熱く・楽しくいこう!

山岳ガイド 江口正徳の仕事と日常

北アルプス 奥穂高岳南稜

2023-07-31 11:50:44 | ガイド山行/バリエーションルート登山
7月29日~30日は、奥穂高岳南稜をガイドしてきました。

天気に恵まれて最高の登攀が楽しめました。また奥穂高岳登頂後はジャンダルムに登頂して天狗沢を経由するコースで下山してより充実した山行となりました。長丁場で緊張する箇所も多いのでお二人様ともお疲れにでしたが大変満足していただくことができて良かったです。


岳沢から翌日にめざす奥穂高岳南稜を眺めます。左上に南稜のシンボル、トリコニーが聳えています。


岳沢小屋に新しい名所「岳沢 TERRACE 2170」というものが出来ていました。
支配人S氏のアイデアということですが、S氏とはほぼ同年代として長い長い付き合いですが本当によく頑張ってられていて、槍ヶ岳山荘グループを牽引するスーパーキャリアなのです。


翌朝は岳沢小屋を3時20分に出発して真っ暗なうちに南稜に取付きました。


暫く登って上高地そして霞沢岳、乗鞍岳、御嶽岳の山々が朝陽に輝き始めました。


長いブッシュ、灌木帯を抜けてようやくトリコニーの岩場に取付きます。


グングン登ってモノリス岩直下


1峰へは折角なので直登的なラインから登ります。
既にモノリス岩が足下です。


1峰直下は短いですが意外と難しいのでお二人様とも少し奮闘して突破です。


1峰の頂稜を通過します。


コブの頭、ジャンダルム、ロバの耳の岩峰群を眺めます。
南稜はさすが穂高のド真ん中を登るので圧巻の景観がタマリマセン!


トリコニーを抜けて上部岩稜を登ります。
疲れも出てきて頑張りどころです。


短い懸垂下降ですが、様々な技術でルートを攻略していくアルパインらしさが良いですね。


ヨツナシオガマが沢山咲いていました。


南稜の頭に登り詰めて南稜登攀は終了~
お疲れさまです! 寄り道というかルートを難しいラインから登ったりしたので通常ルートより体力的に少し大変だったですがよく頑張りましたね!
南稜は30回位登っていますが何回登っても楽しめる良いルートです。


奥穂高岳登頂!
バリエーションルートを登って到達する山頂は格別ですね!


奥穂高岳登頂後は、ジャンダルムへ縦走


ロバの耳の肩から望むジャンダルム。この角度からが一番突き上げてる感があって格好いいです。




ジャンダルム頂上へはやはり折角なので直登ルートから。


ジャンダルム登頂!
多くの皆さん会いたがっている天使が迎えてくれました。
ジャンダルムには90回位登っていますが何度登っても満足する穂高一の岩峰ですね。


ジャンダルムからは天狗のコル~天狗沢を経由して下山です。
ガレ場歩きに慣れないとなかなか苦労するルートです。お二人様とも疲れた体に鞭打つかのように頑張って下られました。


岳沢名所のお花畑ではウツボグサが今までに見たことないくらいにビッシリ咲いていました。


上高地に下山してきて今回辿ったコースを眺めます。とても感慨深い一時ですね。
無事に今回の山行を終えることができました。
お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。








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個人ガイド 加賀 白山

2023-07-28 11:04:07 | ガイド山行/一般登山
7月25日~27日は、個人ご依頼で加賀白山をガイドしてきました。

白山室堂に2泊してゆったりと花真っ盛りの白山を心行くまで満喫していただきました。
初日は別当出合から登山開始。砂防新道を経て白山室堂泊り。
2日目は白山頂上の御前峰に登頂してから大汝峰、そして今回メインのお花松原に出向いてから池巡りコースで白山室堂へ。
3日目は展望歩道から南竜ヶ馬場を経て別当出合に下山。


別当出合を出発。
花の観賞をメインの今回の3日間の山行のスタートです。


タマガワホトトギス


テガタチドリ


ミヤマダイモンジソウ
次から次と花が現れて飽きさせません。


途中で土砂降りの雨になったのでタイミング良く甚之助避難小屋に逃げ込んで暫しの休憩。
雨も止んで晴れてきたので気持ち良く白山室堂に向けて登ります。


翌朝はスッキリ晴天で幕開けです。白山の頂上めざしてスタート。


クルマユリが沢山咲いていました。


別山をバックに御前峰めざして登ります。


白山頂上(御前峰)登頂! もう何回目かの登頂とのことですが、それでもやはり「おめでとう」ですね!


山頂から次にめざす大汝峰を望みます。


イワギキョウ。
普通はチシマギキョウの方を見かけることが多いですが、白山ではチシマギキョウは1輪も見ることがありませんでした。


大汝峰山頂めざして登ります。
バックは御前峰と剣ヶ峰


大汝峰登頂! やはりおめでとうございます!


大汝峰から今回のメインでもある「お花松原」を望みます。遠~い!

長い下りを経て花がこれでもか!というくらい真っ盛りのお花松原に下り立ちました。


ハクサンコザクラの大群生がアチコチで迎えてくれました。


更にこれでもか! というくらいのクロユリの大群落!
長いこと登山をやっていますし、このお花松原にも来たことがありますがこんなに咲くまくってるのは見たことがありません!


感動を越え過ぎて吐きそうになってきました!


下品でスミマセン! 
冗談はさておき、訪れる人も少ない「お花松原」まさに花の楽園でした。

白山室堂に戻ってからは山荘周りを散策したりしながら楽しみました。


イブキトラノオが最も広範囲で見られた花でした。


夕暮れ時は美しい幻想的な景色が見れました。


3日目の最終日は下山前に御来光を眺めに再び白山頂上の御前峰へ。
北アルプス 水晶岳あたりから素晴らしい日の出を迎えることができました。


室堂周辺ではハクサンフウロの大群落が広がっていました。


下山はそのまま下らずに展望歩道を辿って南竜ヶ馬場を経由するコースを歩きました。
北アルプスや御嶽山、そして正面には別山を眺めながらの気持ち良い展望コースです。


ハクサンフウロがいっぱいです。


ニッコウキスゲもいっぱいです。

この後、砂防新道を経て別当出合に下山して、今回の3日間の山行を無事に終了しました。
お疲れ様でした。ご依頼ありがとうございました!








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八ヶ岳 阿弥陀岳南稜~赤岳~阿弥陀岳北稜

2023-07-24 08:35:13 | ガイド山行/バリエーションルート登山
7月22日~23日は、八ヶ岳の阿弥陀岳のバリエーションルートを繋ぐコースをガイドしてきました。

今回の山行、予定では赤岳天狗尾根を登る筈でした。天狗尾根めざして朝一番で入山しましたが約1時間ほど歩いて丁度河原に下り立つ地点に着くと普段全く流れの無いところでさえ物凄い増水と激しい流れと化していました。過去に無雪期だけでも20回以上は登っているルートですがこの先の危険度を考えると先に進むわけにはいきません。という訳で急遽引き返すことに。
引き返す道中で代替案をいろいろ考えて阿弥陀岳南稜に転戦することに決定。美し森山駐車場に戻って直ぐに車に乗り込んで阿弥陀岳南稜登山口をめざしました。
やはり転戦といっても一般コースなどその辺のところを適当に登ってお茶を濁すようなことをしたくないので、やはり天狗尾根(岩稜直登ルート)と同等レベルかそれ以上のことをしなければならないという思いから阿弥陀岳南稜(P3は岩稜直登ルート)を登って阿弥陀岳~赤岳を縦走して天望荘泊、翌日は再び赤岳~中岳を経て阿弥陀岳北稜を登って阿弥陀岳登頂、最後は阿弥陀岳中央稜を下山しました。
結果的には内容的にはほぼ同じかそれ以上、体力的には大幅にボリューム感を増したものになりました。それでも皆さん元気で頑張って踏破していただけたので良かったです。


朝一から余分な労力を費やしてしまったのですが、気持ちを入れ替えて阿弥陀岳南稜めざして入山です。
※一般登山コースではありません。


ハクサンシャクナゲが綺麗に咲いていました。


阿弥陀岳南稜上部を望みます。


ミネウスユキソウもいっぱい


南稜核心部のP3が迫ってきました。
通常は基部から大きく迂回する「樋コース」を登りますが、今回は折角なので「岩稜直登コース」から登ります。


ちょうど小同心みたいな登りです。




こういう「岩登り箇所」は僕は1本のロープに複数人を繋いで登ることはしません。
という訳で1本のロープに1人で登っていただきます。


皆さんP3を難なく登りきって最後のP4を進みます。


阿弥陀岳登頂! 先ずは南稜からの登頂おめでとうございます!


チシマギキョウもいっぱい!


タカネバラも咲いていました。


コマクサもいっぱい!


阿弥陀岳から中岳を越えて赤岳登頂! 長い一日最後の山頂でした。
この後は天望荘に泊まりました。


翌朝は再度赤岳~中岳を越えて阿弥陀岳をめざしました。


中岳のコルから下山道を辿って北稜に取付きます。
短めにきって3ピッチの登りです。






ここもやはり1本のロープに1人づつにして登ります。少々手間と労力と時間がかかってしまいますが、「安全」とクライアント様の「快適さ」には代えられません。どんな仕事でもそうですが、職人(ガイド)が楽をしようとするとロクなことがありませんのでね。


今回2度目の阿弥陀岳登頂! よく頑張りましたね~


阿弥陀岳山頂を後に中央稜からの下山です。

この後、登山口に下山し終えて今回の2日間の山行を無事に終了しました。
なかなかのハプニングから始まった今回の山行でしたが皆さんよく頑張って踏破していただきました。
大変お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。








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個人ガイド 鈴鹿 御在所岳 藤内壁 後尾根

2023-07-19 11:27:07 | ガイド山行/バリエーションルート登山
7月18日は、御在所岳 藤内壁後尾根をガイドしてきました。

猛烈な猛暑!と、猛を連投してしまうくらいの猛暑日でしたので熱中症にはかなり警戒しての入山でした。
それでも藤内壁に入ってからは意外にも風が吹き付けてくれたお陰で意外にも気持ち良く登ることができました。


出合から藤内壁を望みます。


後尾根を登ってきます。






藤内小屋を足下に気持ち良い岩場を登ります。


素晴らしい展望と楽しい登り。
いつ来ても良い所です。


核心部を登ってこられます。


バリエーションルートを登っての登頂! おめでとうございます!


ロープウェイで上がってこられた観光客も多く、さすが「関西の奥座敷」です。


札幌よる2℃涼しいらしい。
という訳で魅力いっぱいの御在所岳なのです。
このあと麓に下山して今回の山行を無事に終了しました。
お疲れ様でした。ご依頼ありがとうございました。









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戸隠山 西岳P1尾根と岩登り体験

2023-07-19 10:52:42 | ガイド山行/バリエーションルート登山
7月16日~17日は、戸隠山の西岳P1尾根をガイドしてきました。


初日は長野市の岩場、謙信物見の岩で岩登り体験です。


善光寺や長野市街地のほぼ全域を見渡せる展望台的な場所としても知られる謙信物見の岩。




屋外でクライミングは初めてとのことで易しいラインから始めて、徐々に難しいラインにもチャレンジ!
様々なラインを登ってクライミングの楽しさを満喫していただきました。

翌日はメインのP1尾根をめざしました。


望岳台から西岳と頂上稜線を望みます。


これでもか! というくらい鎖場を登ったり下ったり・・・


シモツケ、ハート型してまんがな!


片手にピストル~ 心に花束~♪(沢田研二 ~サムライ~より) 花束はありませんが、とにかく火薬ピストルで警戒音を鳴らしながら登りました。
熊の出没がとても多い戸隠山。実際に以前にこのP1尾根下部ではクマの遭遇して威嚇されたことがありますし、蟻の塔渡りコースでも何度か目撃しているので戸隠山では本当に要注意です。


無念の峰のギャップを通過します。


ミネウスユキソウ
とにかく咲きまくっていました。


西岳P1に登頂! 
先ずはおめでとうございます!


しかし、ここから先が長い・・・
西岳と本院岳を正面に望みながら高山植物咲きまくりの稜線を歩きます。
とにかくニッコウキスゲとギボウシの多さといったらちょっと有り得ないくらい咲いてましたよ~


西岳登頂!
ここが戸隠山の最高峰なのです。


続いて本院岳登頂!


最後の峰の八方睨を望みます。
まだまだ遥か遠いですね~




これでもか! というくらいのアップダウンを経て八方睨に登頂。
蟻の塔渡りコースを辿って下山です。


途中の長い鎖場ではそのまま下ってもツマラナイので懸垂下降の練習をしていただきながら下降しました。


早朝に出発した鏡池まで戻ってきて屏風のように立ちはだかる戸隠山を眺めます。
今回の山行を無事に終了しました。
お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。









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