独断偏見妄言録 China's Threat

中国は人類の命運を左右する21世紀最大の不安定要因

米中は経済戦争中、北朝鮮は余興~バノン氏

2017年08月18日 20時28分25秒 | 米国
米中は経済戦争中、北朝鮮は余興~バノン氏
2017/8/18(金)
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20170818-00000034-nnn-int
 アメリカ・トランプ政権のバノン首席戦略官は、メディアが16日に掲載したインタビューで、「アメリカは中国と経済戦争の最中で、北朝鮮問題は余興にすぎない」と述べた。

 バノン首席戦略官は「アメリカは中国と経済戦争の最中だ。このままでは25年から30年後に中国が覇権を握るだろう」と、貿易不均衡をめぐって持論を展開し、中国に対し強硬姿勢を示した。

 また、北朝鮮問題については「余興にすぎない」とした上で、「軍事的な解決策はない」と、トランプ政権の方針との食い違いを見せた。

 一方、中国外務省の報道官は17日、「貿易戦争に未来はなく、互いの利益にもならない」と述べ、不快感を示した。


バノン氏はさすが首席戦略官だけあって、本質をきちんと理解していると思う。
本当の敵は中国である。そのことを私は繰り返しブログに書いてきた。米国にもそう考える有力者がいることは喜ばしい。

北朝鮮が核兵器を実戦配備するに至るとしても、それを米国や日本に向けて発射するとは考えられない。そんなことをすれば、米国の報復攻撃により、北朝鮮は一瞬で消滅することになる。したがって、北朝鮮の核保有を理由として米国が先制攻撃を仕掛けることはあり得ない。とはいえ、軍事演習や経済制裁に反発して北朝鮮のほうから先制攻撃を仕掛けてくるのを米国が待ち構えている、ということはあるだろう。

北朝鮮に先制攻撃をさせたいなら、駐韓米軍の撤収がベストであることは先日のブログに書いた。
http://blog.goo.ne.jp/stopchina/e/c63052e5712fb68d51df99c0e6354802?fm=rss
撤収のためのもっともらしい理屈をどう作るかが難しいところだが、それをクリアーできれば、状況は一変するはずだ。北はチャンス到来と見て、南進を決意するだろう。そうなれば、米国は遠慮なく北を叩くことができる。トランプ氏がそこに思い至らないのはもどかしい限りだ。


These Are the Warning Signs That Would Indicate War in Korea Is About to Start
Hint: none of them have happened yet.
By Kyle Mizokami Aug 16, 2017
http://www.popularmechanics.com/military/weapons/news/a27790/korea-war-signs/
米国では戦争がすぐに始まる兆候は見られない。
その根拠は、兵員の休暇取り消しがない、予備役の招集がない、関係領域における戦力の増強がない、B-1Bの追加派遣がない、ロナルド・レーガンは横須賀に停泊中である、日本駐留の米軍のTHAADなどによるMD増強がない、など、何一つ戦争の兆候がないのである。


*****************上記ヤフー記事の元記事:
Bannon says US locked in 'economic war' with China, slams White House colleagues
August 17, 2017
http://edition.cnn.com/2017/08/16/politics/steve-bannon-american-prospect-interview/index.html
"We're at economic war with China," Bannon told the Prospect. "One of us is going to be a hegemon in 25 or 30 years, and it's gonna be them if we go down this path. On Korea, they're just tapping us along. It's just a sideshow."
Bannon added that "the economic war with China is everything," arguing the US needs to be "maniacally focused on that."
"If we continue to lose it, we're five years away, I think, 10 years at the most, of hitting an inflection point from which we'll never be able to recover," Bannon said.



<2017年8月19日>

側近バノン氏を事実上解任=保守強硬派、選挙勝利の立役者―トランプ米政権に打撃
2017/8/19(土)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170819-00000007-jij-n_ame


Brutal photo shows how much turnover there has been in Trump's top ranks
2017/8/19
https://www.yahoo.com/finance/news/brutal-photo-shows-much-turnover-182123521.html

Bannon is just the latest in the succession of high-profile exits from Trump's White House. This photo — taken on January 28, during Trump's first phone call with Russian President Vladimir Putin — shows how dramatic the turnover has been.


Bannon Says He’s ‘Going to War for Trump’ After White House Exit
バノン氏:米大統領のために戦う-議会やメディアの敵に対し

2017年8月19日
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-08-18/bannon-says-he-s-going-to-war-for-trump-after-white-house-exit
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170819-06294984-bloom_st-bus_all
トランプ政権の首席戦略官を退いたスティーブ・バノン氏は保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」に18日に戻った後、米大統領のために「戦いを始める」と述べ、同サイトの主張に反対する人たちへの闘争を強めると言明した。

バノン氏は同日、ブルームバーグ・ニュースに対し、「混乱があるなら明確にしたい。私はホワイトハウスを去り、トランプ氏のために議会やメディア、米国株式会社にいる同氏の敵に対する戦いを始める」と語った。首席戦略官の退任発表後、バノン氏が公的に発言したのは初めて。ブライトバートの声明によると、同氏は会長に復帰した。

バノン氏に近い関係者1人は同氏退任について、バージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義者の暴力行為に対するトランプ大統領の発言への批判とは関係ないと指摘。同関係者によると、バノン氏は今月7日に辞表を提出し、14日付で辞任の予定だったが、暴力行為後の混乱で発表が遅れていた。

同氏の退任でケリー大統領首席補佐官の立場は強化。また、政策をめぐってバノン氏としばしば対立したマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)やコーン国家経済会議(NEC)委員長ら、トランプ政権内でライバルだった人物を強めることになる。



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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)8月19日(土曜日)
        通巻第5399号
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  バノン、側近たちと激突。ホワイトハウスを去る
  トランプを支えた首席戦略官、クシュナー、マクマスター、ケリー連合に苦杯
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  トランプ大統領の上級顧問、首席戦略官として一時期はホワイトハウスを牛耳ったステーブ・バノン。左翼メディアが眼の仇にしたほど影響力が強く、四月にはTIMEが表紙にしたほどだった。
その彼も8月18日に『辞任』を発表、事実上の更迭である。

 北朝鮮問題で周囲と激突し、とくに中国への貿易戦争の解釈で大統領とも対立、このところ更迭説が有力だった。
全米各紙ならびにテレビは一貫してバノンを敵視してきたため、歓迎論調、逆に保守陣営は怒りを表明し、「ゴールドマンサックスのロビィに転落したトランプ政権との戦いが始まる」と政権批判に転じた。
ひょっとして後世の歴史家は「このバノン解任でトランプ政権の姿勢が変わった」と書くことになるかも知れない。

 ステーブ・バノンは選挙中にも、「いずれ五年以内にアメリカは中国と戦争になる」と予言していた。共和党の過半の考え方は中国との宥和、共存的競合関係の維持を望んでいるため、バノンの大統領への影響力は次第に先細りになっていた。

 そこでバノンは更迭される直前、珍しくメディア(それも左翼メディア)に登場し、トランプが北朝鮮に対して「米国への脅しを続けるのであれば「炎と怒り」で報いを受けることになる」と警告したことに関してコメントし、「北朝鮮問題に軍事的な解決策はない。これは前座に過ぎない。それより北朝鮮問題で誠実な仲介役を中国に期待するという罠に陥ってはならない」といった。

トランプ大統領の対中姿勢の大幅な後退ぶりに対しての当てつけともとれる。大統領は北と中国を「口撃」するばかりで、中国への45%関税も為替操作国への指定もなされず、南シナ海における中国の横暴にも敢然と対応できていないとする批判が含まれる。

またバノンは「米国は中国と経済戦争の最中であり、どちらかが25年から30年後に覇権を握る。このまま行けば彼らの勝ちだ」と大統領の周囲とは異なる発言を繰り出した。現にIMFは七月の報告で『2022年に中国は米国のGDPを上回るだろう』としている。
 つまり、この発言はホワイトハウス内のクシュナーとジョン・ケリー首席補佐官、マクマスター補佐官への批判なのである。
 
 浮き上がった立場に追い込まれたバノンはことあるごとに彼らと激突した。業を煮やしたトランプ大統領はバノンを遠ざけ始め、大統領の周囲ならびに共和党の大半がバノンの更迭を叫ぶ状況となっていた。

 発足からわずか七か月で、トランプはフリン補佐官、スパイサー報道官、スカラムチ広報部長、プリーバス首席補佐官とバッサバッサ馘首してきた。こうなるとホワイトハウスは誰がまとめているかといえば、女婿クシュナー、首席補佐官となってジョン・ケリーのふたり、そのうえで重要事項の決定はマティス国防長官、マクマスター安全保障担当補佐官の四人が最強ということになる。

 この陣営と国防、外交における政策をみていると、今後のトランプ政権は最強の軍人内閣といえるかもしれない。



<2017年8月20日>

Bannon’s departure has huge implications for the U.S.-China relationship
バノン氏の辞任は米中関係に重大な意味を持つ

By Josh Rogin August 18, 2017
https://www.washingtonpost.com/amphtml/news/josh-rogin/wp/2017/08/18/bannons-departure-has-huge-implications-for-the-u-s-china-relationship/
対中強硬派のバノン氏が去り、対中融和派のムニューチン、クシュナー、ティラーソン、キッシンジャーらが主導権を握ることになる。クシュナーらの考えは、米中関係はあまりに複雑で重要であり、混乱させる訳にはいかない、というものだ。彼等は、対立より協調を、孤立より統合を主張する。


どの国でも、凡庸な連中ほど数が多く強い。凡庸な人物ほど個人的な利害関係を優先する。ハニートラップに弱い。
バノン氏の辞任は日中関係にも重大なマイナスの影響をもたらすだろう。大変残念である。


<2017年8月25日>

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)8月26日(土曜日)
         通巻第5404号
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バノンは政権を去ったが、トランプ大統領とは接着剤がある
「ルネッサンス・テクノロジー」が俄に注目されているのは何故か

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 ヘッジファンドは数々あれども、収益の実積平均70%というのは、ジョージ・ソロスもジム・ロジャーズも及ばない。まして民主党贔屓のウォーレン・バフェットにしても、そこまで卓越した成績を上げたことがない。

 全米のファンドのなかで、「ルネッサンス・テクノロジー」は過去十年のパフォーマンス平均値が38%、なかでも「メダリオン」ファンドは収益率がなんと2478%。ここに資産を預けた投資家は財産がおよそ25倍になった。

 このルネッサンス・テクノロジーは、マサチューセッツ工科大学数学教授だったジェイムズ・シモンズが創設した。彼の引退後、このファンドのCEOはロバート・マーサーが受け継いだ。
彼は娘のレベッカとともに共和党贔屓。予備選では茶会系のテッド・クルーズにも献金していたが、途中からトランプを支援した。
ロバート・マーサーは、合計1350万ドルをトランプ選対に寄付した。同時期にバノンの主宰するネットニュースにも、1000万ドルを寄付している。

 バノンは長女イバンカ、クシュナーの中国経済との深い関係を憂慮し、またマティス、マクマスター、ジョンケリーらの軍人連合とのアフガニスタン増派問題での衝突から、ホワイトハウスを不協和音に導いたとして辞任したが、その後もトランプ大統領との個人的繋がりは継続されており、いつでもホワイトハウスに出入りできている。
 この両者の接着剤が、前述ロバート・マーサーの娘レベッカ・マーサーというわけである。

 ホワイトハウスが分裂状態にあるのは、結局グローバリズムvsナショナリズムの対決構造に帰結するのではないか。
 クシュナーは中国とのビジネスに意欲的であり、中国制裁には消極的である。もっと中国から資本を導入すればよいと考えているうえ、九月にはイバンカと訪中予定という。
 クシュナーの妹はジャージーシティの分譲をEB5ヴィザに有利と言って中国の富裕層に売り込み、問題となった。
 イバンカは自らのブランドが中国で爆発的に売れていることにすっかり気をよくしている。

 クシュナーは大統領選挙前にも安邦保険の呉小暉と会見し、ニュージャージーに建設しているトランプタワーの分譲をめぐって妹の会社が中国人富裕層への投資を呼びかけたと釈明した。
 呉は米国逃亡直前に拘束された。かれの在米資産はいずれ叩き売りに出されるだろう。

 さてステーブ・バノンは『五年以内に米中戦争が起きる』とし、「北朝鮮の核など問題ではない。あれが前座である。本当の敵は中国である」と発言してきただけに、一貫して、このクシュナーとは対立してきた。

 辞任直後には「ホワイトハウスは軍人と身内と、そしてウォール街に乗っ取られてしまった」と発言している。


 ▲中国に制裁より罰金を課したらどうだ 

 トランプ政権は中国企業ならびにロシア企業と個人16を制裁リストに挙げた。財務長官のムニューチンが発表したが、もっと疑惑の強い中国の銀行はリストに入っていなかった。財務省は「中国が為替操作国」にも指定しなかった。

 元財務省高官でテロリスト資金送金調査チームを率いたアンソニー。・ルジエロは、「制裁ではなく、罰金を課すのだ。さすれば北朝鮮に核物質などを送ってきた中国の企業も銀行も実質的被害がでるから止めるだろう」という(サウスチャイナモーニングポスト、8月25日)。

 トランプ政権の内部ばかりではない。実業界、それもIT産業がこぞってトランプに反対するのは、中国市場を巨大と思いこみ、まだまだ中国から稼げると考えている先端的な多国籍企業ばかりだ。
 
現にマイクロソフトはウィンドーズの秘密コードを中国に公開した。フェイスブックは、中国向け検閲ソフトを完成させて中国のネット監視に協力した。
これらの多国籍企業は、利益をタックスヘブンで運用し、米国に納税しない。つまりグローバリストとは、売国奴のことではないのか。かれらがリベラルなメディアと組んで、トランプ批判を展開しているのである。 


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