熱く・楽しくいこう!

山岳ガイド 江口正徳の仕事と日常

岩場行動技術講習(ステップ1/基本編)

2022-07-28 10:23:11 | 講習
7月27日は、岩場行動技術の基本編の講習を行いました。

京都の金毘羅山の予定でしたが、午前中から雨が降り出すと予想されたので六甲山の芦屋の岩場に変更しての実施でした。
前半はゲートロックで基本の基本から念入りに練習開始。安全で確実な動作での登りと下りの技術を何回も何回も反復練習。
後半はより応用的に岩場で必要な技術を練習しながら地獄谷を遡上してA懸岩へ。
A懸岩でもやはり登りと下りの技術を繰り返し練習していただき、最後の〆に岩場の下降技術を練習しながら地獄谷を下降して終了しました。
とても蒸し暑い一日でしたが、皆さん本当によく頑張ってくださいました。


先ずはゲートロック下段で登り下りの反復練習。基本の基本を繰り返し繰り返し何度も何度も練習です。




皆さん動きがかなり良くなってきたので上段の岩場をトップロープで登り下りの練習。皆さん4回づつ登っていただきました。

後半は岩場で必要な技術を練習しながら地獄谷を遡上




滝は水流も豊富で清涼感を味わいながらの遡上です。


途中から岩稜コースに移って風の抜ける気持ち良い岩峰上でひと休憩。
西宮~大阪市街地を眺めます。




A懸岩でまたまた登り下りの反復練習。






ここでも懸垂下降を合わせて4往復の登り下り。


最後に岩場の下降技術を練習しながら地獄谷を下降。
ようやく一日を終了しました。
皆さん本当によく頑張りましたね。
お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。








熱く、楽しくいこう!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八ヶ岳 赤岳 天狗尾根(岩稜直登ルート)

2022-07-25 10:32:41 | ガイド山行/バリエーションルート登山
7月23日~24日は、八ヶ岳東面を代表するバリエーションルートの天狗尾根をガイドしてきました。

上部には遠くからでも確認できる鋭い岩峰群を連ねて聳える天狗尾根ですが一般的にはそれら全ての岩峰は巻道を辿っての迂回ルートで登られています。当方ではいつもの通りそれらの岩峰群(小天狗は危険すぎるので省く)を岩稜通しの云わば「岩稜直登ルート」で登って赤岳登頂、そして頂上山荘泊。翌日は当初の予定の真教寺尾根はやめて、キレット経由のツルネ東稜を下降するコースで回りました。
初日はガスの多い天気でしたが時折りスカッとガスが切れて鋭い岩峰群と赤岳東面の雄大な景色を存分に堪能しながら登ることが出来ました。またコース全般では高山植物の花々も沢山見ることができて目も楽しませてくれました。本当の意味での「梅雨明け」の夏山を楽しめた2日間でした。


石伝いの渡渉を5、6回経て出合小屋へ到着。
冬季も含めてたまに利用させていただく頼もしい避難小屋です。


出合からはやはり渡渉で赤岳沢へ入ります。


途中から天狗尾根に取付き、樹林帯の急登の連続を経てようやく岩峰群までやってきました。
登攀準備を整えて先ずはカニノハサミの岩峰からスタート。


ハサミの股の部分を登ります。


孤高のクライマー健在!
ずっと昔から登り続けています! というか自然が作り出した奇跡ですね!
どこのあるかは秘密ですけどね。


チシマギキョウ
コース全般で咲き狂ってました。


下部岩壁、30mの岩壁をドンドン登ってナイフリッジを越えます。
少し下に巻道がありますが岩稜上を辿ってこそ楽しさ倍増!


ニセ大天狗!(前衛峰)
右奥ガスの中に本当の大天狗が顔を覗かせています。 


前衛峰テッペンからは大ボスの大天狗が目の前に聳え立ちます。
ここも下部のボロ岩リッジからスタートしてずっと岩稜通しを登ってテッペンへ!


ボロ岩リッジの途中に咲くタカネナデシコ


ミネウスユキソウ
ミネウスユキソウにしては珍しく如何にもエーデルワイス的な姿で咲いていました。






急な凹角を突破して大天狗テッペンへ!
危険なの箇所なのでショートロープスタイルではなく、ちゃんとロープ1本に1人づつ繋いで登ります。






大天狗テッペンからは懸垂下降
皆さん上手に無事に下り立って一安心。


小天狗めざして更に上部をめざします。
この岩峰を左根本までは岩場を直登して最後のトンガリは余りに脆いので省いて通過です。


登山道に合流して天狗尾根終了~
小天狗と大天狗を見下ろします。


この後、登山道を辿って赤岳登頂!
天狗尾根では一人の登山者に出会っただけなのに赤岳山頂は人で溢れ返っていていつもながら圧倒される思いでした。
この後、頂上山荘に着いてゆったり過ごして一日の疲れを癒しました。


翌朝は綺麗な晴天!
阿弥陀岳を眺めながらキレットコースを進みます。
先週は阿弥陀岳南稜から天狗尾根を眺めましたが、今回は天狗尾根からの阿弥陀岳南稜でした。


キレットを下りきって展望地から赤岳方面を眺めます。
登った天狗尾根の鋭い岩峰群。あれを岩稜通しに登ったと思うととても感慨深いですね!


さらに進んでツルネからの赤岳南面の眺め。
下りてきたキレットの岩場と立場側奥壁、そして竜頭峰と赤岳・・・
僕が八ヶ岳で最も好きな景観を綺麗に望むことができました。


この後、ツルネ東稜を下降して出合小屋を経て出発地の美し森山登山口に帰着。
2日間の山行を無事に終了しました。

お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。








熱く、楽しくいこう!








  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北アルプス 奥穂高岳 南稜

2022-07-19 13:34:31 | ガイド山行/バリエーションルート登山
7月17日~18日は、奥穂高岳南稜をガイドしてきました。

雨の3連休の予報でしたが可能性を信じて入山。結果的に上手いタイミングで登ることができました。


上高地から穂高を望みます。


梓川沿いから眺めた時に岳沢雪渓上のちょうど南稜取付き付近に大きな土石流跡を発見!
長雨が続いているので土石流が発生したのでしょう。少し心配しながらの入山です。


岳沢に到着。上部は雲がかかって山は望めませんね。
途中から本降りになったので雨の入山となってしまいました。
この後、夜まで降り続きました。

良いタイミングで天気が回復したので午前3時30分に岳沢を出発。南稜を目指しました。
心配した土石流跡はやはり大量の土砂が流されてきていて取付き付近の雪渓を渡った個所は浮石が沢山乗っかった微妙な状態になっていました。


南稜下部では前日の雨で濡れた藪をビショビショになりながら通過してきてようやくホッとできる場所まで到着。美しい高山植物に癒されました。
シナノキンバイ


ハクサンチドリとハクサンイチゲ


クロユリも沢山


南稜核心部のトリコニーの岩場に取付きます。
まあ僕的には南稜の核心部はある意味下部の藪漕ぎかと思いますけどね・・・


モノリス岩めざして




岩が乾ききっておらずツルツル滑る岩に用心しながらの登りです。


上高地、そして霞沢岳、焼岳、乗鞍岳と遥か山々を望みます。


トリコニー1峰の頂稜を通過します。奥は明神岳主稜


コイワカガミとアオノツガザクラ


途中の一か所をロワーダウンで下降してもらいます。


南稜の頭に到着! 南稜終了です。

少し時間も押していたので奥穂には向かわずにそのまま吊尾根を紀美子平に向かいました。


雷鳥の親子


ニッコウキスゲの群落


重太郎新道を下山してきてキャンプ場付近から南稜とトリコニーの岩場を望みます。


岳沢からの帰路、綺麗な穂高の全景を望むことができました。

終始ガスこそかかっていたので快適とは言えませんでしたが雨に遭わずに南稜を登っていただくことができて良かったです。
お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。








熱く、楽しくいこう!








 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八ヶ岳 阿弥陀岳 南稜(P3直登ルート)

2022-07-19 13:03:00 | ガイド山行/バリエーションルート登山
7月16日は、八ヶ岳を代表するバリエーションルートの阿弥陀岳南稜をガイドしてきました。

数あるバリエーションルートの中でも超クラシックルートの阿弥陀岳南稜はずっと昔から登られているだけあって殆ど登山道に近いような感じで登ることができるバリエーション入門コースです。しかし特に核心部的な岩峰のP3やP4を通常ルートを避けて登ると一気に登攀的なルートになります。
今回もやはりP3は直登ルートから登り、さらにP4は途中から岩とガレを越えてピークまで直登するコースから登りました。
ちょっとした工夫でスパイスの利いたルートに変化。
全く信用のならない当てにならない天気予報に右往左往されてても馬鹿らしいので予定通り出発。結局行動中は一滴の雨にも遭わず、それに時々日差しも望める快適な天気の下で順調に登って下ることができました。
いつ登っても楽しい阿弥陀岳南稜でした。


綺麗なハクサンシャクナゲが咲き誇る阿弥陀岳南稜の下部を登ります。
それにしても今までになかなか出会ったことがないくらい大量に咲き誇っていました。


程良く登って立場山
ここまでは普通の登山道です。


無名峰から赤岳と天狗岳核心部の大天狗を望みます。格好良すぎです!


足元にはツマトリソウ


南稜核心部めざして登ります。


シコタンソウ


P3を望みます。
左のスカイラインが直登ルート


ミネウスユキソウとキソチドリ




直登ルートを登ります。


続くP4
岩を抜けて上部は激ガレ登り!


最後の阿弥陀岳(P5)まであとひと登り!


阿弥陀岳登頂! おめでとうございます!
やはりバリエーションルートからの登頂は格別ですね!

下りは御小屋尾根を経て下山しました。


ヨツバシオガマ


摩利支天


舟山十字路に下りてくるとシモツケソウが群生して咲いていました。
無事に下山し終えて一日の山行を終了しました。

お疲れ様でした。
ご参加ありがとうございました。







熱く、楽しくいこう!








  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花と岩の南八ヶ岳 大同心稜~横岳~赤岳~阿弥陀岳縦走

2022-07-19 12:12:52 | ガイド山行/バリエーションルート登山
7月13日~14日は、花と岩を楽しみながら南八ヶ岳を代表するバリエーションルートを登り、その後は縦走に繋げるという遊び心満載のコースをガイドしてきました。

梅雨に戻ったような雨続きの鬱陶しい毎日が続いていますが丁度良いタイミングで殆ど雨にも殆ど遭わずに花と岩を存分に楽しみながら巡っていただくことができました。
いつもより写真が多めですが雨続きで鬱陶しいので彩を添える意味からも花の写真を沢山載せてみました。楽しんでいただけば幸いです。


駐車場に停めて登山開始。いきなりヤマオダマキのお出迎えです。


ギンリョウソウ


イチヨウラン
とても珍しい花なので一輪だけ発見できました。


クリンソウ


ヤマオダマキ
前へならえ!


テガタチドリ


クルマユリ
花弁がまだ巻きってませんね。


冬以来の赤岳鉱泉に到着~
あいにく山は雲に隠れて見えませんね~


大同心沢を少し歩いてバリエーションルートの大同心稜に取付きます。


キソチドリ
緑色なのでなかなか上手く写せませんでした・・・


オサバグサ
八ヶ岳を代表する名花です。


ゴゼンタチバナ


ハクサンシャクナゲ


大同心基部まで登ってきました。


イブキジャコウソウ


クロユリ


ムシトリスミレ


大同心基部をトラバース


ちょっとした岩登りをこなしながら上をめざします。


チョウノスケソウ


ミヤマオダマキ


なかなかの高度感も出てきて楽しい登りです。
適度な岩場が続く大同心稜はバリエーションルートの入門コースとして本当に楽しめるコースです。


大同心をバックに上部を登ります。


ミヤマシオガマ


オヤマノエンドウ


横岳登頂!
何回も登られてますが取りあえずおめでとうございます!


コマクサ
そこかしこに咲きまくってました。


越えてきた横岳を眺めます。


赤岳と今日のお宿、天望荘を望みます。
この後、天望荘についてゆったりと寛ぎました。

翌朝は流石に雨が降り出しそうなのでレインウェアを着て出発。
雨が降らない間に花の写真を写しながら登ります。


ミヤマダイコンソウ


ハクサンチドリ


赤岳登頂!
本当に何回も何回も登られてますがおめでとうございます!
この後、本降りになりそうなので阿弥陀岳へは行かずに文三郎道を下山しました。


イワベンケイ


文三郎コース上部もガスがかかるとなんとも幻想的で迫力ある姿ですね。

行者小屋の10分くらい手前まで下山してきて本降りに!


それでも赤岳鉱泉まで下山してくると雨も止んで今回辿った大同心稜~赤岳のほぼ全容を望むことができました。


ミヤママンネングサ


登りの時はまだ花弁が巻き込んでなかったクルマユリ。すっかりカールして綺麗な姿になっていました。

この後、美濃戸に下山して今回の山行を終了しました。
お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。








熱く、楽しくいこう!










  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする