イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

娘が突然入学することになったサルフォード大学, 緑豊かな敷地内に現代建築が建ち並ぶキャンパスとショボくて殺風景な学生寮とその周辺

2021年09月26日 08時00分00秒 | マンチェスター
昨日の続きです。



金曜日に、グレーター・マンチェスター北部のサルフォード Salford に娘と二人で行ってフィッシュ&チップスを食べてきたのですが...
もちろん、フィッシュ&チップスを食べにわざわざサルフォードに行ったわけではありません。

目的地は、サルフォード大学 University of Salford 。


以下は大学内で撮った写真です。

パンデミックのさなか、2年制のシックスフォーム・カレッジを終えて、コンピューター・プログラミングの一番低い国家職業資格を取った娘にはぜんぜん仕事が見つかりませんでした。
その資格は大学入学資格に一部相当します。
(統一化されてきているとはいえ非常に煩雑な英国の学制についてはいずれ改めて説明する機会があるかもしれません...誰も聞きたくありませんよね?)

2週間前に、まだ空きがあるサルフォード大学 のコミュニケーション関係の学部のアニメーション学科にオンラインで申し込んだら、入学許可がもらえ、木曜日に入学手続きが完了しました。

もう、新学期は始まっていました。
金曜日までの1週間はフレッシャーズ・ウイーク(新入生歓迎週間)でしたが、娘はすべてのがしました。
すべり込みセーフで、月曜日からの授業の始まりに間に合います。




寮のカギを取りに行って、ついでに学内も見てまわりました。
入学が決まるまで一度も大学に足を運んでいないというのは超異常事態なのですが、何しろ特急の志願、許可ですから...



大学に入るための入学試験はどの大学にもありません。
統一試験の結果の好し悪しで入学希望大学の合否が決まります。



新学期が始まってもまだ空きがあるぐらいですから、「入学が難しい」とは絶対に言えない大学の学科です。
...が、就職がきまらず家でブラブラしているよりはずっといいのは間違いありません。
興味のある技能を学べるコースを見つけて、入学を許可されたのは大変な幸運です。



...技能系の大学に進路を絞って以前から活動していたら、もっとずううううっとレベルの高い大学に入学できる資格と統一試験の合格レベルだったのですが、私たちに不満はありません。

不満があるとしたら...

最後に残った家賃が安い学生寮の一部屋の簡素さはまあいいとして...




キャンパスから15分ほど歩いた場所にある学生寮の周りの低所得者住宅群と..


すぐそばにある「サルフォード・ショッピング・シティ」というぞっとするほどセンスのないネーミングのショッピングセンターのショぼさでしょうか。



10階の寮の部屋の窓から見えている「サルフォード・ショッピング・シティ」に行ってみたいという私の主張で乗り気のしない娘を引っ張っていきました。


灰色のコンクリートむき出しの高層アパートに縦書き赤字で SALFORD SHOPPING CITY と大書してあるのが遠目にもはっきり見えます。
高層アパートの足もとから広がる広大な地階が「ショッピングセンター」になっています。

薬局やスーパーマーケット、必要な家財が格安で手に入る量販店などが見つかり、満足です。


そこで入ったのが、昨日の記事のチッピー(フィッシュ&チップスレストラン)です。

チッピーでは例の自己主張のある「パーカー」を着ていたおじさんっぽい若者だけではなく、フワフワのトリミングのあるスリッパをはいてフィッシュ&チップスを買いに来ていたものすごく肥満した母娘ペアも見かけました。(上のアパートに住んでいる人ですね)

あ、決して「低所得者住宅」があることに不満があるわけではありません(私たちはスノッブではありません)
建物のスタイルとか...燃可資材でもつかわれていたのか外壁が掻きとられて見苦しいことこの上なし。
中途半端に古い建築スタイルの高層住宅が林立するエリアは、たいていどこも殺伐とした印象です。

スリッパで買い物に降りてくる住人や主張のある「パーカー」等も「大学街」では普通、考えにくい風景なのですが親しみを感じてけっこう好きです。

ショッピングセンター内の「VENOM(毒)」というゾクゾクする屋号のケバいテイストの婦人服店がありました。
(写真を撮っていたら娘に怒られました)


「サルフォード・ショッピング・シティ」の外には係員が常駐している今どき珍しい公衆便所がありました。


使用料20ペンスを徴収されます。


ところで...娘が男の子だったころから仲良くしている小学校以来の同級生も今年1年遅れで、技術系の大学に入学しました。

南西部の美しい古い港町、ブリストルだそうです。

彼の入学する大学を決めるため、ヨーク、エジンバラ、シェフィールドと家族で旅行がてら英国各地の大学をみてまわって決めたそうです。
彼の両親は学期中にブリストルと隣町のバースに泊りがけでたびたび息子に会いに行くのをとても楽しみにしています。
息子を訪ねて、あの美しい古い都市にしょっちゅう行けるなんて、なんてステキなんでしょう!(うらやましい)

サルフォードなんて、もう別に行きたくもないです。
サルフォード大学まで1時間に1本の電車で38分、自宅からじゅうぶん通える距離です。
娘にはいつでも帰ってくるよう言ってあります。

通える距離なのになぜ寮に住むのかって?
授業料が無料で、大学生には全員、返済不要の生活費が支給された頃に大学に行った古い考えの夫はいまだに「大学に入ったら家から独立すべし」という伝統的な考えの持ち主なのです。
娘本人も、家を出たがっています。

ほとんどの学生と同様、学費と生活費は学生ローンを利用して支払います。
本人が卒業後高収入を得てから返済することになっています。(収入が低ければ返済不要)

現在は、生活費を節約するため通える距離なら家から通う学生も多いようです。

大学の裏側に面した建物の外壁に貼られた、実物大のドアの写真です(なんだろう?)








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3 コメント

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犬と暮らせば (浅井洋)
2021-09-26 12:45:42
江里様
 お嬢さん 入学 おめでとう ございます
大きいですね fish and chips

 blogの最後に有った
ドアの 騙し絵(壁紙でしょうが) あれだけ 大きく印刷すると お値段が 高いでしょうね
 それとも 手書きでしょうか(そんな 地道な事を
する 学生さんも 居ないのかも)
浅井さんへ (江里)
2021-09-27 19:02:38
ありがとうございます。
あのドアの写真は表面ツルツル加工してある布地にプリントしてあります。
ここ数年よく見かける建築現場の足場を覆う、建物と同じ大きさの、足場で覆われた面を撮った実物大の写真の一部だと...思います。
景観を向上する素晴らしい工夫です。リスボンでも見ました。
なぜこんな場所に一部だけあるのか、この建物と何か関係があるのか、など謎だらけです。
キャンパスの裏通りです
Unknown (kakowaka)
2021-10-12 00:08:10
ちょっとみないうちに、急展開ですね!
何はともあれ、
入学、おめでとうございます!!

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