独断偏見妄言録 China's Threat

中国は人類の命運を左右する21世紀最大の不安定要因

いよいよ在韓米軍が撤収か?

2017年10月20日 11時22分46秒 | 韓国
北朝鮮問題を解決するための唯一の道は在韓米軍撤収であることは、拙ブログにおいて、以前から指摘してきた。
北による南への先制攻撃を誘い出すには米軍の撤収が絶対条件だからだ。

領空外を飛行する米国の戦略爆撃機B1-Bを北朝鮮が撃墜すれば、米国はそれを北による先制攻撃とみなして、北を爆撃する口実とすることができる、という意見がある。
Sorry South Korea, it’s America first! 2017-09-29 Robert J. Traydon
しかし、北はB1-Bを撃墜する能力を保有していないだろうし、そのような愚かな攻撃をするとも思えない。


北朝鮮は経済制裁によりかなり困窮しているという情報があるが、38度線を超えて南になだれ込めば、南が保有する食料や石油を奪うことで補給を維持することができる、と金正恩が考える可能性は大いにある。なだれ込んだ北朝鮮軍と韓国軍の戦闘は市街戦の様相をおび、韓国が誇る近代的装備はあまり役に立たない。韓国国民を殺傷する可能性が高いので、韓国に侵入した北朝鮮軍への米軍による爆撃は思うにまかせないだろう。金正恩が南の全土を制圧することに生き延びるための唯一のチャンスを見出すとしても不思議ではない。ただし、朝鮮人である金正恩にそのような蛮勇があるかどうかについては否定的な意見もあるだろう。

北による南への先制攻撃があれば、米軍は北の核施設、ミサイルなどを空爆により公然と破壊する口実を手にすることができる。国際社会から批判を浴びることもないだろうし、米中戦争に発展する恐れも少ない。
中国は中立保つべき、北朝鮮が米国に先制攻撃の場合=環球時報
南は甚大な人的・物的損害をこうむることになるが、米国から見れば大きな問題ではないはずだ。なぜなら、それがトランプの「米国ファースト」という思想の具体的な事例だからだ。

おそらく、米国の戦略立案者の頭をよぎるのは日本軍による真珠湾攻撃だろう。当時の米国内には反戦機運が充満しており、苦境にある英国への支援もままならなかった。経済制裁により追い詰められた日本による真珠湾攻撃はそのような状況を一変させた。怒り狂った米国議会は直ちにドイツと日本への宣戦布告を決議した。日本海軍のハワイへの接近情報を握りつぶしたルーズベルトの狙いは的中したのだ。チャーチルは一報を聞いて涙を流して喜んだと伝えられる。2千人の米兵が犠牲になり、多くの米国海軍艦艇が撃沈されたというのに、欧米人はそれほど冷酷になれるのである。日本国民は真珠湾攻撃の戦術的大勝利をさんざん聞かされてきたが、本当は、米国を戦争に引っ張り出すという史上空前の戦略的な大失敗だったのである。我が国には戦術と戦略を区別して認識できる人がほとんどいないのではないかと思うことが時々ある。

米国の最近の対北朝鮮戦略は、経済制裁と軍事的威圧に耐えかねて、金正恩が先制攻撃に打って出ることを予期していると考えられる。しかし、金正恩もサルもの、そう簡単には米国の策略に引っかからないだろう。米軍の韓国撤収が必要な理由はそこにある。米軍の撤収により、北が主張する核開発の正当化が根拠を失うことも見逃せない。だからといって、完成を目前にした核開発を凍結するはずはないのだが。


<拙ブログにおける最近の北朝鮮関連エントリー>
The only way for destroying nuclear arms of North Korea 2017年09月03日
北朝鮮問題解決には駐韓米軍の撤退が必要 2017年07月05日
米軍の韓国撤収が北朝鮮問題解決の第一歩 2017年04月15日
小説「第二次朝鮮動乱」 2017年03月12日

ここに来て、在韓米軍の撤収が具体的に取りざたされるようになってきた。

韓国、米軍に韓国軍の指揮下入りを要求…在韓米軍撤退なら在韓邦人保護に支障も
2017.10.19 渡邉哲也
 韓国の宋永武国防部長官が「戦時作戦統制権」(以下、戦作権)の返還について言及した。
 10月12日、宋氏は戦作権について「時期と条件に合わせて、早急な返還を目指す」と語った。そして、韓国国防部は「(戦作権返還後に)戦時連合作戦を指揮する『未来連合司令部』の編成案が、27、28日にソウルで開かれる韓米定例安保協議会で承認されるだろう」としている。(中略)

戦作権の返還が合意に至る可能性は意外に高いのかもしれない。現在、アメリカは北朝鮮に攻撃するための準備を整えているとされるが、一番の問題は韓国国内の米軍および関係者が危険にさらされることだ。

 軍事衝突が起きれば韓国、特にソウルに被害が及ぶことは避けられず、そのため在韓米軍は釜山に後退してきたという経緯がある。ここで戦作権が返還されれば、ソウルから引き揚げたい米軍にとっては渡りに船であり、同時に空と海からの攻撃を仕掛けやすくなるという見方もあるわけだ。

 ちなみに、今月24日から、在韓米国人のより実践的な避難訓練も始まることになっている。今回の訓練はパスポートを所持して指定の避難所に集合し、その後日本まで避難するというものであり、一部の人たちは実際に日本への退避を経験することになっている。


「在韓米軍」が日本へ撤収
在日米軍から前代未聞の協力要請。「在韓米陸軍と陸上自衛隊の合同演習を、日本国内で行いたい」。その心は――。

2017年11月号 FACTA ONLINE
朝鮮半島に駐留する在韓米陸軍が、「北朝鮮有事」に備えて密かに日本への「撤収」を準備しているらしい――。日本中が安倍晋三首相の突然の衆院解散と野党第1党が事実上解党という政界のハプニングに目を白黒させている最中、陸上自衛隊幹部たちは受け入れ態勢を調整する在日米軍内の慌てぶりに息を呑んでいた。最高レベルの軍機密であるため、在日米軍司令部も自衛隊統合幕僚監部もそうした計画はおろか情報の存在すら公式には一切認めていない。だが、在日米軍から水面下で協力を打診された陸自では、幹部たちの間に前代未聞の壮大なオペレーションの概要が非公式に広まった。それによると、在日米軍からの要請は、「在韓米陸軍と陸上自衛隊の合同演習を日本国内で行いたい」というものだった。もちろん前例はない。


【社説】在韓米軍撤退論、聞き流すことではない
2017年08月19日 中央日報日本語版
在韓米軍撤退論がトランプ米大統領の最側近から公開的に出てきたのは意味深長だ。スティーブ・バノン米大統領首席戦略官・上級顧問が進歩性向のオンラインメディア「アメリカンプロスペクト」のインタビューで「中国が北朝鮮の核開発を凍結させる代わりに米国は在韓米軍を撤収する内容の交渉を考慮することができる」と述べたのだ。もちろんバノン氏は自ら「そのような取引ははるか遠い」と認めたうえ、在韓米軍が撤収するからといって北朝鮮が核を放棄する可能性はないだけに、在韓米軍撤退論の現実性は大きくない。


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