小説「新・人間革命」に学ぶ 番外編⑧ 2021年1月28日

今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は「番外編⑧」。小説につづられた珠玉の名言をテーマごとに紹介するとともに、山本伸一の青年部への励ましを掲載する。挿絵は内田健一郎。
私たちは、なんのために戦うのか。
自身の幸福のためである。何があっても挫けない、自分自身を築くためである。人間革命のためである。また、人びとの幸福のためである。社会の繁栄と平和のためである。(中略)
私たちは、妙法をもって、末法の一切衆生を救うために出現した地涌の菩薩である。まさに広宣流布という「人間全体の幸福」の実現こそ、私たちの使命だ。
戦う限り、勝たねばならない。絶対に勝つと決めて、戦い抜くのだ。
勝利のためには、何よりも己自身を制覇せねばならぬ。牙をむく獰猛な敵も、所詮は自分の心の影にすぎない。
自身に勝つのだ!
臆病に勝つのだ!
あきらめの心に勝つのだ!
怠惰に勝つのだ!
自身に打ち勝ってこそ、大いなる「前進」があり、燦然と「勝利」の陽光は輝くのだ。
(第19巻「陽光」の章、199~200ページ)
「どこまでも御本尊を信じ抜き、無量無辺の功徳力を確信して、魂のこもった祈りを捧げることです。
自身の宿命転換、人間革命、一生成仏のためには、“広宣流布に生き抜きます”という誓願の祈りが大事になります。
そこに、わが生命を地涌の菩薩の大生命、大境涯へと転ずる回転軸があるからです。
具体的にいえば、“あの人に、この人に、幸せになってほしい。仏法を教えたい”という必死な利他の祈りです。学会活動の目標達成を祈り、行動を起こしていくことです。
それが、大功徳、大福運を積む直道です。
したがって、自身の悩み、苦しみの克服や、種々の願いの成就を祈る時にも、“広宣流布のために、この問題を乗り越え、信心の見事な実証を示させてください。必ず、そうしていきます”と祈っていくんです。
祈りの根本に、広宣流布への誓願があることが大事なんです」
(第28巻「大道」の章、176~177ページ)

「第二代会長の戸田先生は、よく、こう言われていました。
『御本尊に常に感謝の念をもっている人は、いよいよ栄える。福運がいよいよまさる』『感謝を忘れた人は、福運が消えていく』
“自分は信心で守られてきた。御本尊あればこそだ!”との感謝の心から、喜びも、希望も、勇気も生まれます。また、感謝は、心を豊かにします。
反対に不平や不満をいだいていれば、心を自ら貧しくしていきます。
御本尊への感謝をもって、日々の学会活動に取り組んでいくなかに、自身の境涯革命があるんです」(中略)
大事なことは、御本尊への、その御本尊を教えてくれた創価学会への感謝の念をもって、喜び勇んで広宣流布の“戦い”を起こしていこうという“心”である。
“感謝”ある人には“歓喜”がある。
そして、燃え立つ歓喜の生命こそ、挑戦、前進、勝利、幸福の活力源となるのだ。
(第26巻「奮迅」の章、367~368ページ)
広宣流布をいかに進めるかは、各地域によって異なってこよう。
たとえば、人口過密な大都市と、過疎の山村や離島とでは、人びとの生活や人間関係等にも違いがある。その実情に即して、仏法理解の進め方、学会活動の在り方を、考えていかねばならない。(中略)
そこに暮らす人びとが、わが地域の広宣流布の責任をもつのだ。
地域に応じて、活動の進め方は異なっても、広布を推進する根本原理に変わりはない。
第一に大切なことは、なんとしても、この地域を広宣流布していこうという「決意」である。(中略)
第二に、学会員が地域で「信頼」を勝ち得ていくことだ。
信頼という土壌が耕されてこそ対話も実る。信頼は人間関係の基である。
第三には、各人が信仰の「実証」を示し切っていくことである。
(第28巻「広宣譜」の章、88~89ページ)

伸一は、「冥の照覧」を心から確信できる、一人ひとりになってほしかった。
仏法では、「因果応報」を説いている。悪因には必ず苦果が、善因には必ず楽果が生じることをいう。
しかも、その因果律は、過去世、現在世、未来世の、三世にわたって貫かれている。
過去における自身の、身(身体)、口(言葉)、意(心)の行為が因となって、現在の果があり、現在の行為が因となって、未来の果をつくるのである。(中略)
すべては自分に還るのだ。悪果も善果も、一切は自身の行為のゆえである。(中略)
この生命の因果の理法、言い換えれば、「冥の照覧」を確信して、仏道修行に励むことこそ、仏法者の生き方の基本なのだ。(中略)
仏は、常に、じっと見ている。敢闘の歴史は、わが生命に刻まれ、栄光の朝を開く力となる。
(第24巻「厳護」の章、144~146ページ)
伸一は、戸田城聖に、理路整然と自分の意見を述べていった。
「人材として大成していくうえで、最も重要なことは、使命に目覚めることではないでしょうか。
私たちには、地涌の菩薩として、すべての人を幸福にし、世界の平和を築く、広宣流布という大使命があります。
何よりも、その根本的な使命感に立つことが、自分の力を伸ばしていく最大の道であると感じています。(中略)
自分の使命を知るならば、何事に対しても、生命の奥深くから、意欲が、情熱が、力が湧いてきます」(中略)
戸田の声が響いた。
「そうだ! そうなんだよ、伸一!
第一に『使命の自覚』だ。これがないと、人生の根本目的がわからず、迷いが生じ、本当の力はでない。
反対に、使命を自覚した時に、最大の力を発揮していけるものだ」
(第27巻「求道」の章、372~373ページ)


〈若き日の山本伸一は、大阪や山口など、広布のあらゆる局面で、拡大の突破口を開いてきた〉
戸田は、その伸一を讃えることは、ほとんどなかった。むしろ、厳しい叱責に終始し、未曾有の成果を残して当然という態度を取り続けた。
伸一は、そこに、本物の師子に育て上げようとする師の厳愛と、全幅の信頼を感じていた。
戸田の険しい目の奥に宿る、深い慈愛の光を、彼は知っていたのである。
彼は、勇んで先駆の道をひた走った。それは、歓喜に包まれた誇り高き、青春の大道であった。
先駆けの勇者によって突破口ができれば、流れは開かれる。
(第2巻「先駆」の章、24~25ページ)

〈1972年(昭和47年)3月、山本伸一は山梨県を訪れ、女子部の人材育成グループ結成を提案した〉
伸一は、広宣流布の未来を盤石なものにするためには、女子部に力を注ぎ、育成していかなければならないと、強く感じていた。
“二十一世紀は「女性の世紀」となり、あらゆる分野に女性が進出し、社会をリードしていくことは間違いない。
また、一家の太陽となり、後継の子どもたちを育む、最大の力となるのも女性である。
それゆえに、女子部員が、優れた人格と知性をもち、聡明な女性リーダーに成長していくならば、広宣流布は、一段と大きな広がりをもっていくことになろう”
(第16巻「入魂」の章、109~110ページ)
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