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山岳ガイド 江口正徳の仕事と日常

立場

2018-01-12 12:07:30 | うんちく・小ネタ
よくガイドする阿弥陀岳南稜というコースがあります。

その山の中腹に「立場山」という樹林に囲まれ、景色、展望も殆ど得られず、特に目立った特徴もない山があります。
いつも何も考えることもなく小休止だけして直ぐに後にする山頂ですが、年末の山行時になんとなく「立場山」「たちばやま」・・・と頭の中で繰り返している内に「立場」「立場」・・・ 果て、自分の立場ってなんだろう?と考えていました。

よくガイド業務をしていると参加されるお客様から「山岳ガイドさんってほんとスゴイですよね!」「さすが山岳ガイドさんですよね」「どこそこのガイドさんって○○ですよ~!」などというお話をされます。確かに最近テレビ番組や雑誌などで取り上げられることの多くなったガイドという職業人に対して憧れや称賛の気持ちを持たれることは自由なのですが、ちょっと捻くれた僕としては??? 「お客さんってガイドと過ごしたくて山に来てるのかな?」「主役はガイドかいな!?」「もっと山そのものを見ましょうよ!」という気持ちになってしまうのです。

そこでさっきの立場の話に戻って、確かにガイドさんも個々人様々な考えの上で仕事に就かれています。例えば「ガイドは芸者であるべき!」「ガイドはホストと一緒や!」「魅せてなんぼや!」などなど・・・ それぞれのガイドさんが様々な考えのもとで仕事をされることは個々人にお任せして、僕個人としてはガイドという職業はあくまでも「黒子」「裏方」でありたいと思っています。
「なんと言っても主役はあくまでも『山』そのものであり『お客様』である」そして「ガイドはその間に立つサポート役に過ぎない」
なぜそう思うか? それは山あってこそ山に向かう人が居て、その結果にガイドという職業も存在する訳であるからです。
だからこそ登山者なら、とにかく山に来たなら山を見ましょう!と強く思います。




















山があってこそ仕事させてもらっています。だからこそ「黒子」であり「裏方」なのです。
だから、目立ってはいけない、目立ちたくもない、目立つ必要も感じない、そもそも自分の性に合ってない。そしてずっとこのスタンスで行きたいな!と。

好きな歌詞にこういうのがあります。
♪~目立たぬように はしゃがぬように 似合わぬことは無理をせず~♪ 


これが僕の「立場」










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