イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

いたましい事故のニュースに私もこの目で見てみたくなった、厚くはった池の氷...寒さに強い私も寒がる異例の寒さ

2022年12月16日 06時20分40秒 | 英国の、生活のひとコマ

「寒い寒い」とぼやくことが少ない暑がりの私ですが、ここ一週間、むやみやたらに寒いです。

昨日は日中気温がマイナス2℃からプラス1℃でした。

暖房費の高騰で寒がりの夫も日中暖房をつけ渋っているため、家の中も寒いです。

私がつけたいと言えば、たぶん夫は大喜びで「私のため」にセントラルヒーティングをつけるでしょう。...私は我慢できるので「まだだいじょうぶ。あなたがどうしても我慢できないというのなら、どうぞ、つけて」ということにしています。

さすがに氷点下になる日没後(4時前)は我慢の限界。セントラルヒーティングを全開にして、それでも人が過ごす部屋以外はラジエーターの元栓を閉めて節約です。

さて、写真です。

 

朝の9時頃、凍てつくような寒さにもかかわらずキン!と晴れ上がった青空が美しかったので、1人で散歩に出かけました。

小川が流れる雑木林の中の渓谷の散歩道、ストックポート日報ではすっかりおなじみのハッピーヴァレーの遊歩道を少しだけ、歩きました。

何もかもが白い霜に覆われてキラキラ...夢のようにきれいでした。

目当ては「カエル池(命名、私)」。それ以上先の小川沿いの道までは行きませんでした。

夏にはオタマジャクシがうじゃうじゃ観測できる、(これまた)ストックポート日報ではおなじみの「自然観測池」です。

 

観測デッキが張り出しているあたりは満々と水をたたえた池なのですが、わきにまわると「池」のふちと湿地帯の区別がつかない危険な沼地なのです。

 

 

わざわざ、「氷が張ったところ」を見に来たのです。

一昨日、イングランド中部のバーミンガム近郊で池にはった氷の上で遊んでいた男の子4人が、池に落ちました。8歳と9歳、そして11歳の3人の子が亡くなりました。

氷が割れて、池にはまってしまったのです。一番年上の少年は年下の友達を助けようと自分から池に飛び込んで亡くなったそうです。

このいたましい冬の水難事故は、NHS(国家保健サービス)制度始まって以来の規模の医療従事者のストライキ開始とともに昨日のニュースの2大リードでした。

 

「緯度が北海道と同じくらい高い英国はさぞかし寒いだろう」という思い込みのある日本にお住いの皆さんは多いと思います。

実際は、イングランドの冬の寒さは概して言えばそれほど厳しくはないし雪もめったに降りません。ただ、寒い期間は日本よりもかなり長いかもしれません。昼間、池に子供たちがのれるほどの厚い氷が張るなんてことは、例年ならばほぼないことなのです。

凍った運河の上のビア・ガーデンや河や湖でのスケート遊び、クリスマスの雪景色や、冬は毎日そり遊び...のようなイメージを英国に来るまでの私も強く持っていたのですがオランダや北欧、アメリカ合衆国のイメージを漠然と「欧米全体の冬の光景」とごっちゃにしていたのだと今はわかります。

とにかく、亡くなった子供たちは非日常感にワクワク、楽しくてはしゃいでしまったのでしょう。気持ちがよくわかるだけに胸が痛みます。

 

さて、この「カエル池」の氷はかなりしっかりどっしりしていましたよ。

木片でガツンガツンと叩いてみましたが割れません。

向こう側まで氷の上を歩いて渡ってみたい衝動にかられました。

池の底はどんな様子か(ズルズルか硬いのか)判別がつきませんが、万が一氷が割れて池に落ちても足が届かないほど深いとは思いません。

でもたとえ溺れる心配はなくても氷水に胸まで浸かれば心臓麻痺を起こすかもしれませんし、ぶじに水からでられても氷点下の気温の中、氷水に濡れた服を着て家まで30分歩いて帰るのは楽しくないだろうなと思いつくだけの分別はありました。

夏にはぬかるんでいた湿地帯にまわってみました。もちろん地面はがりがりに凍っています。

 

実は、湿地帯にあるごく浅い池の始まり部分に足を踏み込んで厚い氷の上に両足で立ってみました。

底まで凍っているのを確認して2歩、歩いてみました!大冒険です!そう言えば私は道路の水たまり以外の、はった氷の上を歩いてみたことは今までにありません。

万が一、氷がわれてもせいぜい水深は足首ぐらいまでであろう場所ですが、底はズブズブで足がぬけなくなる可能性もあります。どっちにしても氷水に漬かって濡れた靴を履いて家まで歩いて帰るのもかなりイヤなので、それ以上無謀なことはしませんでした。

 

 

夫に「天気がいいから外で遊んで来い」と家の外に無理やり出されて迷惑そうな母子ネコです。(寒い)

霜で枯死した芝生と、ハーブ花壇の夏の花、ナスターチウムが冷凍状態のまま鮮やかな緑と黄色やオレンジの花の色を1週間以上保っています。日の短い冬の間3階建ての「タウンハウス」に囲まれたうちの裏庭に陽がさす時間はとても短いのです。

陽が照って氷に変わった霜が溶ける間もなく夕暮れになって新たな霜がおりるころになります。

溶けたら、ナスターチウムも芝生も真っ黒でズルズルに腐って見苦しいことでしょう。芝生は春になるとまた新芽がのびて復活します。デイジーやバターカップ、クローバーやタンポポなど芝生に混ざって勝手に生えている雑草はまだ枯れずに生きているようです。生命力にびっくり!

 

日没直前に、牛乳を買いに外へ出てすぐ見かけた美しい夕暮れの空です。

 

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
犬と暮らせば (浅井洋)
2022-12-16 11:01:22
寒そうな 雰囲気が よく 伝わって きます
返信する
犬と暮らせば (浅井洋)
2022-12-16 18:55:13
 お子さんが 4人亡くなった ニュース見ました
池で 遊ぶ子供って まだ 居るんだって 
驚きました
 広島の田舎はジジババが 遊ぶ時は 見てますし
広島の都会は 学校が終わったら 塾ですから
 遊んでいる 子供を見る機会が 少ないです
日本が衰退するのでは と 思うほど
 公園で 子供の声は 聞こえません
親が見てない 子供も 少ないです
返信する
犬と暮らせば (浅井洋)
2022-12-16 21:35:22
ねこは 炬燵で 丸く成る
はずが 英国では
     日光浴を させるんですか
 お国によって 其々 ですね
返信する
浅井さんへ (江里)
2022-12-17 06:52:20
私が日本に住んでいた30年ちょっと前までは、小学生以上の子供たちは平気で外で遊んでましたよ。学校の行き返りも子供だけで。5~6歳になったらお使いにも行かされてたり。それが英国に来てびっくり。11歳になるまでは子供だけで外に出してはいけない決まりがあるのですから。今もそうです。
思うに、日本でも子供が犠牲になる犯罪に対する警戒心が追い付いてきたんですね。私も、日本でも最近大人の付き添いなしに遊んでいる子供をあまり見かけないことに気が付きました。
池にはまった4人の子供のすべてが亡くなって、死者は4人になりました。友達どうしにしては年齢がばらばらだなと思っていたのですが、いとこ同士でした。そのうち2人は兄弟です。たぶん...11歳の頼りになる甥がいることで親も安心して遊びに出したんじゃないでしょうか。「トマスのいうことを聞きなさいね」なんて言って。悲しい話です。地域や状況によっては子供たちだけで遊ばせることもあるようですが、依然として小さい子だけで外に出すと「ネグレクト」とかにあたり、場合によっては親権を失うこともあるので特殊な例だと思います。
ネコを無理やり外に出したのは、まあ、嫌がらせのようなものでしょう。運動不足も心配でした。
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