熱く・楽しくいこう!

山岳ガイド 江口正徳の仕事と日常

ジャンダルム

2010-09-30 11:02:04 | ガイド山行/バリエーションルート登山

9/26~29 でジャンダルムのガイドでした。

北海道からご参加のTさんにとってジャンダルムは登山を始めて間もない頃から憧れ続けていた、まさに「夢の頂」。 それだけにガイドする僕にとってもなんとしても登って頂きたいという思いが最高潮。 今回、ジャンダルムへ向かう日がちょうどバッチリ雨天。これでは動くわけにはいきません。ということでそこは落ち着いて穂高岳山荘に停滞。おかげで翌日は大快晴の中でジャンダルムに登っていただくことができました。Tさん、本当に良かったですね。おめでとうございます!  「念ずれば通ずる」ですね!

目指すはジャンダルム

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難所「馬の背」を通過して余裕のポーズ!

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念願のジャンダルムの頂。こんな素晴らしい天候の下、360度のパノラマと共に立つ山頂。苦労して登った者だけが味わえる別天地です

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目の前に連なる西穂への稜線の美しさに目を奪われます。でも天狗のコルまではまだまだ気の抜けない岩稜帯が続きます。落ち着いて行動することが肝心ですね。

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下降は天狗ノコル~天狗沢経由で岳沢、上高地へ。途中停滞1日の合計4日間の周回コース。いい登山でした。


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こんなんでいいの?

2010-09-21 10:31:58 | うんちく・小ネタ

先日のガイド山行中の出来事。

激しい雨の為にその日は予定を変更して山小屋で「完全停滞日」ということで談話室でストーブにあたりながらノンビリ過ごしていました。そこへ、「すみませ~ん、雨宿りさせてくださ~い」との登山者の到着。続いて大勢が続々と登山靴を脱いで山小屋内に上がってきて、談話室は急に賑やかになった。感じからするとなにやら登山ツアーの様子。するとその登山ツアーの中の「ガイド」らしき人物が、「登山コースのことを教えてほしい。これから〇〇行くんだけど〇〇コースは雨では危ない?水流を渡る所はあるの?水が増えても渡れそう?稜線はどんな感じ?」などなど山小屋スタッフに質問責め!(知らないどころか、全く調べてない感じ。感じからして素人) おまけに女性参加者の一人がストーブでズブ濡れになった衣服を乾かしながら、僕たちに向かって「なんでこんな土砂降りの中、登らなきゃならないの!? でもツアーだから行かなきゃならないんですよね~。もうツアーなんか二度と参加しない!」などとブツブツ愚痴を溢す始末(そんなこと僕達に言わないで、ツアー会社に言ってくださいよ~)。 どこのツアーなんですか?と聞いたところ、なんと「〇〇トラベル」とのこと。 昨年、日本登山史上最悪とも言われた「トムラウシ遭難」を巻き起こし、8名もの死者を出した会社ではありませんか。結局な~んにも改善されず、同じことを繰り返している。 挙句の果て、添乗員がガイドに対して放った言葉が印象的だった。「雨に濡れるのはショウガナイッすよね!まあ死にさえしなきゃいいんですよね~」  本当に殴り倒してやりたい気持ちだった。

その後、むしろ酷くなる激しい雨の中、2900mの稜線を目指して山小屋を出発していきました。彼らが去った後、再び静けさが戻った山小屋に残されたのは、彼らがレインウェアも脱がずに山小屋内で休憩した為にビショビショになった床や廊下と座布団でした。

こんなんでいいの?


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長旅! 北アルプス 鷲羽岳・水晶岳・三俣蓮華岳・双六岳

2010-09-21 09:57:37 | ガイド山行/一般登山

9/13~19 で岐阜からご参加の常連お二人様をガイドして黒部源流から水晶岳、鷲羽岳などの北アルプス最奥部を巡ってきました。



僕は登山には「旅」という言葉を使うのは好きではありません(特に「山旅」など)。ですが今回ばかりは敢えて使います。6泊7日はまさしく「長旅」でした。一般的なプランなら3泊4日程度で十分なコースですが、年齢、体力、経験を考慮して今回のような長旅山行としました。やはり例え国内の山行であってもネパールトレッキングのように「ゆったりと」「景色を楽しみながら」「のんびり歩く」ような山行も有りだと思います。各人ごとの嗜好に合せてた楽しみ方、取り組み方ができるのも登山の魅力なのですから・・・ネ!



ということで途中で1日間の悪天候停滞日がありましたが概ね順調に北アルプス最奥部の山々を存分に味わっていただけたようです。お腹いっぱいの山行でした。



雄大な鷲羽岳も山頂はたった一点の頂き。登ってこそ味わえる充実感ですね。



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槍ヶ岳を背にして登るダイナミックさが最高です。



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黒部川源流を眼下に鷲羽岳・ワリモ岳・水晶岳、そして雲の平・・・と連なる山々。この雄大さと奥深さが一番の魅力なのです。



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鏡平からは槍・穂高連峰が朝日を背に輝いていました。「ダイヤモンド槍」といった感でしょうか??



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お二人さま、大変な長期間の山行お疲れ様でした。下山後の6日振りのお風呂は最高にサッパリして気持ち良かったですね!




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西穂~ジャンダルム~奥穂

2010-09-21 09:30:54 | ガイド山行/バリエーションルート登山

9/10~12 西穂~ジャンダルム~奥穂のガイドでした。今回の参加者は三重県伊勢市からご参加のTさん。1名キャンセル者があったのでマンツーマンでの山行となりました。「日本最難の登山道」などどいわれ、約10時間もの長時間を森林限界の岩稜帯で行動するこのコース、当然天候が最も気になるところです。今回も最高の晴天に恵まれて比較的スピーディーに行動できました。やはり何回通っても毎回充実した気分が味わえる好ルートです。

ピラミッドピークからの独標・焼岳・乗鞍岳の山並み。稜線を渡る雲川が美しいですね。

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「ロバの耳」の岩峰。通るたびにいつも思うのですが、こんな所を「登山道」にしておいて良いのでしょうか? 

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憧れの「ジャンダルム」を越えてあと一息! まさに岩の殿堂ですね。

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奥穂山頂に到着~!! 長い行動をお疲れさまでした。でも疲れた肉体と精神には穂高岳山荘までの下りも気が抜けません。最後まで気をつけて行動しましょう~

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2010-09-07 09:37:50 | ガイド山行/一般登山

9/2~5はツアー会社の依頼で槍ヶ岳ツアーのガイドでした。一体いつまで続くねん!と叫びたくなるくらいの猛暑続きですが、3000mもしっかり真夏の暑さでした。これだけ暑さが続くと今冬は反動で猛烈な厳寒になってしまうのではないかと心配です。



ということで、14名の参加者を少しでも安全に行動してもらう為、槍の穂先のピストンでは手すり用のフィックスロープを張ったり、手取り足取りサポートする為に行ったり来たりを繰り返しましたが、槍ヶ岳山荘に戻って来た時にはさすがに精神的にすっかり疲れてしまいました。大人数のツアーでこのような危険度の高いコースにおいては「ガイド=安全を確保するのが第一」というのが非常に難しいですね。北鎌尾根や北尾根などを2名位のお客さんを連れてガイドする方が余程安心してガイドできるのです。   我々のツアーは丸腰!、ほぼ同時に行動していた某旅行会社ツアーは全員ハーネスとランヤードを着けて行動していました(これさえも危ない面もあるのですが・・・)が、でもツアー会社によって異なるこの対応の差!このような措置だけとってもツアー会社の姿勢(安全対策に対する認識はどの程度か?)が伺えますね。ツアーにご参加される方も単に料金や宣伝文句、会社のスタッフが優しいから等々・・・という変な理由からではなく、如何に安全について真剣に考えている会社か?」。その辺のことをよく検証した上でツアー会社を選ぶことこそ必要ではないでしょうか。毎日毎日起こっている山岳事故。明日は我が身かもしれませんぞ~! 







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猛暑続きでも、山には少しづつ秋がやってきていました。



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