今日で5回目、バース Bath の話題、
バースといえば、18世紀、ジョージアン様式の連続住宅がならぶ整然とした都市計画。
都市計画の最初に着手された建築プロジェクトが、ロイヤル・クレセント The Royal Crescent。観光名所です。

ジョージア様式の住宅の最高傑作、第一級保存指定住宅。
イギリスのみならず、ヨーロッパの建築史上もたいへん貴重な歴史的建造物です。

1774年に完成してから、外観はほとんど変わっていないというから、驚きです。
クレセント(三日月、半円)型に優雅に湾曲して伸びる、約150メートルの連続住宅。
地上4階 + 半地下の5階だて住宅が、No2 から No29 までの28軒、左右対称の、両端 No1 と No30は、うしろに張り出した増築部分付きの、豪華版。




イオニア式の柱をちょうどまんなか、No16だけ、2本セットでファサードに立てて、偉そうです。

ポイントになる大きな窓もありますね。
No1は、復元家具や小物をいれ一般公開している、18世紀の生活史博物館、No 1 Royal Crescent。

10分おきぐらいにやってきて、大きな樫の木の下あたりに止まる、乗り降り自由の 赤い観覧バス からたくさんの観光客がドカッと降りて、写真を撮って見物して回ります。
博物館はすごく混んでいて、入場料も高く、入りませんでした。
それにしても、この保存指定建築、現在も人が住んでいる 一般住宅でもあるんです。
自分のうちが観光名所!どんな気分なんだろう?
クレセント前の公園は、熱気球の祭典、バース・バルーン・フェスティバルなるイベントが開催される名所だそうです。
観光シーズン中は、毎朝、毎夕 観光客を載せた気球が上がっています。

ウェッブサイトで調べてみました。
バルーン・フライトの料金は、一人 99ポンドから270ポンドまで。
270ポンド(3万9千円)払えば貸し切りで、時間内で好きなところに飛ばしてもらえるそうです。
ロイヤル・クレセントの住人のプライバシーはどうなってるんだ。
こんな景色が見下ろせます。

99ポンド払って気球に乗って撮ったのかって?
まさか!上の写真は、例によって観光ウェッブサイトから断りも入れずに勝手に借りました。
絵葉書にもなっているよく知られたイメージです。
表側が、統一感と均整のあるすっきりした外観なのに、プライベートな裏側が いやにごちゃごちゃ個性を発揮していませんか。
一休みに腰を下ろしたヴィクトリア・パーク Victoria Park の芝生の上で、夫が昼寝中に、私は一人でNo1 ロイヤル・クレセントから 後ろをぐるうっと 歩いて回ってみることにしました。
No1 ロイヤル・クレセント。


裏に回ります。

No2、3、4… と反対側の端、No30に向かって歩きます。
ロイヤル・クレセント各戸の裏庭の終わりに、住人が好き勝手な車庫か何かを増築しているようです。
ロイヤル・クレセントの建物が見えません。
あ、見えた。


最後は、No30 ロイヤル・クレセント。


右側に、反対側の端、No1 ロイヤル・クレセントが見えています。↑

玄関脇に、ドアベルが3つ縦に並んでいるのが見えるでしょう?

どうやらこの一戸は、3軒のフラットに分割されて複数世帯が居住しているようですよ。
No30 正面に回ります。




まんなか、No 16 は、高級ホテルになっていました。
ドアマンが正面に立ち、泊り客が次々と出たり入ったりするので 写真は撮りませんでした。
泊り客はすべて中国人でした。
改装中の一軒、空き家のようです。写真を撮りました。

この 個人所有の年代物住宅専門の 補修改築請負業者、バース市内で手広くやっているようです。
空飛ぶブタが車体にプリントされたバンがたくさん 私たちが滞在したホテルのそばにもずっと停まっていました。
ちょっと宣伝。
同時にいくつもの物件を請け負っているようです。
何故、トレードマークが、空飛ぶブタ?
街の建築物の ほとんどすべてが 年代物 のバースでは 需要の絶えない産業だと思います。
それにしても・・・建築史上の貴重な資料であり、観光資源でも あるロイヤル・クレセント。
管理、維持が本当に大変そう!もちろん自治体とかの援助も期待できそうですが、所有者はよっぽどのお金持ち・・・!?
実は、ほとんどの家は、バースの多くの他のタウン・ハウス(4階建て、半地下つきのジョージア様式の棟割り連続住宅)と同様に、いくつものフラットに分割されて賃貸、あるいは買い上げされているようです。
玄関わきのドア・ベルの数で判別できます。
ウェッブサイトで調べました!!
一例;いちばん上の階(召使の住んだ屋根裏階、天井が低く傾斜しているはずです)の3寝室フラットのお家賃が月額1650ポンド(24万3千100円)。
賃貸ビジネスでもしないと、維持していけないのかもしれません。
外観の維持に関しては厳しい規制がありますが、内部の改装は比較的自由みたいです。
ついでです。イギリス建築 トリヴィア。
上の、気球が上がっている写真、そのほか、ロイヤル・クレセントの遠景写真を スクロールして見てくださいな。
芝生の広場に 段差があるのが、分かりますか。
上の部分が、一般の人が立ち入り禁止の、ロイヤル・クレセント地所の半円の芝生。
人が座り込んでいる 下の部分が市の公園、ヴィクトリア・パークの一部。
この、土地を分割する段差式の壁のことを ハーハ・ウォール ha-ha wall といいます。どこが、笑うほどおかしいのかって?
ハーハ―というのは 笑い声ではなく、何か発見した時に いたずらっぽく言う英語の感嘆詞、「ハ、ハ~?(語尾上げ)」からきているそうです。
19世紀の初めに芝刈り機が発明されるまで、草の丈を短く保つのに放牧していた ヤギやヒツジが 屋敷の敷地内に入ってこないように設けた、柵の代わりです。
柵と違って、見えませんし、見下ろせば、広大な緑の田園風景が、自分の家の庭とつながっているように見えるという仕掛け。
田園風景の中を歩いていたら、足元に段差発見、「ハ、ハ~?」とびっくり。(危ないですね)
ここのは、あがろうと思ったらよじ登れる高さですが、壁の下になだらかに落ち込む溝がほってあって、落差が大きいのが よくあるタイプの ハーハ・ウォールだそうです。
ヒツジも牧童も上がれません。
18世紀の、都市に住む中産階級以上のヨーロッパ人は 田園生活に熱狂的にあこがれていたんだそうです。
坂の途中にあって、広大な芝生の原っぱが見下ろせるこのロイヤル・クレセントは、あこがれの「都会で田舎生活 The country in the city 」を体現した、「先駆け的建築プロジェクト」だったのだそうです。
ハーハ・ウォールはこのころ、たくさんのお屋敷の庭園に設けられていたそうですが、現存するものはあまりありません。
私たちがバースに到着した日は、しとしと、雨降りでした。
それでも、いっぱい、観光客!


傘をさしているのは、ほぼ全員が中国人です。
今、イギリス中の観光地のどこに行っても必ず見かける中国人観光客・・・もちろんバースにも とてもたくさんいました。
それでも、私たちが通りかかった連日、ロイヤルクレセントでの中国人観光客の密度は特筆ものでした。
ロイヤル・クレセントは、世界中に名高い観光名所ですが、特に中国人にとって、絶対見逃せない、観光スポットなのでしょうか。
急な坂を上がったところにあるホテルに2泊した私たちは、実に何度もロイヤル・クレセントを通って町の中心にいき帰りしました。
天気に恵まれた滞在2日目、無料美術館のはしごをして、ホテルに帰る途中で立ち寄ったヴィクトリア・パークで、一休み。
中国人カップル3組に 携帯電話で写真を撮ってと頼まれました。
みな、礼儀正しい 感じのいい人達でしたよ。
いったんホテルに戻って、シャワーを浴びて 一休みした後、夕食のために、また街に戻りました。

ロイヤル・クレセントの横を通るのが お決まりのコース。
↓↓↓画像を応援クリックしてください。はい、ありがとう。

バースといえば、18世紀、ジョージアン様式の連続住宅がならぶ整然とした都市計画。
都市計画の最初に着手された建築プロジェクトが、ロイヤル・クレセント The Royal Crescent。観光名所です。

ジョージア様式の住宅の最高傑作、第一級保存指定住宅。
イギリスのみならず、ヨーロッパの建築史上もたいへん貴重な歴史的建造物です。

1774年に完成してから、外観はほとんど変わっていないというから、驚きです。
クレセント(三日月、半円)型に優雅に湾曲して伸びる、約150メートルの連続住宅。
地上4階 + 半地下の5階だて住宅が、No2 から No29 までの28軒、左右対称の、両端 No1 と No30は、うしろに張り出した増築部分付きの、豪華版。




イオニア式の柱をちょうどまんなか、No16だけ、2本セットでファサードに立てて、偉そうです。

ポイントになる大きな窓もありますね。
No1は、復元家具や小物をいれ一般公開している、18世紀の生活史博物館、No 1 Royal Crescent。

10分おきぐらいにやってきて、大きな樫の木の下あたりに止まる、乗り降り自由の 赤い観覧バス からたくさんの観光客がドカッと降りて、写真を撮って見物して回ります。
博物館はすごく混んでいて、入場料も高く、入りませんでした。
それにしても、この保存指定建築、現在も人が住んでいる 一般住宅でもあるんです。
自分のうちが観光名所!どんな気分なんだろう?
クレセント前の公園は、熱気球の祭典、バース・バルーン・フェスティバルなるイベントが開催される名所だそうです。
観光シーズン中は、毎朝、毎夕 観光客を載せた気球が上がっています。

ウェッブサイトで調べてみました。
バルーン・フライトの料金は、一人 99ポンドから270ポンドまで。
270ポンド(3万9千円)払えば貸し切りで、時間内で好きなところに飛ばしてもらえるそうです。
ロイヤル・クレセントの住人のプライバシーはどうなってるんだ。
こんな景色が見下ろせます。

99ポンド払って気球に乗って撮ったのかって?
まさか!上の写真は、例によって観光ウェッブサイトから断りも入れずに勝手に借りました。
絵葉書にもなっているよく知られたイメージです。
表側が、統一感と均整のあるすっきりした外観なのに、プライベートな裏側が いやにごちゃごちゃ個性を発揮していませんか。
一休みに腰を下ろしたヴィクトリア・パーク Victoria Park の芝生の上で、夫が昼寝中に、私は一人でNo1 ロイヤル・クレセントから 後ろをぐるうっと 歩いて回ってみることにしました。
No1 ロイヤル・クレセント。


裏に回ります。

No2、3、4… と反対側の端、No30に向かって歩きます。
ロイヤル・クレセント各戸の裏庭の終わりに、住人が好き勝手な車庫か何かを増築しているようです。
ロイヤル・クレセントの建物が見えません。
あ、見えた。


最後は、No30 ロイヤル・クレセント。


右側に、反対側の端、No1 ロイヤル・クレセントが見えています。↑

玄関脇に、ドアベルが3つ縦に並んでいるのが見えるでしょう?

どうやらこの一戸は、3軒のフラットに分割されて複数世帯が居住しているようですよ。
No30 正面に回ります。




まんなか、No 16 は、高級ホテルになっていました。
ドアマンが正面に立ち、泊り客が次々と出たり入ったりするので 写真は撮りませんでした。
泊り客はすべて中国人でした。
改装中の一軒、空き家のようです。写真を撮りました。

この 個人所有の年代物住宅専門の 補修改築請負業者、バース市内で手広くやっているようです。
空飛ぶブタが車体にプリントされたバンがたくさん 私たちが滞在したホテルのそばにもずっと停まっていました。

同時にいくつもの物件を請け負っているようです。
何故、トレードマークが、空飛ぶブタ?
街の建築物の ほとんどすべてが 年代物 のバースでは 需要の絶えない産業だと思います。
それにしても・・・建築史上の貴重な資料であり、観光資源でも あるロイヤル・クレセント。
管理、維持が本当に大変そう!もちろん自治体とかの援助も期待できそうですが、所有者はよっぽどのお金持ち・・・!?
実は、ほとんどの家は、バースの多くの他のタウン・ハウス(4階建て、半地下つきのジョージア様式の棟割り連続住宅)と同様に、いくつものフラットに分割されて賃貸、あるいは買い上げされているようです。
玄関わきのドア・ベルの数で判別できます。
ウェッブサイトで調べました!!
一例;いちばん上の階(召使の住んだ屋根裏階、天井が低く傾斜しているはずです)の3寝室フラットのお家賃が月額1650ポンド(24万3千100円)。
賃貸ビジネスでもしないと、維持していけないのかもしれません。
外観の維持に関しては厳しい規制がありますが、内部の改装は比較的自由みたいです。
ついでです。イギリス建築 トリヴィア。
上の、気球が上がっている写真、そのほか、ロイヤル・クレセントの遠景写真を スクロールして見てくださいな。
芝生の広場に 段差があるのが、分かりますか。
上の部分が、一般の人が立ち入り禁止の、ロイヤル・クレセント地所の半円の芝生。
人が座り込んでいる 下の部分が市の公園、ヴィクトリア・パークの一部。
この、土地を分割する段差式の壁のことを ハーハ・ウォール ha-ha wall といいます。どこが、笑うほどおかしいのかって?
ハーハ―というのは 笑い声ではなく、何か発見した時に いたずらっぽく言う英語の感嘆詞、「ハ、ハ~?(語尾上げ)」からきているそうです。
19世紀の初めに芝刈り機が発明されるまで、草の丈を短く保つのに放牧していた ヤギやヒツジが 屋敷の敷地内に入ってこないように設けた、柵の代わりです。
柵と違って、見えませんし、見下ろせば、広大な緑の田園風景が、自分の家の庭とつながっているように見えるという仕掛け。
田園風景の中を歩いていたら、足元に段差発見、「ハ、ハ~?」とびっくり。(危ないですね)
ここのは、あがろうと思ったらよじ登れる高さですが、壁の下になだらかに落ち込む溝がほってあって、落差が大きいのが よくあるタイプの ハーハ・ウォールだそうです。
ヒツジも牧童も上がれません。
18世紀の、都市に住む中産階級以上のヨーロッパ人は 田園生活に熱狂的にあこがれていたんだそうです。
坂の途中にあって、広大な芝生の原っぱが見下ろせるこのロイヤル・クレセントは、あこがれの「都会で田舎生活 The country in the city 」を体現した、「先駆け的建築プロジェクト」だったのだそうです。
ハーハ・ウォールはこのころ、たくさんのお屋敷の庭園に設けられていたそうですが、現存するものはあまりありません。
私たちがバースに到着した日は、しとしと、雨降りでした。
それでも、いっぱい、観光客!


傘をさしているのは、ほぼ全員が中国人です。
今、イギリス中の観光地のどこに行っても必ず見かける中国人観光客・・・もちろんバースにも とてもたくさんいました。
それでも、私たちが通りかかった連日、ロイヤルクレセントでの中国人観光客の密度は特筆ものでした。
ロイヤル・クレセントは、世界中に名高い観光名所ですが、特に中国人にとって、絶対見逃せない、観光スポットなのでしょうか。
急な坂を上がったところにあるホテルに2泊した私たちは、実に何度もロイヤル・クレセントを通って町の中心にいき帰りしました。
天気に恵まれた滞在2日目、無料美術館のはしごをして、ホテルに帰る途中で立ち寄ったヴィクトリア・パークで、一休み。
中国人カップル3組に 携帯電話で写真を撮ってと頼まれました。
みな、礼儀正しい 感じのいい人達でしたよ。
いったんホテルに戻って、シャワーを浴びて 一休みした後、夕食のために、また街に戻りました。

ロイヤル・クレセントの横を通るのが お決まりのコース。
↓↓↓画像を応援クリックしてください。はい、ありがとう。
奥深いものなんですね…。
ロイヤルクレッセントの裏側情報も面白いです。
Ha-ha Wallはけっこう近所にあります。Heaton ParkのHeaton Hall前です。前に友人から説明されていたので、ああ、ロイヤルクレッセントにもあるのねと思った次第です。前に訪ねた時にはまったく見落としていました。
シリーズはまだ続くのでしょうか。楽しみにしています。
建物のうんちくになると、熱が入ってしまいます。
コメントしにくい話題に律儀にコメントしてくださった、八幡君、ありがとうございます。
グレーター・マンチェスターの Heaton Park はマンチェスターに住んでいた時、小さかったうえの息子を連れてよく行きました。ブタと、牛を見に。イギリスではめずらしい、砂場のある公園も楽しかったです。Heaton Hall の前にハーハ・ウォールがあったなんて全く知りませんでした。
ハーハ・ウォールのアイデアはアングロ・サクソン時代からあるそうです。流行ったのは18世紀。
ヒートン・ホールも同時代ですね。
見たはずですが気が付かなかった!今度行ってみます。
バース、まだ続きます。建築と都市計画のくどい話題がまだまだあるのですが、ちょっと軌道修正して、軽めの話題、いってみます。