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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)11月6日(日曜日)
通算第5074号
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トランプ。九回裏二死満塁。「逆転満塁さよならホームラン」の可能性
民衆の反エスタブリシュメント、反グローバリズムへの怒りは強烈
*********************************
不思議な現象が起きている。
あれほど全米マスコミに罵倒されながら、ドナルド・トランプの支持率は尻上がり。ヒラリー・クリントンとの差は僅か1%にまで猛追している。
通常の誤差の範囲は5%だから、事実上、逆転しているのではないか。
全米の新聞のなかで、1紙をのぞき、ほぼ200紙がトランプを批判し、そのうち、30紙がヒラリー支持を社説に掲げた。残り1紙は「リバタリアン党」を支持した。まさに異常事態である(ワシントンタイムズとて、明確にトランプ支援をしていない)。
テレビはかろうじて「フォックス・テレビ」が中立的だが、残りの局は、なべてヒラリー支援。CNNは90%の番組が民主党支援キャンペーンのごとくであり、いったい、これほどの四面楚歌にマスメディアの報道合戦の上で晒されながら、トランプはテフロンのように強い支持に支えられている。これが謎だった。
地下マグマのようなダイナミズム、あの熱狂の根っこにあるのは、アメリカ人大衆のワシントンへの怒りだ。火山の爆発のような突発事が起きるのではないか。スタインベックの『怒りの葡萄』を思い出した。
エスタブリシュメント、ウォール街、そして1%の富裕層に対して、多くのアメリカ国民は既成政治家のゲームに厭いた。だからヒラリーはウォール街の操り人形と訴えるトランプのレトリックに酔う。
そのヒラリーがウォーレン・バフェット(全米投資家トップ)を応援弁士に担ぎ出したことは、ひょっとして致命的ミスに繋がるのではないか。
既に「期日前投票」(不在者投票)を済ませた有権者は過去最高にのぼっており、また従来は「投票に行かなかった」人々が、こんどはトランプに票を入れに投票所へ行くという。
対照的にヒラリー支持者は、絶対に行くと答える人が少なく、熱狂が薄い。集会における空席が目立ち、盛り上がりが欠けるのはヒラリー集会であり、トランプの集会は立錐の余地がない。全米のテレビは意図的にこの場面を映し出さない。映像操作をおこなっているようである。
トランプ。絶体絶命と言われた九回裏二死満塁。長嶋茂雄の天覧試合を思い出しませんか?
「逆転満塁さよならホームラン」の可能性が高まった。
トランプ勝利なら、TPPは完全終了だ。結構なことではないか。
例によって、安倍晋三と自民党のバカ共はTPP成立に向けて必死だが、自分たちのやっていることが無意味だとは考えないのだろうか。バカ共には付ける薬がない。
外国人労働者という名の移民受け入れも同じだ。世界の潮流から一周遅れだという自覚が無いのだろう。カナダは中国人移民であふれている。楽園と思われていたスウェーデンがムスリムの流入でどうなったか。金持ち国家ドイツがどうなったか。ベルギーがどうなったか。フランスがどうなったか。イギリスはなぜEUを離脱するか。何も知らないバカで売国奴の安倍晋三は早く消えるべきだ。
<2016年11月6日>
外交ジャーナリストの手嶋龍一氏が警告…トランプ氏当選なら「世界中の秩序が根本から変わる」
2016.11.6
http://www.sankei.com/world/news/161106/wor1611060010-n1.html
「それでも私はクリントン氏優位とみているが、番狂わせもあり得る」と予測した。(中略)「トランプ氏の『アメリカファースト(米国第一)』は、別の言い方をすれば『世界のリーダーを辞める』ということ。日米安全保障条約の破棄や日本の核武装容認まで示唆しており、戦後の世界秩序や東アジアのパワーバランスが、根本から変わる可能性がある」
<2016年11月8日>
The final national polls show Hillary Clinton in position to win the election
最終世論調査ではヒラリー勝利
http://www.businessinsider.com/polls-election-hillary-clinton-donald-trump-2016-11
Poll: Just one day before the election, Clinton leads Trump by 4 points
世論調査: 投票1日前、クリントンが4ポイントリード
http://www.businessinsider.com/hillary-clinton-leads-donald-trump-final-nbc-wsj-poll-election-2016-11
<2016年11月9日>
Trump wins presidency in stunning victory
トランプの驚くべき勝利
Yahoo News November 9, 2016 (日本時間11月9日16時40分)
https://www.yahoo.com/news/trump-wins-presidency-in-stunning-victory-073128080.html
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)11月10日(木曜日)弐
通算第5079号 <前日発行、その2>
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<速報、その3>
プーチンにんまり。習近平、顔面蒼白。ウォール街は周章狼狽
トランプ当選ほぼ確定。NYタイムズ予測ライブは95%でトランプ
**********************************
1325現在(日本時間)、ニューヨークタイムズの予測ライブは、じつに95%の確立でトランプ勝利を予測している。選挙人獲得は290から305人。
ほぼ勝負は見えたようである。
地殻変動のつづいた世界政治のなかで、「グローバリズムへNO」という回答がでた。主権と独立心の回復を叫んできたナショナリズムの勝利、というより、これは左翼リベラリズムの完全敗北を示してあまりある。
次の予測はフランス総選挙で、ルペンが大統領となる可能性もゼロではなくなった。オーストリアの大統領選挙のやり直しも保守が勝ちそうである。
この結果をほくそ笑んでいるのはロシアのプーチン、顔面蒼白は習近平。中東ではサウジもイランも、トランプを歓迎としてきたから、安堵しているに違いない。
過去、ヒラリー陣営のあやしげな財団に巨額を迂回献金してきた中国としては、まずい事態の出来というわけだ。
間接的にトランプを支援してきたロシアはにんまりというところか。
選挙結果の分析は早すぎるにしても、左翼全盛のニューヨーク、バージニア、ペンシルバニア、そしてイリノイ、これから開票が始まるカリフォルニアなど西部三州のうちワシントン州は共和党が勝つかも知れないが、いずれもクリントンの牙城でもあり、トランプが勝つ見込みははじめから考えにくい選挙区だった。
ところがこうした民主党の牙城でも、トランプが予想外の善戦をしている。
日本のマスコミはなにしろ左翼偏向のニューヨークタイムズやボストングローブ、そしてロスアンジェルスタイムズなどを基準にして報道するから、間違えをやらかすのである。テレビの偏向はもっとひどく、CNN、ABC、NBCは左翼の牙城である。
ウォール街は「こんな筈ではなかった」と周章狼狽、株価下落。日本に跳ね返り、前場は株価が上昇する場面もあったが、円高にぶれて、500円の下落を示した。
いってみればエスタブリシュメントの既得権益をまもるヒラリーと共和党保守派はおなじ穴の狢だから、アウトサイダーを排撃するのは自然の流れである。
フロリダ州とオハイオ州でも、トランプ辛勝。中西部、南部は当然ながらほぼ全勝。例外はニューメキシコ州とコロラド州で、移民問題がトランプの敗因だろう。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)11月6日(日曜日)
通算第5074号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
トランプ。九回裏二死満塁。「逆転満塁さよならホームラン」の可能性
民衆の反エスタブリシュメント、反グローバリズムへの怒りは強烈
*********************************
不思議な現象が起きている。
あれほど全米マスコミに罵倒されながら、ドナルド・トランプの支持率は尻上がり。ヒラリー・クリントンとの差は僅か1%にまで猛追している。
通常の誤差の範囲は5%だから、事実上、逆転しているのではないか。
全米の新聞のなかで、1紙をのぞき、ほぼ200紙がトランプを批判し、そのうち、30紙がヒラリー支持を社説に掲げた。残り1紙は「リバタリアン党」を支持した。まさに異常事態である(ワシントンタイムズとて、明確にトランプ支援をしていない)。
テレビはかろうじて「フォックス・テレビ」が中立的だが、残りの局は、なべてヒラリー支援。CNNは90%の番組が民主党支援キャンペーンのごとくであり、いったい、これほどの四面楚歌にマスメディアの報道合戦の上で晒されながら、トランプはテフロンのように強い支持に支えられている。これが謎だった。
地下マグマのようなダイナミズム、あの熱狂の根っこにあるのは、アメリカ人大衆のワシントンへの怒りだ。火山の爆発のような突発事が起きるのではないか。スタインベックの『怒りの葡萄』を思い出した。
エスタブリシュメント、ウォール街、そして1%の富裕層に対して、多くのアメリカ国民は既成政治家のゲームに厭いた。だからヒラリーはウォール街の操り人形と訴えるトランプのレトリックに酔う。
そのヒラリーがウォーレン・バフェット(全米投資家トップ)を応援弁士に担ぎ出したことは、ひょっとして致命的ミスに繋がるのではないか。
既に「期日前投票」(不在者投票)を済ませた有権者は過去最高にのぼっており、また従来は「投票に行かなかった」人々が、こんどはトランプに票を入れに投票所へ行くという。
対照的にヒラリー支持者は、絶対に行くと答える人が少なく、熱狂が薄い。集会における空席が目立ち、盛り上がりが欠けるのはヒラリー集会であり、トランプの集会は立錐の余地がない。全米のテレビは意図的にこの場面を映し出さない。映像操作をおこなっているようである。
トランプ。絶体絶命と言われた九回裏二死満塁。長嶋茂雄の天覧試合を思い出しませんか?
「逆転満塁さよならホームラン」の可能性が高まった。
トランプ勝利なら、TPPは完全終了だ。結構なことではないか。
例によって、安倍晋三と自民党のバカ共はTPP成立に向けて必死だが、自分たちのやっていることが無意味だとは考えないのだろうか。バカ共には付ける薬がない。
外国人労働者という名の移民受け入れも同じだ。世界の潮流から一周遅れだという自覚が無いのだろう。カナダは中国人移民であふれている。楽園と思われていたスウェーデンがムスリムの流入でどうなったか。金持ち国家ドイツがどうなったか。ベルギーがどうなったか。フランスがどうなったか。イギリスはなぜEUを離脱するか。何も知らないバカで売国奴の安倍晋三は早く消えるべきだ。
<2016年11月6日>
外交ジャーナリストの手嶋龍一氏が警告…トランプ氏当選なら「世界中の秩序が根本から変わる」
2016.11.6
http://www.sankei.com/world/news/161106/wor1611060010-n1.html
「それでも私はクリントン氏優位とみているが、番狂わせもあり得る」と予測した。(中略)「トランプ氏の『アメリカファースト(米国第一)』は、別の言い方をすれば『世界のリーダーを辞める』ということ。日米安全保障条約の破棄や日本の核武装容認まで示唆しており、戦後の世界秩序や東アジアのパワーバランスが、根本から変わる可能性がある」
<2016年11月8日>
The final national polls show Hillary Clinton in position to win the election
最終世論調査ではヒラリー勝利
http://www.businessinsider.com/polls-election-hillary-clinton-donald-trump-2016-11
Poll: Just one day before the election, Clinton leads Trump by 4 points
世論調査: 投票1日前、クリントンが4ポイントリード
http://www.businessinsider.com/hillary-clinton-leads-donald-trump-final-nbc-wsj-poll-election-2016-11
<2016年11月9日>
Trump wins presidency in stunning victory
トランプの驚くべき勝利
Yahoo News November 9, 2016 (日本時間11月9日16時40分)
https://www.yahoo.com/news/trump-wins-presidency-in-stunning-victory-073128080.html
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)11月10日(木曜日)弐
通算第5079号 <前日発行、その2>
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<速報、その3>
プーチンにんまり。習近平、顔面蒼白。ウォール街は周章狼狽
トランプ当選ほぼ確定。NYタイムズ予測ライブは95%でトランプ
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1325現在(日本時間)、ニューヨークタイムズの予測ライブは、じつに95%の確立でトランプ勝利を予測している。選挙人獲得は290から305人。
ほぼ勝負は見えたようである。
地殻変動のつづいた世界政治のなかで、「グローバリズムへNO」という回答がでた。主権と独立心の回復を叫んできたナショナリズムの勝利、というより、これは左翼リベラリズムの完全敗北を示してあまりある。
次の予測はフランス総選挙で、ルペンが大統領となる可能性もゼロではなくなった。オーストリアの大統領選挙のやり直しも保守が勝ちそうである。
この結果をほくそ笑んでいるのはロシアのプーチン、顔面蒼白は習近平。中東ではサウジもイランも、トランプを歓迎としてきたから、安堵しているに違いない。
過去、ヒラリー陣営のあやしげな財団に巨額を迂回献金してきた中国としては、まずい事態の出来というわけだ。
間接的にトランプを支援してきたロシアはにんまりというところか。
選挙結果の分析は早すぎるにしても、左翼全盛のニューヨーク、バージニア、ペンシルバニア、そしてイリノイ、これから開票が始まるカリフォルニアなど西部三州のうちワシントン州は共和党が勝つかも知れないが、いずれもクリントンの牙城でもあり、トランプが勝つ見込みははじめから考えにくい選挙区だった。
ところがこうした民主党の牙城でも、トランプが予想外の善戦をしている。
日本のマスコミはなにしろ左翼偏向のニューヨークタイムズやボストングローブ、そしてロスアンジェルスタイムズなどを基準にして報道するから、間違えをやらかすのである。テレビの偏向はもっとひどく、CNN、ABC、NBCは左翼の牙城である。
ウォール街は「こんな筈ではなかった」と周章狼狽、株価下落。日本に跳ね返り、前場は株価が上昇する場面もあったが、円高にぶれて、500円の下落を示した。
いってみればエスタブリシュメントの既得権益をまもるヒラリーと共和党保守派はおなじ穴の狢だから、アウトサイダーを排撃するのは自然の流れである。
フロリダ州とオハイオ州でも、トランプ辛勝。中西部、南部は当然ながらほぼ全勝。例外はニューメキシコ州とコロラド州で、移民問題がトランプの敗因だろう。
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