ライムパーク Lyme Park の庭園見学、最終回です。
昨日は技巧を尽くした造園デザインが特徴の「フォーマル・ガーデン formal garden 」について書きました。
今日は、その対極に位置する「インフォーマル・ガーデン informal garden 」。
代表的なのが、日本でも近ごろ人気だという、イングリッシュ・ガーデン。イギリスでは、コテージ・ガーデン cottage garden といいます。
均整の取れたバラ園を通り過ぎたところにある、雑多な草花がごっちゃごちゃに植えこまれた花壇スペースの真ん中の小道を歩きます。
典型的なコテージ・ガーデンのデザインです!
一度植えた植物が定着すれば あとはそれほど手間がかからないのがコテージ・ガーデン。
勝手に生え続けたり枯れたりします。
さかりの過ぎた花と咲き始めの花が同居しているのも特徴です。
1870年ごろ、イギリスの知的で裕福な階級(=中流階級)の人たちの間で流行り出した園芸様式だそうです。
のどかな田園生活へのあこがれから、雑多な草花にハーブや豆類などの野菜類がごったまぜに植えられた田舎家(コテージ)の庭をイメージしたコンセプトです。
ところでここのコテージガーデンですが、イギリスではなじみのある伝統的な種類の草花があまり使われていなかったのが、「らしくない」?
ポピーや、デルフォニウム、ホーリーホック、デイジー、ピンク(ダイアンサス)やスィートウィリアムス、ナスターチウムなどといった赤、オレンジ、ピンク、紫の色鮮やかな花も見られませんでした。(ほかにもいろいろ思いつきます)
同じ色の花が多かったのもちょっぴり不満です。
コテージ・ガーデンの定石どおりに本当にほっておくと、いつの間にか同じ種類の花ばっかりが増えちゃうんですよね。
それでも両側をぎっしり高密度に植えられた花にはさまれた通路を歩くのは気持ちが高揚します。
ハチがぶんぶん忙しく飛び交っていましたし、ひかえめな花の香りも楽しめました。
行き止まりにはあずまやに見立てて剪定したボクサスの木の下のベンチがありました。
ひとやすみ用というより、たどってきた小道を振り返って、反対側から花壇を眺めてもらうという趣向のようですね。
私は絶対にこの「インフォーマル・ガーデン派」です!
昨日のストックポート日報でお見せした、中に入れてもらえないイタリア式/オランダ式(どっちでももういい)の幾何学的な「フォーマル・ガーデン」は上から全体のデザインを「拝観させていただく」感じでした。
それはそれで、見ごたえがあったのですが、赤いのと黄色いのと確か白い花もあった、というような漠然とした花のイメージしか思い出せません。
花壇なのに花を楽しんだ気が全くしません。
イタリア式/オランダ式がえらく気に入ったという夫によれば、「コテージ・ガーデン」は家でやろうと思ったらできるが、イタリア式/オランダ式庭園は家でできない、だからもっとありがたみがあるということですが…。
いえ、やろうと思ったら簡単にできるわけではありません。
うちも前庭の花壇がコテージ・ガーデンのつもりなのですが、なかなかいつも花が咲いていいる状態を保つのは難しいのです。ほっておくと同じものばかりがはびこっちゃうし。
狭くて植物の植わった密度も低いので枯れた花が目立ちます。根元から切ると今度はすき間が目立ちます!
イタリア式/オランダ式庭園の花は盛りが過ぎたら抜いてこまめに植え替えられているようです。色合いもしょっちゅう変わるようですよ。
それも私が今ひとつ好きになれない理由のひとつです。
シーンかわって…。
マツの仲間の大木がまばらに生えている、まあ、「通り道」といった静かで広大なスペースのベンチでおじさんが寝転がって本を読んでいました。
サンダルも脱ぎ捨て、自分のうちの庭でもあるかのようなリラックスぶり。
近所に住んでいる常連ヴィジターでしょうか。もちろん無料で入園できるナショナルトラストの会員でしょうね。
ライムパークの、無料で出入りできる公園部分にも もちろん景色のいいところにベンチはたくさんあります。
うちの近所にも、どこにでも自然豊かなゆったりくつろげる公園はいくらでもあるんです。
でも、無料で入れる場所ってどこも人がけっこういるんですよね。特ににぎやかな子供や犬がいっぱい。
入場が有料の庭園の、景観ポイントでも何でもない場所ならではの「俺の庭」的利用法!
うちにも小さな庭があるにもかかわらず、2回目、3回目からはやってみたい!と思いました。(もうちょっと近ければ!)
花の咲いていない時の木のぐねり方の造形が美しいシャクナゲか、サルスベリあるいはツツジの古木が続く小道を通りました。
花の時期を逃したようです。
最初はもちろん誰かが植えたのでしょうが、自然のまま、はびこり放題に枝をのばす姿はのびやかで美しいです。
小川の清流のそばには、おなじみの、勝手に生えているらしいジャイアント・ルバーブがいっぱい。
4人家族が周りを囲めるちゃぶ台サイズの巨大な葉。
花が咲いているのを見つけました。
小川沿いのゴロゴロした岩場にも自然な景観を重視した造園がなされています。
やはり、最初は誰かが手をかけたものと思われますが、百年以上もたってしまうと自然の姿を満喫できる趣向です。
ライムパーク内の有料の庭園を出たところに、自然の渓谷があり、湧水がパーク内を流れています。
湧水が小川になり、小川が注ぎ込んで、形成されたのが邸宅、ライム・ホール Lyme Hallまえの美しい池。
池が右手に見えてきた場所一帯もツツジかシャクナゲかサルスベリか、なんだかよくわかりませんが、いかにもサルがすべって落ちそうなつるつるした表面の老木がたくさん生えていました。(土壌がアルカリ性なんですね)
上の写真の木は全部根本でつながっていて、座って記念撮影に最適な姿をしていました。二か所の腰掛スポットで記念写真を撮りました。
あら、ここにもルバーブが?それほど大きくありません。
花の季節になると、池の周りはツツジかシャクナゲが満開になるようです。
池越しに邸宅を眺めて通って、イタリア式/オランダ式庭園(今度行く機会があったら、どっちなのか聞いてみます!どっちでもいいのかもしれません)に向かいました。
昨日のストックポート日報を読んで下さい。☟
ライムパークの庭園見学、技巧を凝らした庭園デザイン「フォーマル・ガーデン」
↓↓↓画像をクリックしてください。はい、ありがとう。
昨日は技巧を尽くした造園デザインが特徴の「フォーマル・ガーデン formal garden 」について書きました。
今日は、その対極に位置する「インフォーマル・ガーデン informal garden 」。
代表的なのが、日本でも近ごろ人気だという、イングリッシュ・ガーデン。イギリスでは、コテージ・ガーデン cottage garden といいます。
均整の取れたバラ園を通り過ぎたところにある、雑多な草花がごっちゃごちゃに植えこまれた花壇スペースの真ん中の小道を歩きます。
典型的なコテージ・ガーデンのデザインです!
一度植えた植物が定着すれば あとはそれほど手間がかからないのがコテージ・ガーデン。
勝手に生え続けたり枯れたりします。
さかりの過ぎた花と咲き始めの花が同居しているのも特徴です。
1870年ごろ、イギリスの知的で裕福な階級(=中流階級)の人たちの間で流行り出した園芸様式だそうです。
のどかな田園生活へのあこがれから、雑多な草花にハーブや豆類などの野菜類がごったまぜに植えられた田舎家(コテージ)の庭をイメージしたコンセプトです。
ところでここのコテージガーデンですが、イギリスではなじみのある伝統的な種類の草花があまり使われていなかったのが、「らしくない」?
ポピーや、デルフォニウム、ホーリーホック、デイジー、ピンク(ダイアンサス)やスィートウィリアムス、ナスターチウムなどといった赤、オレンジ、ピンク、紫の色鮮やかな花も見られませんでした。(ほかにもいろいろ思いつきます)
同じ色の花が多かったのもちょっぴり不満です。
コテージ・ガーデンの定石どおりに本当にほっておくと、いつの間にか同じ種類の花ばっかりが増えちゃうんですよね。
それでも両側をぎっしり高密度に植えられた花にはさまれた通路を歩くのは気持ちが高揚します。
ハチがぶんぶん忙しく飛び交っていましたし、ひかえめな花の香りも楽しめました。
行き止まりにはあずまやに見立てて剪定したボクサスの木の下のベンチがありました。
ひとやすみ用というより、たどってきた小道を振り返って、反対側から花壇を眺めてもらうという趣向のようですね。
私は絶対にこの「インフォーマル・ガーデン派」です!
昨日のストックポート日報でお見せした、中に入れてもらえないイタリア式/オランダ式(どっちでももういい)の幾何学的な「フォーマル・ガーデン」は上から全体のデザインを「拝観させていただく」感じでした。
それはそれで、見ごたえがあったのですが、赤いのと黄色いのと確か白い花もあった、というような漠然とした花のイメージしか思い出せません。
花壇なのに花を楽しんだ気が全くしません。
イタリア式/オランダ式がえらく気に入ったという夫によれば、「コテージ・ガーデン」は家でやろうと思ったらできるが、イタリア式/オランダ式庭園は家でできない、だからもっとありがたみがあるということですが…。
いえ、やろうと思ったら簡単にできるわけではありません。
うちも前庭の花壇がコテージ・ガーデンのつもりなのですが、なかなかいつも花が咲いていいる状態を保つのは難しいのです。ほっておくと同じものばかりがはびこっちゃうし。
狭くて植物の植わった密度も低いので枯れた花が目立ちます。根元から切ると今度はすき間が目立ちます!
イタリア式/オランダ式庭園の花は盛りが過ぎたら抜いてこまめに植え替えられているようです。色合いもしょっちゅう変わるようですよ。
それも私が今ひとつ好きになれない理由のひとつです。
シーンかわって…。
マツの仲間の大木がまばらに生えている、まあ、「通り道」といった静かで広大なスペースのベンチでおじさんが寝転がって本を読んでいました。
サンダルも脱ぎ捨て、自分のうちの庭でもあるかのようなリラックスぶり。
近所に住んでいる常連ヴィジターでしょうか。もちろん無料で入園できるナショナルトラストの会員でしょうね。
ライムパークの、無料で出入りできる公園部分にも もちろん景色のいいところにベンチはたくさんあります。
うちの近所にも、どこにでも自然豊かなゆったりくつろげる公園はいくらでもあるんです。
でも、無料で入れる場所ってどこも人がけっこういるんですよね。特ににぎやかな子供や犬がいっぱい。
入場が有料の庭園の、景観ポイントでも何でもない場所ならではの「俺の庭」的利用法!
うちにも小さな庭があるにもかかわらず、2回目、3回目からはやってみたい!と思いました。(もうちょっと近ければ!)
花の咲いていない時の木のぐねり方の造形が美しいシャクナゲか、サルスベリあるいはツツジの古木が続く小道を通りました。
花の時期を逃したようです。
最初はもちろん誰かが植えたのでしょうが、自然のまま、はびこり放題に枝をのばす姿はのびやかで美しいです。
小川の清流のそばには、おなじみの、勝手に生えているらしいジャイアント・ルバーブがいっぱい。
4人家族が周りを囲めるちゃぶ台サイズの巨大な葉。
花が咲いているのを見つけました。
小川沿いのゴロゴロした岩場にも自然な景観を重視した造園がなされています。
やはり、最初は誰かが手をかけたものと思われますが、百年以上もたってしまうと自然の姿を満喫できる趣向です。
ライムパーク内の有料の庭園を出たところに、自然の渓谷があり、湧水がパーク内を流れています。
湧水が小川になり、小川が注ぎ込んで、形成されたのが邸宅、ライム・ホール Lyme Hallまえの美しい池。
池が右手に見えてきた場所一帯もツツジかシャクナゲかサルスベリか、なんだかよくわかりませんが、いかにもサルがすべって落ちそうなつるつるした表面の老木がたくさん生えていました。(土壌がアルカリ性なんですね)
上の写真の木は全部根本でつながっていて、座って記念撮影に最適な姿をしていました。二か所の腰掛スポットで記念写真を撮りました。
あら、ここにもルバーブが?それほど大きくありません。
花の季節になると、池の周りはツツジかシャクナゲが満開になるようです。
池越しに邸宅を眺めて通って、イタリア式/オランダ式庭園(今度行く機会があったら、どっちなのか聞いてみます!どっちでもいいのかもしれません)に向かいました。
昨日のストックポート日報を読んで下さい。☟
ライムパークの庭園見学、技巧を凝らした庭園デザイン「フォーマル・ガーデン」
↓↓↓画像をクリックしてください。はい、ありがとう。
自然に見えて、手がかかると聞いています。
数年前、日本でイングリッシュガーデンのカリスマ?のイギリス人の女性が人気になったことがありました。
庭で取った木の実でジャムを作ったり、とても豊かな生活をされていましたよ。
イングリッシュガーデンのお婆さんという記憶は正しかったのですが、アメリカ人で、アメリカにガーデンをつくっていました。
ターシャテューダーさんというお名前でした。
めったに見ない日本の雑誌でも特集していたのをイギリスで日本人に借りて読みました。イギリスではまったく知られていない人です!
スコットランドで似たようなことをしている中年の女性がいます。手織りの布で18世紀の農民の衣装を丁寧に再現して常に身に着けている半端じゃない凝り方の人。
ターシャさんですが、アメリカでやっていても、日本ではイングリッシュガーデンというのね?覚えておきます。
どこの国でも、田舎の庶民の庭づくりは「イングリッシュ・ガーデン」風にその土地固有の植物を雑多にハーブと混ぜて育てるのが普通だったはずです。
イギリスでおしゃれな人たちに見いだされ、意図的にデザインするようになったというので、「イギリス伝統の」という認識が広まっただけなんです。
ターシャさんは私が見た写真ではアメリカの開拓時代を再現しようとしていたような印象です。
ターシャさんもスコットランドの人もメディアに詳細をさらし、写真や映像に撮られることによって何らかの利益は得ていますね。