ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。

曽田修司の備忘録&日々の発見報告集

小出郷文化会館でのインターンシップ(2)

2005-10-22 09:07:20 | 大学
先日書いた記事の続き。

6日間の合宿形式で行われる小出郷文化会館のインターンシップは、学生が頭と体をフルに使って中身の濃い研修が出来るように、いろいろな工夫が取り入れられている。
たとえば、「目覚ましディスカッション」。これは、2日目から4日目にかけて、毎朝一番に行われるディスカッション(9時~9時50分)。
テーマは、2日目が「公共ホールはニーズにあった企画を実施していればよい。○か×か」、3日目が「公共ホールは専門ホールがいい。○か×か」、4日目が「公共ホールには、企画スタッフとして専門家が必要だ。○か×か」。
これだけでも、すごく勉強になるに違いない。何しろ、当の公共ホールにインターンに行って、そこのスタッフの人たちの前でディスカッションするのだから。

他にも、毎日、ゼミが行われる。講師は、桜井館長や榎本さんや、小出郷文化会館のスタッフの人たち。テーマは、「小出郷文化会館とは何か」、「公立ホール、今明かされるその実態!」、「小出郷におけるアウトリーチの受容と展開」、「小出郷におけるDSPの展開と実績」(注)、「空色の種を探そう! アート・マネジメントは街角に落っこちている?」など。実践に即して、公共ホール(公立ホール)の役割と仕事の実際が学べるように設計されていることがわかる。

(注)DSPとは、Dynamic Sales Promotion の略。アメリカの地域劇場の連合体である TCG (Theater Communication Group) の劇場でダニー・ニューマン(Danny Newman)が展開した観客獲得・拡大のための実践的なマーケティング&プロモーションの手法のこと。ダイレクトメールの活用や年間定期鑑賞会員(subcriber)の獲得キャンペーンなど。

3日目には、榎本さんを講師として、「話を聴く技術を磨く」というゼミがあり、そのあと、小出郷文化会館のスタッフに学生が実際にインタビューして、それぞれの仕事の内容を聞き出す、という課題が与えられる。
翌日以降は、これを応用して、「町の人たちの話を聞こう」と題して印刷デザイナー、友の会の世話人、サポーターズクラブの方々にインタビュー。さらに、近隣の3つの公立文化施設(南魚沼市文化会館、長岡リリックホール、新潟市民芸術文化会館)の施設見学のときにも、学生から質問して話を聞き出すことが課題として与えられる。これも、ただ話を聞いてそれで終わりではない、学生の積極的な関わりが重視されている例だ。

また、私が榎本さんからうかがって面白いと思ったのは、榎本さんをはじめ3つの異なる施設のスタッフの方々が、学生の前でお互いの施設の足りない点をズバズバと指摘しあう「ネガティブ・ディスカッション」というのをやってくれたという。あまりにも辛口な意見の応酬に学生はあっけにとられていた、と榎本さんは愉快そうに語っていた。

(この項、まだ続く。)
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