社会科学上の不満

政治・経済上の不満のハケ口(左翼出入り禁止)
外交と防衛、歴史と現状についての不満のハケ口。(観念論の方は出入り禁止)

中庸という考え方

2007-03-17 14:54:16 | Weblog
 東洋では君子が国家を治める上で必要学問として「四書五経」がありました。「四書」は、論語・中庸・大学・孟子を指します。その1つ「中庸」が誤解されてひろまっています。それは2つのことを「足して2で割る」のではなく、それぞれの良いところを抽出し、新たに体系つけることを言っています。その「抽出する視点と体系づける根拠を学べ」と言うことです。
 昨日、日本人の曖昧性を批判しましたが、これも程度問題です。ガチガチの論理性では社会に適合しません。しかし、現在は余りにも「曖昧」であるため問題としたに過ぎません。仏教・キリスト教・イスラム教で一番ガチガチな論理構成で出来ているのがイスラム教です。完成度は最も高い「論理」です。しかし。10~12世紀のイスラム帝国での話です。曖昧さがないためその後の世界の変化に対応できませんでした。
 数年前、故小渕首相の時久米宏氏の「ニュースステーション」にロバートケネディージュニアがゲストとして出演しました。その時ボビー(ロバートケネディーの愛称)Jr.は故小渕元首相とケネディ家が親密であることを発言します。その昔ボビーが早稲田大学で講演していた時「コミニスト(共産主義者)が騒ぎ出し収拾がつかなくなり、学生だった小渕元首相が早稲田大学の校歌を歌い騒ぎを鎮めてそれからケネディ家と親密になった」と発言しました。その時久米宏氏(年齢も近く同じ早稲田大学の学生だった)が「なにも騒いだ全員コミニストと言うわけではないのですが・・・」と言い訳をしていました。しかし、日本では当時中立的と考えられる人間でさえ世界の常識ではコミニストだったと言う良い事例ではないでしょうか。
 昨今日本が右傾化したと言う意見が多々ありますが、本当でしょうか。ヨーロッパの知人(西ヨーロッパ)に聞くと、日本も「中道になったね」と言います。世界はこれまで日本を左傾化した中道と見ていたようです。世界は、またアジアは中国と朝鮮半島だけではないのです。
 中庸がその複数の考えの良いところを抽出するのであればその基準が問題となります。バランス感覚が問題となるわけです。共産主義・社会主義で問題が是正されたことも多々あります。このように異なる考えでも良いところ抽出するには、そのバランス感覚の支点を磨かねばならないようです。
コメント (1)
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