イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

ストックポートの原爆ドーム?戦争の惨禍を今に伝える空爆教会・・・ではなく、火事の焼け残り

2017年03月08日 09時00分00秒 | ストックポートとその周辺

ストックポート・タウンセンターを抜けて、マンチェスターに向かう国道A6の急な坂道,丘のてっぺんに石造りの教会の塔が見えています。


石段を数段あがった(丘のてっぺんにあってさらに)盛り土をしたような高台にたっています。





廃墟です。

門扉が閉まっていて入れません。

私は20年近くずうっと、この教会は戦争中にドイツ軍の空爆にあって破壊され、広島の原爆ドームや、リーズの大聖堂のように戦争の惨禍を後世に伝えるために保存されている建築物件だと、なぜか勝手に思っていました。

窓の内側に同素材の石材を積んだりして明らかに補強しています。


たしかに重要なモニュメント扱いです。
夜間にはライトアップされて神々しく威厳をたたえています。

調べました。ちゃんとウィッキピーディアにまで載っていました。

クライスト・チャーチ Christ Church。

1844年から1846年にかけて建てられた、ゴシック・リバイバル様式。正確にはアーリー・イングリッシュ様式(12世紀から13世紀にかけてのイギリス独自のゴシック様式)を忠実に踏襲しています。




なんだ~!!

1977年に火事で前部と側廊の一部を残して消失したんだそうです。

思わせぶりにライトアップなんてしちゃって!!


第二級保存指定建築です。
National Heritage List for England(国選の文化遺産建造物リスト) にも、火事にあった後の焼け残りが(!!)指定されたので取壊せないんですね。

ドミノ牌のような墓石に囲まれていますが、鉄の門が閉まっているのでお墓参りの人が入れません。

横から・・・


焼け落ちた後ろの部分が見たいのですが、入れません。周りを歩けません。

横から写真を撮った私道はすぐ行き止まり。
まわりは住宅が密集しています。



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住宅街のまんなかの放牧地の池、その後・・・大惨事?モグラの地下坑道に浸水の可能性

2017年03月06日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
先週お見せした放牧地に突然現れた巨大な水たまり、というより池。



晴天の土曜日に、また通りかかったので写真を撮りました。
太陽の光に水面が反射してとってもきれい!

2日間の好天続きに、水がひくどころか・・・

もうひとつ「池」が増えていました!


こっちはちょっと規模が小さめですが、やっぱり「水溜り」とよぶには大きいです。




前回写真を撮ったあと、私たちがケント州に滞在していた3日のうちの2日は、向こうも、こちらも雨ふりでした。



新しいほうの池の端からのびる、モグラ塚の列・・・




一度本物を見てみたい、モグラ!!

土がポコポコ盛り上がるモグラ塚はイギリス中どこの原っぱでもおなじみですが、モグラが出てくるところを見た人はあまりいません。

地中を掘り進むさいに出た余分な土を地上に放り出したのがモグラ塚なんだそうですが、このモグラのトンネル、どうなったんでしょうか。

新しくできた池に突き当たって地下浸水?



先週の記事のリンクです。  
住宅街の中の農地に突然現れた池、冬の嵐の置き土産2017年2月26日ブログ

こんなふうに、住宅街の中です。


パノラマで撮ってみました。
私が立っていたすぐ横、右側の金網部分と地面がカドのように曲がって写っていますが、実際は、とても長いまっすぐな道路沿いに、まっすぐに伸びる空き地なんです。
パノラマ撮影の時は、ぐーっとはなれないといけないようですね。

道に並びたつ家の列の裏がわに1960年代後半に一括分譲されたらしい広大な住宅地が広がります。
下の息子のガールフレンドが住んでいるので、車でたびたび送り迎えをすることに。

歩いて行くと自宅から45分くらいでしょうか。



詩人のブログから勝手に借りたモグラの写真 ↑

その人もどっかから借りてきたのでしょう。


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ロンドンを通過中に撮影した、イギリスでいちばん高いビル・・・歩きスマホは危険です!

2017年03月04日 22時46分30秒 | ロンドンとイングランド南部
ロンドンの、ロンドンブリッジ駅 London bridge Station のすぐ横にある、イギリスで一番高いビル、シャード Shard。


前にロンドンブリッジ駅で完成直後のシャードの写真を撮った時はこの場所にプラットフォームをおおう屋根はありませんでした。

ロンドンブリッジ駅とその周辺の再開発がものすごい勢いですすんでいました。
電車の窓から少し見えたシャードとその周辺はまるで私が子供のころに多くの人が思い描いたような近未来都市のようでした。


今日の話題は、シャードでも、ロンドンの再開発でもなく・・・一時も携帯電話から、目を離さないうちの息子2人。





ケントのオーピントンOrpington に、水曜日と木曜日に2泊しました。

オープントンはロンドンから、急行電車で約20分、通勤圏の郊外の街です。

マンチェスター・ロンドン間の特急列車はストックポートにとまります。
ストックポート駅から、ロンドンの終着駅のひとつ、ユーストン Euston まで約2時間。

ユーストンからチャリングクロスまで地下鉄で行って、オーピントン行きの鉄道に乗り換えます。
今回は、地下鉄チャリングクロス駅から、地下道をながながと一駅乗る距離を歩いて、チャリングクロスの次の駅、ロンドンブリッジ駅から、オーピントン行きに乗りました。

ロンドンの地上、屋外に出たのは、オーピントン行きの電車をプラットフォームで待つこの20分のみ。

地下鉄でも携帯電話から目が離せない息子2人。




実はもっとたくさんスマートフォンに没頭する息子の写真を撮ったのですが・・・



日本で言う、「歩きスマホ」がイギリスでも浸透しだしてからずいぶんたちます。

ロンドンの駅構内は夜でも人出がおどろくほど多く、携帯電話を見ながら突き進んでくる人達を見て危ない、怖い!とあらためて感じました。

世界中どこの観光地でも必ず見かける車輪のついたスーツケースをごろごろひいて歩いてる人がとても多いので、なおさら・・・

あれで知らずに道をふさぐ人、ひとにあてて転ばせる人がたくさんいそうです。



スマートフォンから目が離せず、周りの状況に無頓着な人のことをイギリスでは スマートフォン・ゾンビ Smartphone zombie というそうですよ。



オーピントンではお葬式に出席しました。

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1950年ごろ発行のかわいいお菓子のレシピ本のとおりにまずつくってみたスコーン・・・なんかちょっとヘン・・・

2017年03月04日 09時00分00秒 | 英国のお菓子とデザート

「Be-Ro Home Recipe」


1950年代の、製粉会社が自社の小麦粉を使ったレシピを紹介する販売促進用小冊子です。

裏表紙。


レトロなレイアウトで、イギリス伝統の焼き菓子のつくり方がたくさんのっています。

2月28日の、リベンジューム・アンティーク・ヴィレッジの記事を読んでください。   

アンティーク家具と骨董品、ガラクタ好き必見!屋内アンティークマーケット、建物もアンティーク
2017年2月28日ブログ



最初の品目、Rich Scones というのを、指示通りにつくってみました。
フルーツ・スコーンですね。



スコーンというのは家庭ベイクの基礎の基礎、いろいろなレシピがでていて、私も今まで何回もつくったことがあります。

 



材料; Be-Ro セルフ-レイジング・フラワー8oz (オンス)、小さじ半分の食塩、 ラード1と半oz、砂糖1oz、カラントか干しブドウ大匙1杯、卵1個、牛乳少々、以上。

メートル法と、インペリアル法についてはそのうち書くつもりでいたのですが、機会がありませんでした。

同年代のイギリス人の友人や夫にメートル法は通じません。
私の頭の中の目盛りはメートル法ですが、イギリスに住んで25年以上、インペリアルもそれなりに使いこなしています。
(この話はいずれまた・・・)

そういえば、最近のお料理のレシピは、メートル法で書かれているか、少なくともメートル法併記のものがほとんどなので、今までオンスで材料を計ったことがなかった・・・ということに気がつきました。


ちゃんとうちのお料理用の計りに、グラム、キロと並んでオンスとポンドの表記もありました。
8オンスは230グラムぐらい。
1オンス半は45グラムぐらい。

夫はベジタリアンなので、ラード(ブタの脂)のかわりに細切れにした冷たいバターを使います。

マーガリンを使ってもいいはずです。
今時、ラードでお菓子作りする人はイギリスではおばあさんぐらいでしょうね。

セルフ・レイジング・フラワー self-rising flour というのは、小麦粉(フラワー)125グラムに対して3グラムの割合で、ベーキングパウダーがすでに配合してある、イギリスではおなじみの便利な市販のベーキング用小麦粉です。

このレシピ小冊子を発行したBe-Ro社は世界に先駆けてセルフ‐レイジング・フラワーを開発販売した、イギリスを代表する製粉会社です。

私は例によってスーパーマーケット、セインズべりーのセルフ‐レイジング・フラワーを使いました。お値段はBe-Roの半額以下。

全部手で混ぜてこねて、のびるぐらいのなめらかさになるまで、少しずつ冷たいミルクをたらたら流しいれます。
小麦粉をふった表面に麵棒で半インチ(1・5センチぐらい)の厚さにのばして、スコーンカッターで抜く。



うちにスコーンカッターがないので、夫のお気に入りの江戸切子のぐいのみをこっそり使用。
おっと、カラントか干しブドウもうちになかったので、なぜかうちに長いことある「ミックスト・フルーツ」お徳用大袋の残りを使いました。

オレンジやレモンの皮の砂糖漬けの混ざったクリスマス用ミックスでした。
まあいいか・・・これしかないし、使いきりたい。(以前もこれをやった気がします)

 450°F(華氏450度=摂氏230度)のかなり高温であらかじめじっくり熱しておいたオーブンで10分焼く。

!!!!!ふくらまなかった!!!!!


他のレシピには、セルフ‐レイジング・フラワーにくわえて、さらに少量のベーキング・パウダーも使われているのが普通です。
もしかしてBe-Ro のは特別な配合で、ベーキングパウダーが余分に入っているのかもしれません。

それと、薄すぎたのかもしれません。これじゃ8分の3インチ(1センチ)の厚さしかない。


口当たりはビスケットです。
スコーンだと思わなかったら上出来・・・かも(負け惜しみ)。



バターをつけてスコーンとして食べました!(意地づく)。

以前日本のケンタッキー・フライドチキンで大箱を買うと、アメリカ南部レシピだとかいう油っぽいサクサクビスケットがついてきたでしょう?(40年近く前・・・今もありますか)
あれを思い出しました。


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リベンジューム・アンティーク・ビレッジ続き、屋内常設アンティーク・マーケット

2017年03月02日 09時00分00秒 | マンチェスター

「明日に続きます」なんていっておいて、昨日は休刊してしまいました。
ごめんなさい。
マンチェスターの、リベンジューム・アンティーク・ビレッジ Levenshulme Antiques Village 。一昨日の続きです。




レンガ造りの町役場と、隣接する石造りの警察署の建物が民間に払い下げられ、たくさんの骨董、というか古物、ガラクタ・・・アンティーク家具屋が間借りをしている、大規模な屋内アンティーク・マーケットとして使われています。

どちらも19世紀終りごろの建物です。


もと警察署側の一階奥は、カフェになっています。


上の写真に写っている、テーブル3個が並ぶスペースは、実は中庭。
カフェがあるのは白い壁の向こうの薄暗い小さい部屋です。

上に半透明のプラスチックの屋根が葺いてあって、「半屋内」になっています。
雨には濡れませんが、中庭に続く、半吹きさらしエリアです。

喫煙が法律で許されている屋外喫茶スペース ↓は、業者の車がとめてあったり、周りで古家具の修復作業が進行していたりで、あまり居心地がよくなさそうです。


(イギリスでは2007年以降、個人住宅を除くすべての屋内スペースが禁煙になってるって、ご存知でしたか)


屋内に戻って・・・

入り口を入ったところにある、こぎれいな玄関ホールを通って、階段を上がります。


踊り場から上階の大講堂にはいる入り口は2つあります。





大講堂は古家具、あるいはセカンドハンドの家具展示販売スペースとして使われています。



何人かの業者が共同で借りているスペースのようですが、がらがらの平日の昼間、若い男の人が一人で店番していました。

彼の売り物ではない商品に関してもある程度任されているらしく、留守の店主に代わってお金のやり取りや配送手続きなどしていましたが、値段の交渉には応じられないそうです。

値段が書いていない商品も多々あって不自由です。もちろん店番の人に聞いてもわからないし・・・売り手のやる気が疑われます。

たぶん売り手の多くは、ここをショウルーム兼収納庫として借りているのではないでしょうか・・・。
ビジネスはウェッブサイトでなりたっているんじゃないかと思うのですがどうでしょう。

買う意思のある人はたぶん、電話番号を聞いて直接交渉するんじゃないかと思います。


大講堂の控え室めいたスペースでは、取壊されたりした古い建物から取り外された古いマントルピース(暖炉前面)
を専門に修復して売っています。


イギリス人では古い不動産が大人気。
築200年の一般家屋なんて、ぜんぜん珍しくありません。

古い建物の多くは内部がすっかりモダンに改装されていて、買い取った人は建築年代にあわせた模造品の飾りを買ってきて、細部までその時代の様式に再現するのが普通です。

マントルピースは、「本物」を使うのが望ましいらしいんです。



地下に降ります。



ここも家具専門。



実は地下階は、裏庭と同じレベルなんですね。


裏庭に出ます。


外もけっこうおもしろいスペースなんです。

白い低いたてものはもと厩舎。


外に年代も用途もまちまちの椅子がドカっと並べてあります。


いいなあ。私、椅子が大好きなんです。
学校の椅子、教会の椅子、工場の椅子。


庭用の置物を売る店、外に商品を出しっぱなしで、しまってました。


盗まれないんでしょうか。
苔に覆われた巨大なカエルの置物に心惹かれました。(値段が書かれていませんでした。ほんとに売り物か)


イギリスでは見慣れたビジネス、古いドアを売る商売。


古いドアは、ペンキをはがした状態のほうが価値があるのです。
過去200年近く、何重にも塗り重ねられたペンキを大きな水槽にためた剥離液につけて、いっぺんにはがすサービスもやっています。

依頼すればい自宅に来てドアを取り外して、ペンキをはがし、また取り付けてくれます。

ドアの持ち主は、年代物の樫の一枚板など高品質の素材であれば、塗装しないでビーワックスを塗って表面を保護し見せびらかします。
一度ペンキ塗装を完全に剥離したあとで自分の好みの色に塗る人も多いんです。



この、リベンジュームという町は、私が隣のエリアに住んでいた25年ほど前は正真正銘のアイルランド人街でした。
アイリッシュ・パブ、アイリッシュ・ベーカリー、ただアイルランド系の移民が経営している、というだけの普通の個人商店(家の戸口を緑のペンキで塗っているのでアイリッシュ系だとはんべつします)がずらっと並んでいました。
同時にアンティーク・ビレッジのまわりは、国道A6沿いにずらっと古物商がならび、イギリス北西部有数のアンティークエリアとして知られていました。

興味深いまちだったんです。

それがいつの間にかインド、パキスタン系のビジネスが近辺のエリアから拡張しだして、ほとんどすべての古物小売店が散逸し、アイルランド移民系の個人商店も、経営者が年をとってリタイアしたのか姿を消しました。

20年前まで存在した、アンティーク好きをひきつける、時間が止まったような古い街並みも、今は昔。

いまや、インド、パキスタン系の人達の経営するセカンドハンド携帯電話店や1ポンド均一店に占領され、町中軒並みプラスチックの大看板や、全面ガラスのショーウィンドーを埋めつくすように貼られた販促スティッカーでけばけばしく様変わりしています。

アンティーク・ビレッジ内も空き店舗スペースがひじょうに多くて、寂しい限り。



家具も以前は、「真性アンティーク」とは言えないまでも、戦前戦後の本当の古家具がほとんどでしたが、近ごろはただのセカンド・ハンド、それも私のあまり好きでない、節のある、パイン材の家具が多く並んでいます。

日本では「白木材」っていってましたっけ?
1980年代と90年代にはやりましたよね。流行おくれになって手放す人が多いんでしょうか。

戦前、1950年代の家具がいっせいに出回った10~20年前のあの頃は、今から思えば、結婚した時にそろえた家具一式を一生大事に使って亡くなったり、老人ホームに移ったりしたお年寄りが手放したものだったのかもしれません。



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