5/5~6、即ち昨日から今日は霞沢岳ガイドの予定でした。昨日朝、予定通り上高地で集合したのですが益々天候予報が悪く変わってきていて、アタック予定の本日はかなり大荒れする予想。 折角集合していただいたのに申し訳なかったのですが中止としました。 「徳本峠~霞沢岳間の行程の長さ」、「腐り雪による時間のロス」、「森林限界の雪の稜線での行動時間」などなどのコース自体の状況を天候が悪化した場合に重ね合わせると「危険」「困難」さが大き過ぎて出発することはできませんでした。これは「一登山者」としての考えと、お客さんを守る「プロガイド」としての意識からです。
帰路、車を走らせていると携帯へ東京の某新聞社から電話が。 白馬、穂高周辺で発生した遭難事故に対する山岳ガイドとしての見解を聞きたいとのこと。事故について詳しいことは全く把握していないので勿論お断りしましたが・・・。 大よそどのようなことが原因でどのようなことが起こったのかは予想はできます。しかしこの場でも敢えてコメントはしません。ただ思うところ「山はとても危険な場所」であり、だからこそ「登山は危険や困難を伴う行為」であり、ちょっとしたミスや準備不足が重大な結果に繋がる恐れのある場所や行為だということです。これはずっーと昔から「当たり前」に言われ続けていることです。ブームになって登山者が増えたからといって自然が優しくなったり、登山そのものが容易になることは有り得ません。また年齢にも配慮はしてくれません。『山はいつも無差別級』なのです。是非とも十分に注意して登山に臨んでいただきたいと思います。