毎日が、始めの一歩!

日々の積み重ねが、大事な歴史……

きょう「7・19」結成70周

2021年07月19日 | 妙法

きょう「7・19」結成70周年 全国女子部大会を盛大に開催2021年7月19日

  • 池田先生ご夫妻が祝賀のメッセージ 新時代の門を開く幸福革命を
03:12

 きょう7月19日は、女子部の結成70周年。記念の全国女子部大会が18日午後、総本部(東京・新宿区)の金舞会館(創価文化センター内)と国内300会館を中継で結び、盛大に開催された。
 
 これには、池田大作先生ご夫妻が祝賀のメッセージを贈り、新しい時代の門を開く「女性の幸福革命」をと呼び掛けた。

さあ、女子部結成70周年となる「7・19」から栄光の「11・18」へ、広宣流布と立正安国の新時代の門を勢いよく開こう!――列島各地を中継で結んで開催された全国女子部大会(福岡・牧口久留米講堂で)
さあ、女子部結成70周年となる「7・19」から栄光の「11・18」へ、広宣流布と立正安国の新時代の門を勢いよく開こう!――列島各地を中継で結んで開催された全国女子部大会(福岡・牧口久留米講堂で)
沖縄国際平和会館で
沖縄国際平和会館で

 梅雨明けの夏空に、燦々と太陽が輝く。青々と茂る木々の葉が、時折吹くそよ風に揺れる。
 
 大会の当日、総本部は、前途洋々たる華陽姉妹の未来を象徴するかのような快晴に包まれた。70年前のあの日と同じように――。

神奈川・川崎文化会館で
神奈川・川崎文化会館で
大阪・守口平和講堂で
大阪・守口平和講堂で

 1951年(昭和26年)7月19日、東京は晴天に恵まれた。暑い一日だった。
 
 美しい星が冴え光る夜、東京・西神田の旧学会本部に、74人の若き女性が集い合った。この時、この場所で、花の女子部は結成されたのである。
 
 終戦から6年。不幸と不遇を嘆く女性の声は、社会の至る所に。そうした背景を念頭に、戸田城聖先生は結成式で、「一人も残らず幸福に」と訴えた。
 
 以来、70星霜――。恩師の心を継いだ池田先生の励ましによって、女子部の人材の流れは渓流から大河、そして大海へと、日本中・世界中に飛躍的な発展を遂げていった。

国内300会館に2万人が参加 歓喜光る華陽のスクラム
華陽の誓いを胸に青春の勝利劇を!――各地の友と、新たな前進を約し合う大串女子部長(東京・新宿区の創価文化センターで)
華陽の誓いを胸に青春の勝利劇を!――各地の友と、新たな前進を約し合う大串女子部長(東京・新宿区の創価文化センターで)
大会オープニングを飾った鼓笛隊の演奏動画
大会オープニングを飾った鼓笛隊の演奏動画

 全国各地に2万人が集った大会では、志賀青年部長が池田先生ご夫妻のメッセージを紹介。古屋敷藍さん、成田由香里さんが活動体験を発表した。
 
 大串女子部長が本門の華陽姉妹である私たちから、広布の希望の未来を開こうと強調。女子部結成70周年の「7・19」を記念する映像が上映された。
 
 永石女性部長が、創価の女性のスクラム固く、師弟誓願の人生を共にと力説。
 
 池田主任副会長は「7・19」に寄せて池田先生がしたためた書について言及。池田門下の女性部「1期生」となる誇りを胸に、幸福勝利の女王と輝き光る一人一人にと呼び掛けた。
 
 最後に、池田華陽会歌「華陽の誓い」の特別映像を、皆で視聴した。
 
 ※特別映像はこちらから

池田華陽会歌「華陽の誓い」の合唱とともに、各地の華陽姉妹を紹介する特別映像から
池田華陽会歌「華陽の誓い」の合唱とともに、各地の華陽姉妹を紹介する特別映像から
香川・四国池田文化会館で
香川・四国池田文化会館で
埼玉文化会館で
埼玉文化会館で
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心の根っこを育む“おとぎの城”

2021年07月18日 | 妙法

北海道・札幌創価幼稚園の新園舎が完成 盛大にオープニング式典2021年7月18日

01:27
地上2階建てで、鮮やかな青色の屋根が印象的な札幌創価幼稚園の新園舎。シンプルなデザインの保育室をはじめ、わくわくルームや太陽の子ライブラリー、にじのトンネルなどが設置されている
地上2階建てで、鮮やかな青色の屋根が印象的な札幌創価幼稚園の新園舎。シンプルなデザインの保育室をはじめ、わくわくルームや太陽の子ライブラリー、にじのトンネルなどが設置されている

 本年4月で開園46年目を迎えた北海道・札幌創価幼稚園。その新園舎の完成を祝賀するオープニング式典が17日、7・17「栄光の日」記念行事の一環として札幌市の同園で盛大に開催され、園児や教職員らが参加した。

心の根っこを育む“おとぎの城”
“楽しいね!”“あそこも面白そう!”――喜びにあふれて園内を遊び回る園児たち(札幌創価幼稚園で)
“楽しいね!”“あそこも面白そう!”――喜びにあふれて園内を遊び回る園児たち(札幌創価幼稚園で)

 北の大地にも本格的な夏がやって来た。まぶしい日差しが木立を照らし、色鮮やかな葉の緑が一段と輝きを放っている。
 万物がぐんぐんと成長を遂げる時季に、いよいよ迎えた新園舎の完成。式典当日の朝、閑静な住宅街の一角に立つ札幌創価幼稚園に続々と園児たちが集まってきた。たちまち無邪気な声が夏空に響き、笑顔の花が咲く。

 澄んだ青色の屋根に白亜の外壁、とんがり帽子をかぶったような展望台――旧園舎のシンボルを継承してデザインされた新園舎の外観は、わくわく感が止まらない“おとぎの城”そのもの。室内には開放感のある空間と「隠れ家」や「路地」のような小作りのスペースが併設され、遊びを通して創造性や主体性、協調性などの「心の根っこ」を育めるように設計されている。

青空の下、新園舎のオープニングを記念して行われたテープカット。園児と来賓らが晴れやかに(札幌創価幼稚園で)
青空の下、新園舎のオープニングを記念して行われたテープカット。園児と来賓らが晴れやかに(札幌創価幼稚園で)

 1976年の開園以来、園児一人一人に慈愛を注いできた創立者・池田大作先生は小説『新・人間革命』第23巻「未来」の章につづる。「この幼稚園を、日本一、世界一にしたいね」「札幌創価幼稚園は、創価教育の出発点となります。目標は、二十一世紀の人間主義の指導者を育てることです」

 創立者の限りない励ましを胸に、巣立った卒園生は7400人を超える。皆が創価幼稚園で培った「心の根っこ」を深く広げ、日本中、世界中で花を咲かせている。

 新園舎の完成によって、より充実した環境が整った札幌創価幼稚園。人間教育の城として、一段と発展を遂げていくに違いない。

園児の代表が記念植樹。天高く伸びる大樹のように成長しゆく誓いを込めて(札幌創価幼稚園で)
園児の代表が記念植樹。天高く伸びる大樹のように成長しゆく誓いを込めて(札幌創価幼稚園で)

 式典では、坂本園長が感謝の思いを忘れずに前進の日々をと述べ、園児の代表が「立派な王子・王女に成長します」と元気いっぱいにあいさつ。谷川学園理事長が創立者の心を胸に、楽しく学ぼうと呼び掛けた。また、園児や教職員らの代表による記念植樹とテープカットが行われた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

〈新・人間革命と私〉 パナマ婦人部長 

2021年07月14日 | 妙法

〈新・人間革命と私〉 パナマ婦人部長 エディルダ・ゴンサレスさん2021年7月13日

〈心に刻む珠玉の言葉〉

 「私は、世界のどこにいようが、皆さんの健康と幸福、人生の栄光を祈っております。共に題目を唱え、広宣流布に進む私たちは、どんなに遠く離れていようが心は一体です。それが創価の師弟です」〈第19巻「凱歌」の章〉

〈時代背景〉

 1974年3月、山本伸一はパナマ政府からの強い要請を受け、同国を初訪問。パナマ大学総長や政府関係者と会談し、平和、文化、教育の交流の道を開く。またパナマ会館の開所式に参加。メンバー一人一人と固い握手を交わし、信心の持続の大切さを訴える。伸一の真剣勝負の奮闘は、パナマ広布の大きな布石となっていく。

師弟の絆固く広布拡大へ

 山本伸一のパナマ初訪問の時の様子を描いた「凱歌」の章には、伸一がパナマの指導者と友情を深め、平和を実現するために文化交流が大切であると訴える場面があります。
  
 私たちは、この道をさらに開こうと、これまで、良き市民として地域貢献に走ってきました。中でも、宗教間対話や、パナマ教育省と共催しての教育ワークショップなどに力を入れてきました。

 また冒頭の引用は、この初訪問の折に、伸一がパナマの同志に語った言葉です。“私たちには、いつも弟子の成長を祈り、勝利を待つ師匠がいる”――その思いが、今日のパナマSGIの発展の原動力となりました。
  
 10人きょうだいの4番目として生まれた私は、21歳の時に結婚。娘を出産した頃、よく娘の面倒を見てくれていた近所の婦人が学会員だったことが縁で、仏法の話を聞くようになりました。以来、私も祈る中で信心の素晴らしさを実感し、1986年11月28日に御本尊を受持しました。
  
 そして翌87年2月には、池田先生の3度目となるパナマ訪問が実現。この折、会合に参加した私は、先生に初めてお会いすることができました。信心への確信はもちろん、出会う一人一人に温かなまなざしを注ぎ、誠実に接する先生の姿に触れたことは、私自身が師弟の道に生き抜く出発点となりました。
  
 コロナ禍という試練の今こそ、この先生の心をわが心とし、地域の一人一人に真心の励ましを送っていくことが大切だと感じます。
  
 パナマSGIは昨年来、電話やSNSを使って激励の輪を広げており、本年6月に行われた婦人部結成70周年記念のオンライン総会には、700人を超える友が参加しました。
  
 師弟の固い絆があれば、どんな困難な状況をも希望に変えていけるとの確信で、池田先生のパナマ初訪問50周年となる2024年を目指し、広布拡大の歴史を築いていきます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小説「新・人間革命」に学ぶ 第30巻〈下〉

2021年07月14日 | 妙法

小説「新・人間革命」に学ぶ 第30巻〈下〉 名場面編2021年7月14日

  • 連載〈世界広布の大道〉

 今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は第30巻<下>の「名場面編」。心揺さぶる小説の名場面を紹介する。挿絵は内田健一郎。

イラスト・間瀬健治
イラスト・間瀬健治
雪空に轟く民衆勝利の凱歌

 <1982年(昭和57年)1月、山本伸一は、秋田へ。13日、秋田文化会館前の公園で雪の中、記念撮影に臨む。この数年、同志は宗門からの迫害にじっと耐えてきた>
 
 悪僧たちは、葬儀の出席と引き換えに脱会を迫るというのが常套手段であった。また、信心をしていない親戚縁者も参列している葬儀で、延々と学会への悪口、中傷を繰り返してきた。揚げ句の果ては、「故人は成仏していない!」と非道な言葉を浴びせもした。人間とは思えぬ、冷酷無残な、卑劣な所業であった。
 
 そうした圧迫に耐え、はねのけて、今、伸一と共に二十一世紀への旅立ちを迎える宝友の胸には、「遂に春が来た!」との喜びが、ふつふつと込み上げてくるのである。
 
 伸一が、白いアノラックに身を包んで、雪の中に姿を現した。気温は氷点下二・二度である。集った約千五百人の同志から大歓声があがり、拍手が広がった。
 
 彼は、準備されていた演台に上がり、マイクを手にした。
 
 「雪のなか、大変にお疲れさまです!」
 
 「大丈夫です!」――元気な声が返る。
 
 「この力強い、はつらつとした皆さんの姿こそ、あの『人間革命の歌』にある『吹雪に胸はり いざや征け』の心意気そのものです。
 
 今日は、秋田の大勝利の宣言として、この『人間革命の歌』を大合唱しましょう!」(中略)
 
  
 〽君も立て 我も立つ
 
  広布の天地に 一人立て……
  
 
 伸一も共に歌った。皆の心に闘魂が燃え盛った。創価の師弟の誇らかな凱歌であった。
 
 伸一は、秋田の同志の敢闘に対して、さらに提案した。
 
 「皆さんの健闘と、大勝利を祝い、勝ち鬨をあげましょう!」
 
 「オー!」という声が沸き起こった。
 
 そして、民衆勝利の大宣言ともいうべき勝ち鬨が、雪の天地に轟いた。
 
 「エイ・エイ・オー、…………」
 
 皆、力を込めて右腕を突き上げ、声を張り上げ、体中で勝利を表現した。
 
 降りしきる雪は、さながら、白い花の舞であり、諸天の祝福を思わせた。
 
 (「勝ち鬨」の章、187~190ページ)
 

響き合う人間主義の心と心

 <90年(平成2年)7月、山本伸一は第5次訪ソを果たし、クレムリンでゴルバチョフ大統領と初の会談を行う。世界の平和を願う2人の心は強く響き合い、日ソ関係に、新しい交流の光が差した>
 
 伸一は、ユーモアを込めて語りかけた。
 
 「お会いできて嬉しいです。今日は大統領と“けんか”をしにきました。火花を散らしながら、なんでも率直に語り合いましょう。人類のため、日ソのために!」
 
 伸一の言葉に、ゴルバチョフ大統領もユーモアで返した。
 
 「会長のご活動は、よく存じ上げていますが、こんなに“情熱的”な方だとは知りませんでした。私も率直な対話が好きです。
 
 会長とは、昔からの友人同士のような気がします。以前から、よく知っている同士が、今日、やっと直接会って、初めての出会いを喜び合っている――そういう気持ちです」
 
 伸一は、大きく頷きながら応えた。
 
 「同感です。ただ大統領は世界が注目する指導者です。人類の平和を根本的に考えておられる信念の政治家であり、魅力と誠実、みずみずしい情熱と知性をあわせもったリーダーです。私は、民間人の立場です。そこで今日は、大統領のメッセージを待っている世界の人びとのため、また後世のために、私が“生徒”になって、いろいろお聞かせ願いたい」
 
 大統領は、あの“ゴルビー・スマイル”を浮かべて語った。
 
 「お客様への歓迎の言葉を申し上げる前に先を越されてしまいました。“生徒”なんてとんでもないことです。会長は、ヒューマニズムの価値観と理想を高く掲げて、人類に大きな貢献をしておられる。私は深い敬意をいだいております。会長の理念は、私にとって、大変に親密なものです。会長の哲学的側面に深い関心を寄せています。ペレストロイカ(改革)の『新思考』も、会長の哲学の樹の一つの枝のようなものです」
 
 伸一は(中略)語った。
 
 「私もペレストロイカと新思考の支持者です。私の考えと多大な共通性があります。また、あるのが当然なんです。私も大統領も、ともに『人間』を見つめているからです。人間は人間です。共通なんです」
 
 (「誓願」の章、254~256ページ)
 

今が人生の最も重要な瞬間

 <山本伸一は、21世紀を目指し、世界平和の道を開くために、力の限り奔走。93年(平成5年)1月下旬から、北・南米を訪問し、対話の輪を広げていった>
 
 創価大学ロサンゼルス分校では、“人権の母”ローザ・パークスと会談した。
 
 ――一九五五年(昭和三十年)、アフリカ系アメリカ人の彼女は、バスの座席まで差別されることに毅然と抗議した。
 
 それが、バス・ボイコット運動の起点となり、差別撤廃が勝ち取られていったのである。
 
 伸一は青年たちと、その人権闘争を讃え、「“人類の宝”“世界の母”ようこそ!」と歓迎した。まもなく迎える彼女の八十歳の誕生日を、峯子が用意したケーキでお祝いもした。
 
 人間愛の心と心が響き合う語らいのなかで、彼女は、『写真は語る』という本が出版されることに触れた。
 
 著名人が、人生に最も影響を与えた写真を一枚ずつ選んで、載せる企画であり、自分が、その一人に選ばれたことを伝え、こう語った。
 
 「あのバス・ボイコット運動の際の写真を選ぼうと思っていました。しかし、考えを変えました。会長との出会いこそ、私の人生にいちばん大きい影響を及ぼす出来事になるだろうと思ったからです。世界平和のために、会長と共に旅立ちたいのです。もし、よろしければ、今日の会長との写真を、本に載せたいのですが……」
 
 伸一は、“掲載される写真を、自分との語らいの場面にしたい”という彼女の要請に恐縮した。
 
 後日、出版された写真集が届けられた。彼女の言葉通り、伸一と握手を交わした写真が掲載されていた。「人権運動の母」の、優しく美しい笑顔が光っている。
 
 冒頭には、こう書かれていた。
 
 「この写真は未来について語っています。わが人生において、これ以上、重要な瞬間を考えることはできません」。そして、文化の相違があっても、人間は共に進むことができ、この出会いは、「世界平和のための新たな一歩なのです」と。
 
 (「誓願」の章、350~351ページ)
 

「私は94年間も待っていた」

 <93年(同5年)2月、山本伸一は空路、コロンビアからブラジルへ>
 
 リオデジャネイロの国際空港では、伸一が到着する二時間前から、一人の老齢の紳士が待ち続けていた。
 
 豊かな白髪で、顔には、果敢な闘争を経てきた幾筋もの皺が刻まれていた。高齢のためか、歩く姿は、幾分、おぼつかなかったが、齢九十四とは思えぬ毅然たる姿は、獅子を思わせた。今回の伸一の招聘元の一つである、南米最高峰の知性の殿堂ブラジル文学アカデミーのアウストレジェジロ・デ・アタイデ総裁である。(中略)エレノア・ルーズベルト米大統領夫人や、ノーベル平和賞を受賞したフランスのルネ・カサン博士らと、「世界人権宣言」の作成に重要な役割を果たしてきた。(中略)
 
 総裁は、ヨーロッパ在住の友人から、伸一のことを聞き、その後、著作も読み、また、ブラジルSGIメンバーとも交流するなかで、その思想と実践に強い関心と共感をいだき、伸一と会うことを熱望してきたという。
 
 空港で、今か今かと伸一の到着を待つ総裁の体調を心配し、「まだ、お休みになっていてください」と気遣うSGI関係者に、総裁は言った。
 
 「私は、九十四年間も会長を待っていた。待ち続けていたんです。それを思えば、一時間や二時間は、なんでもありません」
 
 伸一がリオデジャネイロの空港に到着したのは午後九時であった。一行を、アタイデ総裁らが、包み込むような笑みで迎えてくれた。
 
 総裁は、一八九八年(明治三十一年)生まれで、一九〇〇年(同三十三年)生まれの恩師・戸田城聖と、ほぼ同じ年代である。伸一は、総裁と戸田の姿が二重写しになり、戸田が、自分を迎えてくれているような思いがした。(中略)
 
 「会長は、この世紀を決定づけた人です。力を合わせ、人類の歴史を変えましょう!」(中略)
 
 伸一は応えた。
 
 「総裁は同志です! 友人です! 総裁こそ、世界の“宝”の方です」
 
 (「誓願」の章、355~356ページ)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小説「新・人間革命」学習のために 第29巻

2021年07月10日 | 妙法

〈My Human Revolution〉 小説「新・人間革命」学習のために 第29巻2021年7月10日

 小説『新・人間革命』の山本伸一の激励・指導などを、巻ごとに紹介する「My Human Revolution(マイ・ヒューマン・レボリューション)」。今回は第29巻を掲載する。次回は第30巻〈上〉を24日付2面に掲載の予定。

唱題は苦悩の生命を転換する力

 〈1978年(昭和53年)11月、大阪・泉州文化会館の開館記念勤行会で山本伸一は、信心の極意について指導した〉
 「人生は、何が起こるかわかりません。順風満帆とはいかず、浮き沈みもある。生きるということは戦いであり、ある意味で苦難の連続であるといえるかもしれない。病や不慮の事故、経済的な問題、人間関係の悩み、あるいは、子どものことで苦しむ場合もある。しかし、仏法では、『煩悩即菩提』『生死即涅槃』と教えている。いかなる迷い、苦悩に直面しても、この原理を忘れてはならない。
 日蓮大聖人は、私たちが、煩悩を菩提へ、生死を涅槃へ、四苦八苦に苦しむ身を常楽我浄の生命へと転換し、人生の幸せを満喫して生きていくために御本尊を顕された。いわば、迷い、苦悩の生命を転換していくための回転軸こそが御本尊であり、その回転の力となるのが唱題です。ところが、窮地に陥ると、“もう駄目だ”と絶望的になったり、信心が揺らいだりしてしまう。それは、縁に紛動され、根本の一念が御本尊から離れてしまっているからなんです。
 生命が御本尊と合致していれば、どんな苦難も、必ず乗り越えていくことができる。信心の極意は、何があっても御本尊に向かい、題目を唱え抜いていくことしかありません。
 苦しい時も、悲しい時も、嬉しい時も、この姿勢を貫き通していくことが、“御本尊根本”の信心であり、それが正信なんです。
 そうすれば、御本尊が助けてくれないわけがない。困難を乗り越える大生命力が、智慧が、湧かないわけがありません。常に、根底の一念を御本尊に定め、その信心を持続することが、現世安穏・後生善処の人生につながっていくことを知っていただきたい」(「常楽」の章、102~103ページ)

友への献身に人間の尊貴な輝き

 〈11月、東京・信濃町で第1回関東支部長会が開催される。席上、伸一は支部長・婦人部長(当時)の功労をたたえた〉
 「それぞれ、仕事や家庭のことなど、悩みと格闘しながら、同志のため、法のために、献身されている。時には“大変だな、苦しいな”と思うこともあるでしょう。皆さんのご苦労はよくわかっているつもりです。私も戸田先生の事業を軌道に乗せようと奔走するなかで、男子部の役職を兼任しながら、地区の責任者や支部幹事、支部長代理を務めた経験があります。会合の時間を捻出することさえ大変な闘いでした。
 しかし、それが、信心の基礎を築き、人生の基盤となり、仏法のリーダーとしての力を養い、無量の福運を積んだと、強く確信しております。苦労こそが財産なんです。
 “自分が生きるのに精いっぱいで、他人のことなど、とてもかまってはいられない”というのが、大多数の人の生き方です。そのなかで皆さんは、自らもさまざまな苦悩と闘いながら、多くの同志を励まし、人びとの幸福を願い、広宣流布に邁進されている。人間として最も尊貴な生き方です。
 皆さんが抱えているそれぞれの悩み、苦しみは、必ず勝ち越えていくことができる。それはなぜか――信心をもって苦悩を克服することで、仏法の大功力を証明していくのが、私たち地涌の菩薩の使命であるからです。
 人生は、激浪の日々であるかもしれない。しかし、だからこそ、勇んで戦い抜いた時には、最高の充実がある。爽快な歓喜がある。現実社会のなかで、自分に勝って、広宣流布の歩みを進めることが仏道修行なんです」(「力走」の章、136~137ページ)

「強き信心」は果敢なる実践に!

 〈79年(同54年)1月、伸一は東北指導へ。青森・秋田合同の代表幹部会で、「信心」と「実践」の関係について述べた〉
 「正しい仏道修行には、『信』と『行』の両方が、正しく備わっていなければなりません。『信』とは、御本尊を信じ抜いていくことです。『行』とは、自ら唱題に励むとともに、人にも正しい仏法を教えていく、折伏・弘教であり、現代でいえば学会活動です。たとえ、御本尊を信受していたとしても、信心の実践、すなわち具体的な修行をおろそかにしては、本物の信心とはいえません。
 青森から東京へ行こうとしても、ただ思っているだけでは、到着することはない。行動を起こし、実践があってこそ、目的を果たすことができる。また、せっかく行動に移し、出発したとしても、途中で止まってしまえば、東京へは着きません。
 同様に、信心も観念的で中途半端なものに終わってはならない。実践がなければ、功徳の体験を積めず、強い確信を育むこともできない。そして、何かあると縁に紛動され、退転してしまうことになりかねません。
 (中略)その実践は、大聖人が『行学は信心よりをこるべく候』(御書1361ページ)と仰せのように、『行』も、『学』すなわち教学の研鑽も、御本尊への強い『信』から出発するものでなければならない。『信』なき実践は、一生懸命に動いていても、形式的なものになり、惰性化し、次第に歓喜も失われていってしまいます。
 ともあれ、純粋にして強き信心は、おのずから、果敢にして忍耐強い実践につながっていく。『我もいたし人をも教化候へ』(同)の御聖訓のごとく、自行化他にわたる実践を展開し、この東北の天地から、新しい広布の光を放っていただきたいのであります」(「清新」の章、286~287ページ)

幸福社会の実現こそ学会の使命

 地涌の菩薩が末法において「折伏」を行ずる時には、「賢王」すなわち在家の賢明なる指導者となって、荒れ狂う激動の社会に出現するのだ。「愚王を誡責」するとは、社会に君臨し、民衆を不幸にしている権威、権力の誤りを正していくことである。主権在民の今日では、各界の指導者をはじめ、全民衆の胸中に正法を打ち立て、仏法の生命尊厳の哲理、慈悲の精神を根底にした社会の改革、建設に取り組むことを意味していよう。つまり、立正安国の実現である。弘教という広宣流布の活動は、立正安国をもって完結する。個人の内面の変革に始まり、現実の苦悩から人びとを解放し、幸福社会を築き上げていくことに折伏の目的もある。
 しかし、それは困難極まりない労作業といえよう。伸一は、末法の仏法流布を実現しゆく創価学会の重大な使命を、深く、強く、自覚していた。
 初代会長・牧口常三郎は、軍部政府が国家神道を精神の支柱にして戦争を遂行していくなかで、その誤りを破折し、神札を祭ることを敢然と拒否して逮捕された。取り調べの場にあっても、日蓮仏法の正義を語り説いた。まさに「愚王を誡責」して獄死し、殉教の生涯を閉じたのである。また、共に軍部政府と戦い、獄中闘争を展開した第二代会長・戸田城聖は、会員七十五万世帯の大折伏を敢行し、広宣流布の基盤をつくり、民衆による社会変革の運動を進め、立正安国への第一歩を踏み出したのである。
 戸田は、学会を「創価学会仏」と表現した。そこには、濁世末法に出現し、現実の社会にあって、広宣流布即立正安国の戦いを勝ち開いていく学会の尊き大使命が示されている。(「源流」の章、431~433ページ)

宗教への検証作業

 日蓮大聖人は「法華経最第一」とし、諸宗の誤りを鋭く指摘していった。それをもって、大聖人は独善的、非寛容、排他的であるとの批判がある。「清新」の章には、大聖人が、法華経以外の諸経をいかに捉えていたかに言及されている。
 ◇ 
 大聖人は、念仏をはじめ、禅、律、真言の教えを厳格に検証し、批判していったが、法華経以外の諸経の意味を認めていなかったわけではない。
 それは、御書の随所で、さまざまな経典を引き、信心の在り方などを示していることからも明らかである。
 第二代会長・戸田城聖は、青年たちへの指針のなかで、「われらは、宗教の浅深・善悪・邪正をどこまでも研究する。文献により、あるいは実態の調査により、日一日も怠ることはない。(中略)その実態を科学的に調査している」と記している。
 この言葉に明らかなように、創価学会もまた、日蓮大聖人の御精神を受け継いで、常に宗教への検証作業を行ってきた。そして、調査、研究を重ね、検証を経て、日蓮仏法こそ、全人類を救済し、世界の平和を実現しうる最高の宗教であるとの確信に立ったのである。
 自分が揺るがざる幸福への道を知ったとの確信があるならば、人びとにも教え伝え、共有していくことこそ、人間の道といえよう。
 ゆえに学会は、布教に励むとともに、座談会という対話の場を重視し、他宗派や異なる考え方の人びとと語り合い、意見交換することに努めてきた。それは、納得と共感によって、真実、最高の教えを人びとに伝えようとしてきたからである。
 宗教は、対話の窓を閉ざせば、独善主義、教条主義、権威主義の迷宮に陥ってしまう。
 対話あってこそ、宗教は人間蘇生の光彩を放ちながら、民衆のなかに生き続ける。
 座談会などでの仏法対話によって、共に信心をしてみようと入会を希望する人は多い。また、信心はしなくとも、語らいのなかで学会への誤解等は解消され、日蓮仏法への認識と理解を深めている。そして、相手の幸せを願っての真剣な語らいが進むにつれて、私たちの真心が伝わり、人間としての信頼と友情が育まれている。
 日蓮大聖人の仏法は、人間が苦悩を乗り越え、幸せを築き上げるための宗教である。
 大聖人御自身が、「一切衆生の異の苦を受くるは悉く是れ日蓮一人の苦なるべし」(御書758ページ)と仰せのように、仏法の目的は、人間の苦悩からの解放にある。宗教が人間の救済を掲げるならば、決して人間を手段にしてはならない。(314~316ページ)

 ※『新・人間革命』の本文は、聖教ワイド文庫の最新刷に基づいています。

【挿絵】内田健一郎

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする