世界50カ国以上が参加を決めたという中国主導のアジアインフラ投資銀行。そうか、じゃあ、アジアのインフラ建設資金需要はいくらか、どう集めるのかね。アジア開発銀行研究所が2009年9月にまとめた見積もりによると、年間平均では約7500億ドル(約89兆7000億円)に上るとか。
世界銀行、アジア開銀などの国際金融機関は主として国際金融市場で債券を発行して調達した資金を融資する。その場合、各国政府および政府機関が債務返済保証をする。国際金融機関はメンバー国の政府が共同出資しているという信用があり、貸出先は政府が保証するのだから、国際金融機関が発行する債券はトリプルAの格付けが与えられる。
AIIBは当然、世銀やアジア開銀並みの格付けを狙うわけだが、ちょっと待てよ。
そもそも、中国主導で年間7500億ドルの資金を市場から調達できるのか。
国際決済銀行(BIS)が最近まとめた国際金融市場での債券による資金調達である国際債務証券発行額を調べてみた結果がグラフである。13年は全世界で5130億ドル、14年は6740億ドルで、7500億ドルは最近の国際債券市場の規模を上回ることになる。このうち、世銀、アジア開銀など国際金融機関の調達分は13年1140億ドル、14年1387億ドルである。
アジアのインフラ資金需要に対し、供給能力が追いつかないとなると、市場需給の原理が働き、金利を高くするなど、よほど好条件で投資家を引きつけないことには資金調達できない。資金調達コストが上がれば、借り入れ国もたまったものではない。
7500億ドルと言わないまでも、AIIBが1000億ドル程度の資金を調達するだけでも、市場で消化できそうにない。これでは文字通り絵に描いた餅ではないか。
中国の国際市場での債券発行額は増加の一途で、途上国全体の5割近いシェア(14年)を占め、国際金融機関の発行額を上回っている。
北京が4兆ドル近い外貨準備をどんどん取り崩してAIIB資金の原資とするなら、立派だね、とほめてよい。だが、あの利にさとく不正蓄財にばかり走る党幹部が気前よいと信じるのは、不勉強な日本の親中メディアくらいだろう。
実際には、資金流出のために外貨準備は減る一方で、海外からの借金で穴埋めするのに汲々(きゅうきゅう)としている。BIS統計では、中国は銀行融資で年間2700億ドル(昨年9月末)、債券で1656億ドル、合計で4300億ドルも借り入れているのだ。
言い換えると、中国はAIIBの看板を掲げて世界を巻き込む形で、資金を自国のために調達し、行き詰まった経済成長モデルを立て直そうと狙っているのが真相だろう。
中国や国際金融のイロハもわからずに、「AIIBに乗り損ねた日本は孤立する」と騒ぎ立てるメディアや政治家が多いのには、うんざりさせられる。
(産経新聞特別記者・田村秀男)
非常にまともなご意見であり賛同する。中国の現在の経済状態を誰か正確にご存知か?恐らく中国の経済担当も不明である。中国の経済状況は中国共産党の最高幹部でも解らない。「統計が指標がいい加減すぎて実態を反映していない」そうだ。李克強首相の言である。「電力の消費率と鉄道輸送の数値しか見ていない」そうだ。その電力消費率の増加が3.5%程度なのにGDPの成長率は7%台とは?石平氏が「だいたい半分でしょう」との発言もこの電力消費率が裏付けている。
この中国が中心で運営するAIIBになぜ日本が参加しなければならないのか?幾ら韓国が欲する副総裁の地位を水面下で提示されても日本は興味が無い。
各国が中国企業の出した見積を採用。AIIBに借りる、で中国企業に支払う、地域が中国に乗っ取られる、までがワンセットだろ。
との書き込みもあった。なかなか的を射ていると思われる。
国営企業がデフォルトした中国経済、経済自体が崩壊の瀬戸際ではないのか?AIIB参加を盛んに圧力かけていた左翼系マスコミはその報道に対し如何なる責任を取るのか?マスコミが責任?そんな実例があるのか?有っても少数であり例外事項にもならない。朝日新聞社の「誤報(捏造と多くの国民は考えている)」の社長会見で責任取ったつもりである。
この際、国はこの捏造問題を高裁に訴え、最高裁まで持ち込みマスコミ報道の捏造に対する責任を明確化すると同時に判例を確定してはどうか?