本日、跡見女子大学文学部臨床心理学科の主催で「ビジネス現場において何故心理学が必要なのか」というタイトルの学生向け講演会が行われた。講師は、非常勤講師として跡見で「マーケティング心理学」という授業(後期)を担当される寺田信之介先生。現在は広告代理店「小田急エージェンシー」の取締役だが、長く広告代理店の「マッキャンエリクソン」で活躍してこられた方である。非常に面白くためになる講演をしていただいたのだが、私にとって一番面白かったのがアメリカのスキナー(1904-1990)という心理学者の「強化理論」(theory of reinforcement)というものだった。これは、人間はある行動によって快楽を得るとその行動を持続する(または繰り返す)というもので、この理論をマーケティングに応用して商品の売り上げを伸ばすことが出来るというものである。寺田先生の説明によると、ある商品のプライマリー・リインフォースメントは製品そのものにあり、広告はセカンダリー・リインフォースメントを与えるものだという。例えば、コカコーラのプライマリー・リインフォースメントが「おいしい」ということだとすると、セカンダリー・リインフォースメントは「カッコイイ」というような要素が考えられ、広告の成否というのはセカンダリー・リインフォースメントをうまく消費者に伝えることができるかどうかにかかっているという。このあたりは、商品の販売だけでなく、人間がある事柄に関わりたいと思うかどうかの「動機づけ」にも大きく関係してくると思う。というような意味で(もちろん、それだけではないのだけれど)大変ためになる講義であった。
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