独断偏見妄言録 China's Threat

中国は人類の命運を左右する21世紀最大の不安定要因

中国が南シナ海でメタンハイドレート採掘に成功

2017年05月20日 08時00分17秒 | 中国
China successfully extracted gas from 'flammable ice' and it could lead to a new source of energy
中国が新エネルギーであるメタンハイドレートの採掘に成功した

2017.5.19 Stephen Chen, South China Morning Post
http://www.businessinsider.com/china-extracted-gas-from-flammable-ice-2017-5
(要旨)
香港の南東300kmにおいて、中国としては初めて、メタンハイドレートの抽出に成功した。米国の研究機関が、メタンハイドレートの総量は他の化石燃料すべての総量を上回ると推定した。これが世界が注目するきっかけになった。

訳注)この地図に示された位置は香港の南西200km。図または記事が不正確。
「香港の南東300km」という記述が正しければ、フイリッピン近海であり、問題になると考えたのかもしれない。中国人はみんなずる賢く嘘つきだ。用心しよう。

米国、カナダ、および日本がこの分野の研究をリードしてきた。日本は、今月初め、太平洋側でメタンハイドレートの生産に成功し、3~4週間にわたる連続生産を計画している。日本の試掘は船上で行われたが、中国は浮体式プラットフォームを使用している。

中国はこの分野では後発だが、2007年に南シナ海で有望な埋蔵が発見されてから急速に追い上げている。今年の初め、中国の科学者は、永久凍土層にメタンが豊富に含まれるチベット高原において、中国としては初めての陸上の掘削プラットフォームを設置した。

中国中央テレビは、最新の成果として、掘削機が沈められる場面のビデオを放映した。
「我々は5月10日以来、ガスを海上で燃焼させることに成功した。これまでのところ、8日間にわたって連続採掘を行ってきた」とプロジェクト・リーダーが語った。「1日の採掘量は1万立方メートルであり、最大で3万5千立方メートルに達した。」
中国科学アカデミーの研究者チェンは「他国の先行例とは異なり、今回の試みは商業生産の手順に從っている」と語った。「用いられた技術と装置は実験目的ではなく、ビジネスのためだ」。

しかし、チェンによると「メタンハイドレートには欠点があり、限られた空間に集中している石油や天然ガスとは異なり、ハイドレートは海底の広い範囲に分散していて、その採掘は畑でイチゴを摘み取るようなものだ。また、鉱物資源とは異なり、「氷」は直接海中から取り出すことはできない。圧力が低下すると分解してしまうからだ。海底で氷を溶かし、減圧して海上に取り出すには高度の装置と技術が必要だ」。
また、彼女によると「ある国が商業生産をためらっている一つの理由は、温室効果ガスであるメタンが大気中に大量に流出することを恐れているからだ。それは、採掘機が海底の安定性を破壊すれば起きうることだ」。

ある政府のエネルギー研究者は「商業化がすぐに始まるとは考えていない。今の時点ではメタンハイドレートの採掘は経済的な意味を持たない。石油価格が低迷しているから、他国には商業生産に踏み切るモチベーションがない。中国が世界で最初の国になるだろう」と語った。

元記事:South China Morning Post
http://www.scmp.com/news/china/policies-politics/article/2094843/china-taps-cool-future-global-energy


ふむふむ。中国が南シナ海にこだわる理由の一つがこれだろうな。
青山繁晴さんじゃないが、日本はもっと急ぐべきだね。経済性は二の次でいい。エネルギー安保という発想が日本の政治屋には欠落しているらしい。


<2017年5月21日>

A fuel-of-the-future breakthrough for China and Japan?
May 19, 2017
http://www.cbsnews.com/news/china-japan-combustible-ice-methane-hydrate-fuel/



<2017年6月19日>

日本の第2回メタンハイドレート海洋産出試験が開始されるというニュースに接した後、しばらく音沙汰がない。どうなったのかと思って調べたら、またもや失敗していた。

第1回の産出試験が行われたのは2013年3月12日~18日までの約6日間であり、砂の流入により中断(有り体に言えば、失敗)した。これは初めての試みだったから、失敗は恥ではない。

第2回の産出試験は2017年5月4日から渥美半島~志摩半島の沖合で地球深部探査船「ちきゅう」を用いて実施されたが、やはり、砂の流入により中断(=失敗)した。4年間もかけて砂の流入対策を検討したはずなのに再び失敗とは、なんと情けない技術者たちだろうか。あまりにも恥ずかしいので、失敗の事実を公表できず、こっそりとHPに書くだけにしたのだろう。

正確な情報はお役所のHPから:
第2回 http://www.meti.go.jp/press/2017/05/20170515003/20170515003.html

第1回 http://www.mh21japan.gr.jp/mh21/kss/


<2017年11月1日>

Can Japan burn flammable ice for energy?
日本は燃える氷をエネルギーとして利用できるか?

November 1, 2017 By Sarah Lazarus, CNN
CNN

興味深い写真数枚が添付されている。

メタンハイドレートの生成メカニズムについての議論または解説をこれまで見たことも聞いたこともない。不勉強のせいだが。

石油の起源については、生物起源説と非生物起源説(地球内部での生成説)があるらしい。ヘリウムは石油に随伴して採掘される天然ガス中から分離される。それがヘリウムの唯一の資源ソースなのである。ヘリウムは核融合反応によって生成される。つまり、太陽ではヘリウムが生成しているはずである。地球が太陽から分離し、ヘリウムが地球内部に閉じ込められており、それが天然ガスに混じって地上で取り出されているのであろう。したがって、石油の起源は地球内部にあるとする説が正しいのではないだろうか。

メタンハイドレートの集積地域はおおむね地震が起きやすい地域に集中している。つまり、マントルと関係があるということである。地球内部の高温高圧下で炭素と水(あるいは水素)が反応することで炭化水素が生成すると考えるのが妥当であろう。その点では石油と同じ起源である。メタンは地球上のいたるところで(地域差はあるが)地球内部からにじみ出るのであろうが、大部分は大気中に拡散して、酸素やオゾンと反応することで炭酸ガスに変化し消失する。しかし、深海からにじみ出るメタンは高圧・低温の環境下で水と結合して水和物として海底に集積したのではないか、と私は推測している。

ウィキペディアによると、
メタンハイドレートを構成するメタンの炭素同位体比は比較的小さい値(13C が少ない)を示すデータもあり、これらのメタンは海底熱水系等において確認されている非生物起源のものではなく、堆積物中で有機物の分解によって生じる生物起源のものを主としていると考えられている。


生物起源だとすると、「メタンハイドレートの集積地域はおおむね地震が起きやすい地域に集中している」という事実をどう説明するのか?







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