先日、たま~に立ち寄る古本屋を覗いてみましたら、以前から欲しいと思っていた偉大なるレジェンドアルピニストであるクリス・ボニントンの名著「わが青春の登攀」を見つけました。

1975年に刊行された古い書籍でありますが前から読んで見たかった名著だけに興奮しながら読み進めています。
僕はこれら古い山岳名著が大好きで今までにもかなり読破してきていますが記述されている文章や単語、また登攀記録に関することなどもとても古く現在においては既に使われることのない技術や装備なども多く登場するので若い世代の登山者には敬遠されることも多いこれらの古い書籍ではありますが、それでも本気のクライミングや登山をめざしている方々には是非とも読んでいただきたい、読んで損はないと思います。
フリークライミング技術において現在と比べて格段にレベルの低いグレードしか登られていなかった当時(約50年~70年前とか)において成された山岳登攀(アルパインクライミング)の数々の中には現在においてもこれらを行える人間が果たして世界中にどれだけいるのか?というものが沢山あります。
例えば1950~60年代にかけて活躍したイタリアの英雄的クライマーのワルテル・ボナッティが1965年に成し遂げたマッターホルン北壁直登ルートの冬期単独初登攀などは登攀技術の発達した現代においても行える人間は世界中にも殆どいないのではないでしょうか?因みにフランスのレジェンド女性クライマーのカトリーヌ・デスティベルが1994年に同ルートの冬期単独登攀を成功させています。
良いことも悪いことも含めて常に歴史の積み重ね、延長線上に現在があります。歴史を過ぎ去った過去の出来事として捉えるだけでなく、現在から未来へ向けてこれからの進むべき方向性やめざす目標点、考え方などを見つめ直す為にもこのような歴史に名を刻んだ名クライマー、名アルピニストが遺した著書から学ぶことは沢山あります。是非ともこれら古い山岳名著を多くの方々に読んでいただければと思います。

熱く、楽しくいこう!