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山岳ガイド 江口正徳の仕事と日常

岩場行動技術講習(ステップ2/実践編)

2024-08-29 10:00:22 | 講習
8月28日は、京都大原 金毘羅山で岩場技術の実践編講習でした。

午後から雨予報になっていたので催行判断を迷いましたが結局は雨に降られることもなく、また曇りがちの空で暑い照りもなく、終始心地よい風が吹き付けてくれて快適な一日でした☆彡

今回はご参加がお一人のみだったので今シーズンに目指されているコースに合わせた内容に切り替えて練習していただきました。
基本的なことからジックリ、ミッチリ開始して徐々に実践的な行動に移していくのですが、とても上達されて最初とは全く別人のような行動をされるようになったクライアント様でした☆彡

先ずは地味な地味な練習を繰り返し繰り返し行います。
とにかく先ずは一つ一つの技術についての理屈、理論を頭でしっかり理解した上で、次にひたすら反復練習することで体で理解する(覚え込ませる)ことが必要なのです。


登っては下りて、登っては下りて・・・ 納得のいかない動きは納得できるまで繰り返し行う。この地味なことの繰り返しこそが最も大切なのです。


基本的なことを徹底的に練習してかなり身に付いてきたので、実際の登山を想定したシミュレーション行動です。ザックを背負って岩尾根を登っていきます。


練習なので「どんな形でも登れればいい」というのではなく、「常に自分で納得できる登り方」を意識したながら登っていきます。


途中の小岩壁でトップロープで安全確保してやはり登り下りの反復練習です。


岩尾根を登って登って最上部


大原の里を眺めます。
暫く昼寝でもしたいくらいの気持ち良さです。


急なフェースをトップロープで登りの練習です。
登山靴で登ることによって技術レベルの底上げをしておきます。


流石に1回目は少々手こずられましたが、2回目はアッサリとクリア!
十分過ぎるほどの上達ぶりに驚きです。


一旦、急な岩場をクライムダウンしてから再度別ルートから2度目の登頂です。
これにて本日の「登る技術」の練習は終了~


続いて「下る技術」の練習をしながら下山開始です。


岩尾根を一切巻かずに全てクライムダウンで下ってきて最後の岩場を下ります。
これにて本日の講習修了~
朝から夕方まで本当によく頑張っていただきました。
大変お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。







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北アルプス 剱岳 源次郎尾根

2024-08-25 20:19:58 | ガイド山行/バリエーションルート登山
8月23日~25日は、剱岳 源次郎尾根のガイドでした。

剱岳はもちろん、日本を代表するバリエーションルートの源次郎尾根です。
天気に恵まれて思う存分、心行くまで満喫しながら登っていただくことができました。
今回は剣御前小舎をベースにしての登山だったのでよりハードな行程でしたがお二人の頑張りと熱い想いがあってこそ成し得た会心の登攀でした☆彡




剣御前小舎の階段は「後立山階段」といいます。一応、剱御前小舎の前から黒部川の対岸に連なる後立山連峰を模して形作られています。地味ですがユーモア心のある山小屋です。


夕方には剱岳の全景を望むことができました。
翌日の登攀が楽しみな一時ですね。


剣御前小舎を3時に出発してきて源次郎尾根取付点の平蔵谷出合に着きました。
早くも殆ど雪が無くなってとても通行できる状態ではありませんね。


源次郎尾根に取付いて途中から剣沢と真っ暗な中を辿ってきた地形を眺めます。


源次郎尾根の支稜を登っていきます。1峰がまだまだ高く遠く聳えています。


圧倒的な高度感を足下に支稜の岩場を次々と越えていきます。


カライトソウが沢山咲いていました。


源次郎尾根1峰からの八ッ峰主稜上半
以前はちょくちょくガイドしていましたが最近は取付きに至る雪渓のコンディションが悪すぎるので最近めっきりご無沙汰です。


2峰からの剱岳本峰




源次郎尾根と言えば懸垂下降!と言われるくらいのメインイベント的な30mの懸垂下降です。


懸垂下降した2峰の岩場を振り返り眺めます。


懸垂下降の後は山頂目指して上部岩稜を登っていきます。


剱岳登頂! おめでとうございます!
バリエーションルートからの会心の登頂でしたね!


北方稜線を眺めます。

山頂からは別山尾根を花と景色を眺めながらノンビリと下山しました。


アキノキリンソウ


タテヤマリンドウ


ミヤマホツツジ


剣御前小舎に帰り着いて夕方には再び剱岳の全景を眺めました。
前日の登る前と登った後では同じような景色を眺めても感じ方が全く違いますね。


大日岳方面の日没

最終日はノンビリ目に下山開始。


みくりが池


今回は3日間いて珍しくライチョウに一羽も出会わなかったので少々残念な気持ちで下山してきましたが、ターミナルに下山し終えて最後に遂にライチョウに出会えましたYO~!
ってなんでやねん!
これにて今回の3日間の山行を無事に終了しました。
お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。






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北アルプス 西穂~ジャンダルム~奥穂

2024-08-22 09:55:43 | ガイド山行/バリエーションルート登山
8月19日~21日は、西穂~ジャンダルム~奥穂コースのガイドでした。

日を重ねるごと、時間を追うごとに天気予報がコロコロと変わりもはや予報というよりも実況中継じゃん!とツッコミたくなる気持ちを持ちつつ迎えた今山行。特に縦走日の中日21日が特にヤヤコシくとても判断の難しい判断に迫られたのでした。
おまけに21日は大安「大いに安し(一日を通して良い運勢を期待できる)」というのに雨予報とはあまりに残念過ぎます!
大安というのに雨! これってダイアン・レインやん!


ダイアン・レイン(銀座じゅわいよ くちゅーる マキ CMより)
「~死ぬまで飽きないスリルをください~(CMキャッチコピー)」って確かにジャンダルム越えはなかなかスリル満点のコースではありますが・・・

という冗談はさておき少々心配をしながら迎えた今回の山行でした。
結論としては予定より1時間遅らせて西穂山荘を出発、小雨🌂→曇り☁→晴れ🌤時々霧雨と激しくする天気の中、頑張り抜いて見事に踏破されたお二人様でした☆彡
本当によく頑張られました👏


西穂山荘近くのお花畑は早くも秋の花々に変わってきつつあります。
サラシナショウマとトリカブトがいっぱいです。

翌朝は出発予定時刻はしっかり雨降りだったので止むのを待って1時間遅らせて出発しました。


日の出が焼岳を照らした幻想的な景色が眺めます。


独標からのピラミッドピーク、西穂高岳、そして奥穂高岳方面へと続く稜線を眺めます。


青空の下、西穂高岳登頂!
いよいよ本格的に縦走のスタートです。 


雨後の滑りやすい岩が多く、慎重に通過していきます。


間ノ岳めざして登ります。


トウヤクリンドウ


地味に、密かに、誰が書いたか間ノ岳


越えてきた間ノ岳を振り返り眺めます。


天狗岳めざして逆走スラブを登ります。


急なルンゼを下って天狗のコルに到着です。これにてようやく前半戦終了~


ジャンダルムめざして急登の連続ですが、岩が固く最も岩登り的な楽しさが味わえるポイントなのですが、流石に疲れも出てきてそう簡単には登らせてくれませんね。細かめに立ち休憩を入れながら登っていきます。


いよいよジャンダルム直下まで登ってきました。
テッペンでは3名の登山者が戯れていました。


ジャンダルム登頂! おめでとうございます~!
いやいや本当によく頑張って到達しましたね!
奥穂高岳方面も少し望めましたが、ガスガスなのが残念です~


ジャンダルムを越えてきて振り返り眺めますがやはりガスガス~




ウマノセを登ります。


遂に奥穂高岳登頂!
これにて西穂~ジャンダルム~奥穂縦走の踏破成功! 
本当によく頑張り抜きましたね! おめでとうございます!


奥穂高岳を後に穂高岳山荘めざして下山。
雷鳥の親子がウロチョロ姿を見せてくれました。


夕方にはガスも切れて、穂高岳山荘裏からジャンダルムの雄姿をしっかり望みました。


翌最終日は絶好の日の出を迎えました。


数日前に登った前穂高北尾根を眺めながら涸沢に向けて下山です。


シナノオトギリ? イワオトギリ?


パノラマコース経由で涸沢に下山、涸沢槍を眺める代表的景観の場所です。
チングルマのピンク色した穂がビッシリでとても綺麗でした。


因みに8月の上旬に同所を通った際はチングルマの真っ白な花が真っ盛りでした。


徳沢園まで下りてきて立ち寄り休憩です。
上高地までまだ2時間残っていますが、徳沢園名物のコーヒーソフトで締め括りです。
ビターなコーヒーと甘さ控えめのミルク本来のソフトが合わさった格別の味わいです。今シーズン3回目でしたが飽きることのない美味しさです。


お猿のファミリーが戯れていました。

この後、上高地に下山して今回の山行を無事に終了しました。
お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。






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北アルプス 前穂高岳 北尾根

2024-08-22 09:16:33 | ガイド山行/バリエーションルート登山
8月16日~17日は、前穂高岳北尾根をガイドしてきました。
日本を代表するバリエーションルートの一つとして登山者に大人気のルートです。穂高の本格的なバリエーションルートは初めてのクライアント様でしたが天気にも恵まれて北尾根登攀を存分に満喫しながら登っていただきました☆彡


涸沢に到着して山々を眺めながら寛ぎタイム


翌日にめざす北尾根を眺めます。


3時40分に出発、5.6のコルに着いていよいよ登攀開始。
先ずは5峰を登っていきます。


常念岳方面から日の出を迎えます。


5峰からの次なる4峰を眺めます。


岩間にはあちこちで可憐なイワギキョウが咲いていました。


遠くに槍ヶ岳をバックに4峰を登ります。


4峰頂上からの3峰の眺め


奥穂高岳方面を眺めます。奥穂高岳、ロバの耳、ジャンダルム、コブ尾根の頭、そして左奥に低く天狗岳、間ノ岳、西穂高岳・・・と岩峰群が連なる様は圧巻です。


前夜に知人のパトロールから聞いていた遭難者の救助にヘリがやってきて救助作業中です。


北尾根核心部の3峰を登ります。


続く岩場を奮闘されながらもグングン登ってこられます。


3峰テッペンからの続く2峰


涸沢を遥か足下に2峰を登ります。


2峰テッペンからの最後の1峰(前穂高岳)


2峰テッペンからの下りは通常はロワーダウンで下りていただくのですが、前夜涸沢で懸垂下降の練習をしていただいたので折角なので懸垂下降で下りていただきました。


遂に前穂高岳登頂! おめでとうございます! 本当によく頑張りましたね!👏


前穂高岳を後に下山です。
重太郎新道はお花で溢れていました。ウサギギク


クロトウヒレンもいっぱい!


岳沢小屋まで下りてきて立ち寄り休憩。
上高地までまだ2時間残っていますが、岳沢特製手作りティラミスで今回の山行を締め括りです。
この後、上高地へ下山して今回の山行を無事に終了しました。
お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。






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岩場行動技術講習(ステップ1/基本編)

2024-08-14 20:38:09 | 講習
8月14日は、京都 金毘羅山で岩場技術の基本編講習でした。

京都市街地は38度の猛暑予報の一日でしたが、大原は少し涼しく34度、金毘羅では木陰の多い岩場を選んだので何とか許容範囲で動くことができました☆彡


先ずは岩場下部で基礎技術の反復練習です。


ドンドン動きを加えていって四方八方を動き回ります。






後半は実際の登山を想定してのシミュレーション行動。
ザックを背負って岩尾根を登っていきます。


高度感のある小岩壁も確実な安定した動作で越えていきます。


ワイケンの頭から夏真っ盛りの大原の里を眺めます。


登った岩尾根を慎重に下山していきます。


最後の岩場を下りきって終了~


と言いたいところですが、最後に懸垂下降の練習です。

しっかり動いてガッツリ汗をかいた一日でした☆彡
お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。







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