独断偏見妄言録 China's Threat

中国は人類の命運を左右する21世紀最大の不安定要因

世界支配への野望をあらわにする中国

2017年09月15日 15時19分38秒 | 中国
China declares itself a global power
中国が世界の大国であることを宣言

Sep 14th 2017 BEIJING (stopchina訳)
https://www.economist.com/news/china/21728970-its-all-thanks-xi-jinping-china-declares-itself-global-power

最近、中国全土の政府職員(北東の郵便職員から南西の税務職員にいたるまで)が国営テレビを見るように指示された。共産党が職員にプロパガンダを学ぶように命じるのはよくあることだ。しかし、今回の指示はいつもの国内政治や経済発展についてのテーマとは違っていた。今回は、中国の世界覇権への野望に焦点を当てたものであり、これを実現する習近平の役割に関するものだった。

8月末から9月初めにかけて、国営テレビは、このテーマについて6本の45分番組をピーク時間帯に放映した。中国語のタイトルは「偉大な国家の外交」だったが、一部の国営テレビ局は、もう少し控えめに、「主要国の外交」とした。

中国の影響力が世界的に強まるにつれて、プロパガンダをどうするかが悩みのタネだった。2003年には「平和的勃興 peaceful rise」に落ち着いたかに見えたが、数カ月後には「平和的発展 peaceful development」に置き換えられた。「勃興 rise」という言葉が海外に警戒されるのを危惧したのだ。

番組においては、習近平のもとでの中国の外交政策の成功と彼の個人的な関与について、いささかの慎ましさもなかった。党の宣伝部門の指導のもとに作られた同番組には、中国人や外国人による媚びへつらいの意見がちりばめられていた。2015年のスピーチで、ジンバブエの独裁者ムガベは、にこやかに微笑む習近平について「彼は神に遣わされた人だ」と述べた。(中国は長らくムガベの西側への嫌悪を賞賛していた)
「私は彼が好きだ。私たちには素晴らしいケミストリーがあると思う」とアメリカ大統領ドナルド・トランプが4月のフロリダでの習近平との会談後にアメリカのテレビインタビューで語った場面も同番組に組み込まれていた。

習近平のためのテレビ

番組の中心的な狙いは、中国が世界からの賞賛を勝ち取った新しい外交政策「中国式大国外交」立案の責任者は習近平であることを伝えることだった。習近平は2014年11月の外交政策に関するスピーチでこのことを強調していた。ただし、公式の翻訳では「大国」ではなく「主要国」という言葉が使われていた。昨年初めて「大国」という言葉が政府の年間成果報告書に使用された。鄧小平の「中国式社会主義」と同様にこの言葉は意味をわかりにくくするものだった。

その意味するところは「ウインーウインの協力」とされてはいたが、鄧小平の控えめな「光を隠して、暗さを強調する」外交政策からの明確な転換であった。対照的に、テレビ番組では「世界の平和と安定の維持は大国としての逃れられない責任と重荷である」とのナレーションが流された。番組では、2015年の戦乱下のイエメンから中国人とその他の人々を脱出させる中国部隊、アフリカの角の近海での中国海軍による海賊取り締まり任務、そして7月に海外では初めてのジブチの軍事基地の設立に向けて出発する中国海兵隊などが放映された。

シリーズ番組が放映されている間、習近平の「外交方針」に関する外務大臣王毅による記事が党のニュース紙に掲載された。そこには、習近平の外交方針は「伝統的な西側の過去300年間の国際関係論を乗り越えて新たな道筋を照らす」と書かれていた。番組では、歴史上の勃興勢力とは異なり、中国は、習近平のお陰で、既存勢力との安定した関係を維持してきたことが示された。それは日本および米国との著しい緊張関係を曖昧にするものだった。番組では、習近平が静かに立っているところに外国首脳が歩み寄って握手する場面が再三再四放映された。「それは古代中国の朝貢外交を再演するものだ」と中国の学者が説明する。近隣国の使者が和平のために中国皇帝に貢ぎ物を持って拝謁する様子に似ているというのだ。

しかし、世界のリーダーとしての習近平の振る舞いにも関わらず、彼が海外でのリスクを取ることを避ける気持ちは鄧小平と共通している。シリーズ番組は朝鮮半島危機についてはちょっと触れるだけだった。最後の番組が放映された1日後に、北朝鮮が水素爆弾の実験を行った。習近平の大国外交は、中国が手をこまねいていたことで悪化した国際的危機を防ぐことに明らかに失敗したのだ。



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