イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

翻訳英文学でおなじみの謎の「糖蜜パイ」ハリー・ポッターも好きらしい

2016年09月10日 09時00分00秒 | 英国のお菓子とデザート
トリークル・タート treacle tart


今まで ストックポート日報 に出てこなかったのが不思議なくらいイギリスらしい、古典的なお菓子です。

日本での知名度を調べるために、日本語でグーグルしてみました。

ハリー・ポッターの大好物だと書いてあります。知りませんでした!
「糖蜜パイ」という訳語ででてくるそうです。


「糖蜜パイ」という訳語、他の翻訳童話でもたびたび出くわした記憶があります。
子供の頃、「糖蜜パイって一体どんなお菓子なんだろう?」と疑問に思っていました。

そうかっ!トリークル・タートのことだったんですね!

これは、おなじみの老舗製菓メーカー、ミスター・キップリング Mr. Kippling 社製のもの。
どこのスーパーでも売られています。

ショート・クラストという、バターで練り上げ、しっとりした膨らまないパイ生地に、ゴールデン・シロップ golden syrup でねっちょねちょに固めたパン粉とレモンの皮をつめて焼いた単純なタルトです。

ゴールデン・シロップというのは、お砂糖を精製する過程で出た物質、トロ~ンとした硬めの、琥珀色の甘い甘いシロップのことです。
ライト・トリークル light treacle ともいいます。
トリークル・タルトの名は、ここからつけられたようですね。



老舗、Lyle 社のウェッブサイトからかってに写真を借りちゃいました。
パンケーキにかけて食べるため我が家に常備してあるライト・トリークルは追随他社製の使いやすいチューブ入り(廉価)なので写真映えしません。


イギリスではタルトやパイはたいてい温めて、アイスクリームか、クロッテット・クリーム、カスタードなどの乳脂肪分たっぷりの乳製品を添えて食べます。


くどさは、ご想像におまかせします。タートだけでも実は充分くどいのですが。

うちでは、子供たちが好きなので時々買ってきますが、まだ自分でつくってみたことはありません。


うえに格子飾り=レティスをのせるのが昔からの伝統らしいのですが、このミスター・キップリング社製のは平べったくのばしたパイ生地を連続でひし形に抜いて手抜きしてあるようです。

工場でつくった大量生産だからでしょうね。

ちなみに、ウェッブサイトにたくさん出ている日本語のレシピの写真は、「すべてカゴ編みレティス」が載っていましたが、「本場」イギリスのレシピ写真は、レティスなしの、のっぺらぼうが多いようです。

凝り性、日本人!

調理の手順は意外と簡単そうですが、ゴールデン・シロップを練った後の洗い物がめちゃめちゃめんどくさそうです。


↓↓↓画像をクリックしてください。はい、ありがとう。


コメント (4)
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