにもならない状況が生じました。そして、やってくる海賊を海で戦って、追い払うという行動に出たのです。それによって、都市国家が成立して行ったという流れのようです。

読んで行くうちに、そのような都市国家が次第に海賊たちに勝つようになりました。
いいぞ、いいぞと思いました。

すると、今度は海賊たちも、これらに対して、自分たちが勝つにはどうすればいいかを考えはじめ、別々で行動していた海賊が一つにまとまって、戦おうとする動きが出て来ました。
そうなると、今度は、それに対して、海洋都市国家の方も、軍隊を集めて協力にしようと動き始めます。なるほど、そういう展開かと面白くなってきました。
サラセンの海賊にやられっぱなしの状態でしたから、読んでいて、なんとかしてやりたいと思いましたが、そういう展開になって、すこし、ほっとしています。
史実なのだから、勝手に作れませんが、現実とはどのように動いて行ったのか、興味は尽きません。
コメント
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