9/22~24は、岐阜県に在住のMさんをお連れしての両神山へのガイドでした。 日本百名山にも選ばれている名山ですが久しぶりに訪れました。 強力な台風15号の被害を受けないか心配でしたが、ちょうど具合良く抜けてくれて爽やかな秋山登山が楽しめました。
少し高曇りの天気で、遠くの山々を眺めることができました。日本百名山の甲武信ヶ岳方面を望みます。
今回は東山麓の町、小鹿野町の宿をベースに登山をしました。 初めて泊まらせて頂きましたがとても感じが良く、料理も抜群!、温泉も良い、素晴らしい宿でした。
小鹿野温泉「須崎旅館」
先週まで北アルプスを中心にガイド続きで忙しいばかりの毎日でしたが、その後はキャンセルや荒れ模様の天気の影響などでガイドに出ない日が続いていてちょっとゆったりした日々を過ごしています。
まあ、こういう時は普段なかなか出来ずにいることをするようにしています。
装備のメンテナンスや片付け、ホームページの更新、公募企画作り、案内書類やチラシの作成、もちろん山行お誘いの営業活動などなど・・・ しなければならないことで一日はあっという間に過ぎてしまいます。 もちろんプライベート的なこと、例えば買い物に出かけたり、録画しておいたテレビ番組をみたり(特に『渡る世間は鬼ばかり』は絶対に欠かせないのです!)、当然山に出かけたり、プライベートウォールを登ったり、ちょっとした筋力トレーニングも行うようにしています。
それで、たまにこういう時間に余裕のある時の大事な行事として、大好きな洋菓子を食べに行くことも多いです。 先日はお気に入りのフランス菓子店「ガトー・ド・ボワ」へ行ってきました。 洋菓子の世界コンテストでチャンピオンに輝いたことのあるオーナーシェフが経営のお店なのですが割りと地元近くにあるので最も多く出かけるお店です。
今回頂いた『ブラジエンヌ・エス』というケーキ。
今年は創業29周年とのこと。地元の奈良はじめ、とても遠方からも買いに来られたり、注文が入る人気店で、一時期は5、6店まで店舗を増やして営業展開をされていたのですが、シェフが追求する「品質」を保つことが難しくなり、「品質第一主義」を優先するために敢えて思いっきり減らして現在は2店舗のみで営業されているのです。 世間的には大きく営業展開している企業ほど「素晴らしい企業」と見られる風潮がありますが、それとは真逆で敢えて非常に小規模経営を行い「職人として常に一流を追求し続ける」熱いポリシーに基づいて経営をされています。どちらを好むかは個人的嗜好性の問題もありますが、僕のような『人の命を預かる』山岳ガイドという仕事にとってもやはり「品質」=「安全」こそ最も優先すべきものであり、だからこそ分野は違ってもこのシェフのような熱いポリシーと姿勢こそ見習うべきものであると実感しています。そういう意味でも単に洋菓子を食べるために行くだけではなく、常に大きな刺激がもらえる場所であり、刺激がもらえる時間でもあるのです。
穂高ガイドに続いて9/13~15は今シーズン2度目の源治郎尾根ガイドでした。 朝一番の暗いうちに450mも下降して取付き、山頂まで1000m登るという体力の要るハードなコースですが、剱岳山頂に直接登りつめる素晴らしいバリエーションルートです。 剱岳に魅せられた人なら一度は登ってみたいと憧れる日本を代表するバリエーションルートなのです。
本日の宿泊先の剱沢小屋へ向かいます。前方には明日めざす剱岳が聳えます。
さあ! 天気にも恵まれて源治郎尾根の登攀です。 途中の3級程度の岩場を登ってくるYさん。足下には剱沢雪渓が素晴らしい高度感で広がります。
源治郎尾根Ⅰ峰から望む剱岳本峰。まだまだ遠くに聳え立ちます。気力勝負ですね!
今回のメインイベント! ザ・懸垂下降です! Ⅱ峰から30mの懸垂下降でコルへ下り立ちます。 まるでレンジャー部隊のようです。カーッコイイ~
頑張りぬいて剱岳山頂に到達です! 京都からご参加のYさんはまだ昨年登山に目覚めた「うら若き(?)」女性です。初めての剱岳をそれもバリエーションルートからの登頂は見事です! よく頑張って登りましたね~ パチパチ!
3日目はノンビリ起きて下山です。 剱沢小屋からは朝日に染まる剱御前と、この時間でも尚煌々と輝く月に魅せられますね。
剱岳も輝きはじめます 苦労して登った山を眺めていると満たされた幸せな気分に浸りますね。
近くの小池に映る「逆さ剱」
別山乗越から立山、室堂、そして遥か遠くに槍・穂高連峰を望みます。 秋の爽やかな風に吹かれながら気持ちよく下山しました。