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ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

Halo Of Blood/CHILDREN OF BODOM

2013-06-16 17:08:49 | 音楽
北欧はフィンランドが生んだ、メタル・モンスターとも言えるCHILDREN OF BODOM。
その通算8枚目のアルバム『Halo Of Blood』を聴いた。



ハッキリ言って個人的には、ここ数作の彼らのアルバムを素直に楽しめなかった。
退屈なアルバムでも1~2曲はキラー・チューンが入っているのがこのバンドの凄さでもあったが…。
ここに来てアレキシ・ライホ(Vo&G)やバンドのメンバーから「新作は原点回帰」的な発言があった。
しかし、それもファンとしては半信半疑(苦笑)。
ネットで公開された何曲か聴いても心は動かなかったが、CDショップの試聴コーナーで聴いて考えは一瞬で変わった。
そのまま本作を持ってレジに向かっていた(自嘲)。



確かに「原点回帰」と言えるのかもしれない。
ただ嫌味な言い方をすれば、これまでの今までのモダン・ヘヴィネス路線と、C.O.B本来が持つ初期の頃の音楽性(北欧らしさと様式美)。
その両方の相容れ難い路線の、実に巧い「落し所」と言えなくもない。
批判的な言い方をしたが、ここ数作の中で本作は最高の完成度を誇る素晴しいアルバムだと思う。
そう、単純にカッコ良い!!
下手なバンドがこう言った事をすれば、大概が自分達の劣化コピーになってしまう。
しかし、単に原点回帰を目指したのではなく、未来を見据えた新たな要素も加わっているのがC.O.Bというバンドの凄さ。
更に付け加えるなら、アルバムの「音作り」。
ここ数作にあったような乾いたグルーヴィーな音作りではなく、北欧のバンドらしく冷たく澄んだ音作りに戻ったのも大きい。
そしてアレキシ・ライホという男の持つ、底知れない天才的な才能が発揮されている。



自分がこのバンドにハマるキッカケは、その北欧ブラック・メタル的なサウンドと様式美の見事な融合があった。
北欧らしい冷たさと暴虐性、そこに加わる流麗なメロディ…本当に衝撃的だった。
フィンランドから飛び出て、世界的にアッと言う間に次世代を担うメタル・バンドの一つとなったC.O.B。
アレキシという男は案外自身が受けた影響、そしてメタル・シーンの動向に実は素直であり敏感なんだと思う。
本人たちが否定しても、「アメリカナイズ」されたサウンドに変化したのは事実。
そこにはアレキシの「ザック・ワイルドになりたい症候群」(微笑)、そしてシーンに次々登場する他のバンドとの差別化もあった筈。
「常に最新のメタル・バンド」という拘りは、結果的に初期に自身によって生み出した魅力の減退となった。
そして皮肉な事に、本家から減退していく初期の魅力に絶大な影響を受けた更に若いバンドの誕生と増殖につながっていく。
だからアレキシが考えて打ち出したサウンドこそが、この『Halo Of Blood』というアルバムに結実したのかと思う。
コレが大正解だった。



そして忘れる事が出来ないのが、C.O.Bを支える「もう一人の天才」ヤンネ・ウィルマン(Key)の存在。
ここ数作の中で、当然ながらその煌びやかなキーボードが目立っている。
C.O.Bと言えばヤンネによる例の「ジャン!」というオーケストラ・ヒットではなく、ギターとユニゾンで奏でるキラキラしたサウンドが重要だと再認識した。
以前の様にモロ様式美な感覚で、メロディーを奏でる事が無いのは少し寂しい。
しかし本作ではアレキシのリード・ギターが、今まで以上にメロディを奏でている。
この二人の天才を支える、ローペ・ラトヴァラ(G)、ヘンカ・ブラックスミス(B)、そしてヤスカ・ラーチカイネン(Dr)。
彼らという卓越したミュージシャンが居なければ、CHILDREN OF BODOMというバンドは存在しない。



これぞC.O.B!と思わせる“Waste Of Skin”、“Bodom Blue Moon”そして“The Days Numbered”。
ブラスト・ビートが炸裂し、邪悪さをぶちまける“Halo Of Blood”。
モロに初期のC.O.Bを彷彿とさせる“All Twisted”。
本作には素晴しい楽曲が収録されている。
ただ個人的に最も印象的だったのは“Dead Man's Hand On You”。
これまでの彼らの中で最もヘヴィなナンバーであり、陰鬱ながら美しいゴシック的要素も感じる。
敢えて誤解を招く言い方をすれば、この曲はC.O.Bにとって初めての「バラード」と言っても過言ではない。
この曲におけるアレキシのシンガーとしての成長は著しく、こう言った新たな楽曲に今後の更なる可能性を感じる。
素晴しいアルバムだと思う。
ただ、まだまだこのバンドには大いなる可能性が秘められていると実感した。
次作こそ、原点回帰ではなくブラック・メタルや様式美、モダン・ヘヴィネスを巧みに融合させた前代未聞の凄まじいアルバムが登場する可能性も高い。
まったく、本当に恐ろしいバンドだと思えるアルバムでした。



ほら、俺が手にした刃をよく見てごらん
自分の目に狙いを定めているだろ?
そして悪魔が嘘を見抜いて、俺を呼び出す場所を睨みつけている


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