量子コンパス(またはクオンタムコンパス)という聞き慣れない言葉に出会ったので、ちょっと調べてみた。
量子コンパスは、英国防省が潜水艦の水中での位置測定の精度を格段に向上させる目的で研究に取り組んでいた技術。
【レポート】日立や東芝が開発を担当 英国軍の衛星が不要な位置測定システム
2014年05月21日
autoblog.com
現在、潜水艦は検出した加速度を基に位置を認識しているが、この方法はあまり正確ではなく、1日あたり1km程の誤差が生じてしまう。そのため、水面近くに浮上してGPSで位置を補正する必要がある。クォンタムコンパスであれば、この誤差は1m未満に収まるという。また、クォンタムコンパスはGPSのように妨害電波の干渉を受けることもないそうだ。
昨日、量子コンパスのデモンストレーションが行われたとの報道があった。実用化に一歩近づいたということだろう。
装置は、今の所、かなり大きく、スマホなどへの搭載は無理だが、潜水艦、船舶、自動車などへの積載が可能になると見られる。将来はスマホへの搭載も可能になり、GPSに取って代わるかもしれない。
Quantum 'compass' promises navigation without using GPS
It could keep society humming when satellites fail.
11.11.2018
emgadget.com
上記記事の日本語訳があった。
「GPSいらず」を実現する量子コンパス、英で初デモ。重力波検出にも応用可能
2018/11/12
engadget.com
インペリアル・カレッジ・ロンドンとフォトニクス企業のM-Squaredがナビゲーション用量子加速度計のデモンストレーションを行ないました。このデバイスの開発が進んで実用化されれば、将来的にはGPSを使用せずに、高精度での測位が可能になる可能性があるとされます。
量子加速度計は、原子を極低温に冷やすと波の性質が強くなって干渉を起こすようになるのを利用し、レーザーでその位相差を計測することで、その原子が受けている加速度を検出します。
このデバイスは非常に高感度でありながら、外部の信号に依存しないというところが重要だと、M-Squaredは解説します。英国ではGPSが1日なくなれば、10億ポンド(約1500億円)の損失になると言われていますが、将来的にこのデバイスがあらゆる機器に搭載できるようになれば、ビルの陰や地下、または電波が届きにくい水中/海中などあらゆる場所において高精度な測位が可能になる可能性があります。
この翻訳では原子を極低温に冷やす方法についての説明が省略されている。
冷却にはレーザー冷却という、これまた聞き慣れない技術が使われる。ノーベル賞を受賞した発見をベースに開発されたという。
詳細はウイキペディアを参照されたい(私は理解できなかったが)。
レーザー冷却:
レーザー冷却とは、レーザー光を用いて、気体分子の温度を絶対零度近くまで冷却する方法のこと。おもに、単原子分子、もしくは単原子イオンに用いられる。 (ウイキペディア)
量子コンパスは、英国防省が潜水艦の水中での位置測定の精度を格段に向上させる目的で研究に取り組んでいた技術。
【レポート】日立や東芝が開発を担当 英国軍の衛星が不要な位置測定システム
2014年05月21日
autoblog.com
現在、潜水艦は検出した加速度を基に位置を認識しているが、この方法はあまり正確ではなく、1日あたり1km程の誤差が生じてしまう。そのため、水面近くに浮上してGPSで位置を補正する必要がある。クォンタムコンパスであれば、この誤差は1m未満に収まるという。また、クォンタムコンパスはGPSのように妨害電波の干渉を受けることもないそうだ。
昨日、量子コンパスのデモンストレーションが行われたとの報道があった。実用化に一歩近づいたということだろう。
装置は、今の所、かなり大きく、スマホなどへの搭載は無理だが、潜水艦、船舶、自動車などへの積載が可能になると見られる。将来はスマホへの搭載も可能になり、GPSに取って代わるかもしれない。
Quantum 'compass' promises navigation without using GPS
It could keep society humming when satellites fail.
11.11.2018
emgadget.com
上記記事の日本語訳があった。
「GPSいらず」を実現する量子コンパス、英で初デモ。重力波検出にも応用可能
2018/11/12
engadget.com
インペリアル・カレッジ・ロンドンとフォトニクス企業のM-Squaredがナビゲーション用量子加速度計のデモンストレーションを行ないました。このデバイスの開発が進んで実用化されれば、将来的にはGPSを使用せずに、高精度での測位が可能になる可能性があるとされます。
量子加速度計は、原子を極低温に冷やすと波の性質が強くなって干渉を起こすようになるのを利用し、レーザーでその位相差を計測することで、その原子が受けている加速度を検出します。
このデバイスは非常に高感度でありながら、外部の信号に依存しないというところが重要だと、M-Squaredは解説します。英国ではGPSが1日なくなれば、10億ポンド(約1500億円)の損失になると言われていますが、将来的にこのデバイスがあらゆる機器に搭載できるようになれば、ビルの陰や地下、または電波が届きにくい水中/海中などあらゆる場所において高精度な測位が可能になる可能性があります。
この翻訳では原子を極低温に冷やす方法についての説明が省略されている。
冷却にはレーザー冷却という、これまた聞き慣れない技術が使われる。ノーベル賞を受賞した発見をベースに開発されたという。
詳細はウイキペディアを参照されたい(私は理解できなかったが)。
レーザー冷却:
レーザー冷却とは、レーザー光を用いて、気体分子の温度を絶対零度近くまで冷却する方法のこと。おもに、単原子分子、もしくは単原子イオンに用いられる。 (ウイキペディア)