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マイ・ヒューマン・レボリューション――小説「新・人間革命」学習のために 第7巻 2020年4月24日

2020年04月24日 | 妙法

マイ・ヒューマン・レボリューション――小説「新・人間革命」学習のために 第7巻 2020年4月24日

 小説『新・人間革命』の山本伸一の激励・指導などを、巻ごとに紹介する「My Human Revolution(マイ・ヒューマン・レボリューション)」。今回は第7巻を掲載する。次回の第8巻は30日付2面の予定。挿絵は内田健一郎。

 

仏法は不信を信頼に転じる力
ちから

 <1962年(昭和37年)10月、指導会で山本伸一は核戦争の根源的解決の道を示す>
 
 「どうすれば、核戦争をなくしていくことができるのか。その本当の解決の道は、仏法による以外にありません。仏法は、一切衆生が皆、仏であると教えている。万人に仏性があり、自分も相手も、仏の生命を具えていると説く、仏法の生命哲学こそ、人間の尊厳を裏付ける大思想です。その教えが流布されるならば、必ずや、戦争を防ぐ最大の力となります。
 
 また、誰でも信仰に励み、実際に、仏の生命を涌現していくならば、破壊や殺戮に走ろうとする、自身の魔性の生命を打ち破ることができる。
 
 悲惨な核戦争の根本原因は、“元品の無明”という生命の根源的な迷いにある。この無明の闇から、不信や憎悪、嫉妬、あるいは、支配欲、殺戮の衝動など、魔性の心が生じる。
 
 この“元品の無明”を断ち切り、“元品の法性”という、真実の智慧の光をもって、生命を照らし、憎悪を慈悲に、破壊を創造に、不信を信頼に転じゆく力こそが、南無妙法蓮華経であります。また、それが人間革命ということです。ユネスコ憲章の前文には『戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない』とあります。大事な着眼です。
 
 では、どうすれば、本当に崩れることのない“平和のとりで”が築けるのか。
 
 それを可能にするのが仏法であり、現実に、行ってきたのが創価学会です。(中略)
 
 私たちがめざす広宣流布の道は、遠く、はるかな道のように思えるかもしれませんが、その道こそが、世界に永遠の平和を築く直道なのです。今こそ、仏法という“慈悲”と“平和”の大思想を、友から友へと伝え、私たちの力で、絶対に核戦争を回避していこうではありませんか。それが、われわれの使命です」
 
 (「文化の華」の章、79~80ページ)
 


 

互いの尊敬が生む鉄の団結
 

 <63年(同38年)1月、アメリカで伸一は団結の要諦を語る>
 
 「大聖人は『法に依って人に依らざれ』との経文を通して、信心の在り方を指導されています。
 
 私どもの信心は、どこまでも『法』が根本です。広宣流布という崇高な大目的を成就するために、みんなが心を合わせ、団結して活動を進めていく必要があるのです。
 
 もし、中心者が嫌いだからとか、自分の方が信心が古いからといって、あの人のもとでは活動できないという人がいたならば、その人は『法』が根本ではなく、『人』に対する自分の感情が根本になっているんです。
 
 また、それは、わがままです。わがままは、自分の心に負け、信心の軌道を踏み外した姿です。結局は、その人自身が不幸になります。反対に、中心者を守れば、自分が守られる。これが因果の理法です。
 
 一方、幹部になった人は、絶対に威張ったりせずに、よく後輩の面倒をみていただきたい。皆に奉仕するために幹部はいるんです。広宣流布に戦う人は、皆、地涌の菩薩であり、仏です。
 
 その方々を励まし、尽くした分だけ、自身も偉大な福運を、積んでいける。
 
 ともかく、皆が同志として尊敬し、信頼し合って、また、足りない点は補い、守り合えれば、鉄の団結が生まれます。その団結が、最大の力になる。御書には『異体同心なれば万事を成じ同体異心なれば諸事叶う事なし』(1463ページ)と仰せです。広宣流布に向かって、心を一つにすれば、すべてに大勝利できる」
 
 (「萌芽」の章、126~127ページ)
 

 

学会員こそ世界市民の模範
はん

 <“創価学会が人間と人間を結ぶ宗教であることを実感した”と語るメンバーに伸一は、真の国際人としての要件とは何かを訴える>
 
 「戸田先生が『地球民族主義』と言われた通り、創価学会は、やがて、国家や民族、人種の違いも超えた、世界市民、地球市民の模範の集まりになっていくだろう。
 
 仏法の哲理が、それを教えているからだ。
 
 また、学会員は、本来、本当の意味での国際人であると思う。
 
 国際人として最も大事なポイントは、利己主義に陥ることなく、人びとを幸福にする哲学をもち、実践し、人間として尊敬されているかどうかである。
 
 仏法を持ち、日々、世界の平和と友の幸福を祈り、行動し、自らの人間革命に挑む学会員は、まさに、その条件を満たしている。
 
 語学ができる、できないということより、まず、これが根本条件だ。
 
 ともかく、友を幸福にしようというメンバーの心が友情を織り成し、世界に広がっていくならば、それは人類を結ぶ、草の根の力となることは間違いない」
 
 (「早春」の章、238~239ページ)
 

 
 

真の女性解放の先駆者
しゃ

 <63年2月、伸一が示した指針「婦人部に与う」が婦人部幹部会で発表された>
 
 婦人部の幹部の朗読が始まると、参加者は瞳を輝かせて、聞き入っていた。
 
 最後の「創価学会婦人部こそ、妙法をだきしめた、真の女性解放の先駆者である」との一節では、誰もが電撃に打たれたような思いにかられた。彼女たちの多くは、経済苦や病苦にあえぎながら、自身の、わが家の宿命転換を願い、ただ幸福になりたいとの一心で、懸命に信心に励んできた。
 
 しかし、信心の目的は、それだけではなく、「女性解放」という、もっと大きく崇高な使命を果たすためであることを自覚したのである。
 
 「女性解放」とは、単に制度などの社会的な差別からの解放にとどまるものではない。いっさいの不幸からの解放でなければならない。彼女たちは、自らの体験を通して、その唯一の道が日蓮仏法にあることを確信することができた。
 
 生活という大地に根を張った婦人たちが、時代の建設に立ち上がってこそ、初めて、社会を蘇生させることができる。自分たちの生きゆく社会を、楽しい、平和なものにしていくことが、広宣流布である。この「婦人部に与う」を受けて、清原かつは、この日、次のようにあいさつした。(中略)
 
 「山本先生は、この『婦人部に与う』のなかで、私たちこそ『真の女性解放の先駆者』であると述べられております。つまり、自分や一家の幸福を築いていくことはもとより、広く社会に目を開き、すべての女性を、宿業の鉄鎖から解放していくことが、創価学会婦人部の使命なのであります。
 
 要するに、私たちには、学会員である人も、ない人も、その地域中の人びとを幸福にしていく責任があるということです。
 
 そう考えるならば、地域にあって、自分の受けもっている組織は、小さな単位であるブロックという組織でも、私たちの使命は、限りなく大きいと思います」
 
 (「操舵」の章、340~341ページ)
 

 

創価教育の思想と精神

 〈「文化の華」の章には、教育部の結成の様子とともに、創価教育の思想と精神が記されている。〉
 
 本来、教育の根本の目的は、どこに定められるべきであろうか。
 
 牧口常三郎は「教育は児童に幸福なる生活をなさしめるのを目的とする」と断言している。“国家の利益”ではなく、“児童の幸福”こそ根本だというのである。
 
 牧口は、この信念から、創価教育の眼目は、一人ひとりが“幸福になる力を開発する”こととした。そして、この幸福の内容が「価値の追求」であり、人生のうえに創造すべき価値とは、「美・利・善」であると主張した。
 
 つまり、牧口は、価値創造こそ人生の幸福であり、さらに、社会に価値を創造し、自他ともの幸福を実現する人材を輩出することが、教育の使命であると考えていたのである。彼は『創価教育学体系』の緒言で、「創価教育学」を世に問う熱烈な真情を、こう記している。
 
 「入学難、試験地獄、就職難等で一千万の児童や生徒が修羅の巷に喘いで居る現代の悩みを、次代に持越させたくないと思ふと、心は狂せんばかりで、区々たる毀誉褒貶の如きは余の眼中にはない」
 
 そこには、子どもへの、人間への、深い慈愛の心が熱く脈打っている。この心こそ教育の原点といえる。
 
 そして、その教育を実現していくには、教育法や教育学の改革はもとより、教育者自身の人間革命がなければならない。
 
 子どもたちにとって、最大の教育環境は教師自身である。それゆえに、教師自身がたゆまず自己を教育していくことが不可欠となるからだ。
 
 教師は「教育技師」であると主張する牧口は、「教育は最優最良の人材にあらざれば成功することの出来ぬ人生最高至難の技術であり芸術である。是は世上の何物にも替へ難き生命といふ無上宝珠を対象とするに基づく」と述べている。
 
 さらに、教師たるものの姿を、こう論じる。
 
 「悪人の敵になり得る勇者でなければ善人の友とはなり得ぬ。利害の打算に目が暗んで、善悪の識別の出来ないものに教育者の資格はない。その識別が出来て居ながら、其の実現力のないものは教育者の価値はない」
 
 牧口が提唱した、創価教育の精神を、現実に、縦横無尽に実践したのが、若き戸田城聖であった。彼の私塾・時習学館からは、人間性豊かな、実に多彩な人材が育っている。山本伸一は、教育部員に、この先師・牧口常三郎、恩師・戸田城聖の志を受け継いでほしかった。
 
 彼は、混迷の度を深める社会の動向に、鋭い目を注ぎながら、教育部の使命の重大さを痛感していた。
 
 (「文化の華」の章、15~17ページ)

 

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