小説「新・人間革命」に学ぶ 第28巻 解説編 池田主任副会長の紙上講座2021年4月28日
- 連載〈世界広布の大道〉
今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は第28巻の「解説編」。池田博正主任副会長の紙上講座とともに、同巻につづられた珠玉の名言を紹介する。
「広宣譜」「大道」の章では、1978年(昭和53年)、山本伸一が激務の中、「広布に走れ」や「信濃の歌」など、19曲の学会歌を作成する模様がつづられています。
作詞に取り組んだ背景には、学会員に対し、宗門からの理不尽な攻撃が続いていたことがありました。伸一は、「多くの学会員が苦しめられている。だから、みんなを励ましたいんだ。こういう時こそ、新しい広宣流布のうねりを起こすんだ。どんどん歌を作るよ」(14ページ)と語ります。
6月30日、聖教新聞に「教学上の基本問題について」との記事が掲載されます。これは、学会の仏教用語の使い方などについて、宗門が異議を唱えてきたことに対し、回答をまとめたものでした。学会は、「会員を守ることこそ、第一義」(21ページ)と考え、宗門との和合を願って真摯に対応しました。
この日、学生部の幹部会で「広布に走れ」が発表され、「師弟の応援歌」(11ページ)のハーモニーが響きます。
千葉県では、宗門の僧による学会攻撃が執拗を極めていました。同志の苦闘を聞いた伸一は、「千葉の同志の堂々たる旭日のような心意気を讃えるためにも、県歌が必要である」(70ページ)と、「千葉の歌」(現・旭日遙かに)を作成します。
九州の同志も、宗門側の学会誹謗に怒りをこらえていました。伸一は「一緒に創価の『正義の歴史』をつくっていこう!」(82ページ)と、「火の国の歌」を九州の同志に贈ります。
さらに、秋田や山形でも、学会に対する中傷の嵐が吹き荒れていました。東北には「青葉の誓い」を贈り、悪侶による広布破壊の暴挙と戦う北海道には、「ああ共戦の歌」(現・三代城の歌)を作りました。
伸一は学会歌作成に全精魂を注ぎながら、全国の同志を直接励まします。岐阜・東濃での5回の勤行会をはじめ、鳥取・米子、長野・松本などで勤行会を開催し、激励を送ります。
同年7月、鳥取・米子文化会館を訪問した伸一は、構内を視察し、楠に名前を付けていきます。「右近楠」「左近楠」「牧口楠」「戸田楠」と次々に命名し、最後の一本の前で、予期せぬ言葉を語ります。
「これは、『無名楠』とします。無名無冠の王者という意味ですが、次の会長が来た時に、名前をつけてもらうためでもあります」(85ページ)
伸一は未来を展望し、人材の流れが滔々と広がったならば、世界広布に全力を注ぎたいと考えていました。そのために、一瞬一瞬を真剣勝負で臨み、学会歌を通して、各地に“師弟の魂”をとどめていったのです。
「広宣譜」の章に、「歌に価値をもたらしていくのは、皆さんの決意と実践」(46ページ)と記されています。学会歌に込められた師弟の魂を具現化していくのは、弟子一人一人の行動にほかなりません。
78年7月、伸一は四国を訪問します。行事の合間を縫うようにして、本陣・東京に贈る歌の作詞に取り掛かります。
東京がさらなる飛躍を期すため、必要なこととは何か――思索を重ねる中で、彼の脳裏に浮かんだのが、「感激」という言葉でした。
「仏法の眼を開けば、すべては感激に満ちている。自分が地涌の菩薩として、広宣流布の大使命をもって、この時に、広布の本陣たる大東京に出現したこと」「一つ一つが不思議な、大感動の事実であり、感激以外の何ものでもない」(129ページ)
伸一は東京に寄せる思い、本陣の使命を歌詞に紡いでいきました。そして8月2日、東京支部長会で、「ああ感激の同志あり」を発表します。
席上、伸一はこう語ります。
「『感激』は、受け身になり、義務的に信心に取り組んでいたのでは生まれません。率先して行動を起こし、真剣勝負でぶつかっていく、その実践のなかにあるんです」(187ページ)
さらに会合の後、東京の代表幹部に訴えます。「“東京は一つである”との自覚で、何かあれば、飛んで行って守り、協力、応援し合っていくことが重要です」(192ページ)、「“大東京”の前進は、わが町、わが地域という“小東京”の勝利のうえにある。私と一緒に、不敗の東京をつくろう!」(193ページ)
今月18日、5・3「創価学会の日」を慶祝する本部幹部会・婦人部希望総会が、東京戸田記念講堂で晴れやかに開催されました。
「感激の同志と、異体同心、師弟不二の凱歌を断固と誓い合って、私のメッセージといたします」――池田先生は、全国の同志に対し、“感激の同志”と呼び掛けられました。
“感激のドラマ”の主役は、「他の誰か」ではありません。「私」です。「感激」は、主体的な行動によって心に漲っていくものです。率先の実践で、“感激の輪”を幾重にも広げていきましょう。
東京・大田総区の伊豆諸島栄光圏は、創価大田大島本部、八丈島創価本部の二つの本部からなり、伊豆諸島や小笠原諸島の計11島のメンバーが所属しています。
今月、婦人部が本部ごとに、オンラインの御書学習会を開催しました。同圏には、空港がない島や、沖縄とほぼ同じ緯度に位置する父島、母島などがあります。島同士の交流、特に婦人部の方々が、海を越えて励まし合うことは容易ではありません。
今回、初めてオンラインでつながることができ、大きな喜びが広がっています。コロナ禍の中、新たなことに挑戦し、心の絆を結び合ったのです。
勝利島部(発足時は離島本部)の歴史は、広布を阻む制約を勝ち越えてきた歴史でもあります。その壮絶なドラマが「勝利島」の章に克明に描かれています。
学会への偏見が渦巻く中にあって、島で活動に励む同志は、粘り強く信頼を勝ち取っていきました。その根幹は、どこまでも師弟でした。「『師弟の誓い』に生き、『使命』を自覚した同志が、『広布の大道』を切り開いてきた」(416ページ)のです。
伸一は勝利島部の友に、「賢明な日常の振る舞い」(440ページ)の大切さを訴えます。そして、「誰人に対しても、仲良く協調し、義理を重んじ、大きく包容しながら、人間性豊かに進んでいかれるよう、願ってやみません」(同)と語ります。これは、地域広布の要諦でもあります。
未曽有の試練に直面する今こそ、この指針を胸に、地域に希望の光を届ける時です。
仏法の展開のためには、時代に対応しながら、さまざまな現代の哲学、科学の成果を踏まえ、わかりやすく論じていくことが不可欠だ。(「広宣譜」の章、20ページ)
首都・東京は、学会本部を擁する本陣である。広宣流布の決定打を放つのも、学会の未来を決するのも東京である。(「大道」の章、127ページ)
“唱題第一の人”は――揺るがない。臆さない。退かない。敗れない。胸中に、不屈の闘魂と歓喜の火が、赤々と燃えているからだ。(「大道」の章、170ページ)
時とともに生活様式など、さまざまな事柄が、大きく変わっていく。変化、変化のなかで人は生きていかざるを得ない。ゆえに、自身の観念や、これまでの経験にばかり固執するのではなく、変化への対応能力を磨いていくことが、よりよく生きるための不可欠な要件となる。(「革心」の章、267ページ)
信心の深化は、人間性となって結実し、豊かな思いやりにあふれた、具体的な言動となって表れます。(「勝利島」の章、348ページ)
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