ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
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怪獣王は救世主なのか?!

2014-07-27 13:49:05 | 本・雑誌
小説版『GODZILLA ゴジラ』を読んだ。

映画を観た直後だったので、その興奮のまま一気に読めてしまった。

映画のノベライズは映画を観た後で読むか、ネタバレ承知で映画を観る前に読むかで感想が全く変わってくる。
この『GODZILLA ゴジラ』に関しては前者、映画を観た後に読んだ方が絶対に面白いと思う。

この『GODZILLA ゴジラ』に関して「人間ドラマに比重が置かれ過ぎているが、そのドラマが弱い」と批判がある。
本作を読むと実に丁寧なキャラクター達の心理描写と、劇中には登場しなかったシーンの数々によりそう思わない。

今ネットでは本作には劇場公開版だけでなく実はディレクターズ・カット版が存在し、実は3時間の内容をカットして劇場公開版にした。
ソフト化された時に、ディレクターズ・カット版(完全版)もリリースされるのでは?…と噂になっている。
(昨年の『パシフィック・リム』でも同じ噂が流れてデルトロ監督にあっさり否定された:苦笑)。

もし仮にこの小説版に登場して、劇場公開版に登場しないシーンが撮影されていてカットされているなら。
何故そうしたのか?と言う、ギャレス・エドワーズ監督の意図も理解出来る。
劇場公開版はあくまでも観る側のテンポやリズムを重視した結果であり、ドラマ・パートは最低限に抑えたと解釈出来る。
ただ、実際に撮影していてカットされたのなら、もし劇中に挿入されていたら更にドラマはエモーショナルになっていたのでは?と思う。



(注意:ネタバレ炸裂!!)




まず冒頭のフィリピンでの採掘現場。
芹沢博士たちはそこで正体不明の巨大生物の化石化した遺体と、本作の重要な存在であるムートーの繭を発見する。
この小説版では、崩落現場の調査に向かう前に芹沢博士は事故の詳細を知る。
何よりここで放射線被害がもたらす恐ろしさが描かれている。
そして生存者達の酷い現状を見て心を痛めるシーンが、芹沢博士という男の存在が持つ信念もより鮮明になる。

そして主人公フォードとジョー親子の東京でのシーン。
確執を乗り越えて新たな道を模索しようとするフォード、その息子の申し出に感謝しながらも妻を失った事件の真相解明に取り憑かれるジョー。
身軽拘束された後、元発電所内で起きる惨劇の直前にジョーが語る事は物語において重要な事であり。
父ジョーが語った事やその後に起きる悲劇が、フォード自身を大きく変える事になる。

クライマックス。
決死の覚悟で死地に向かおうとする時、フォードと幼い息子サムとのシーン。
そして芹沢博士とフォードのやりとりは、観る側の心を揺さぶる様なシーンだったかと思う。

あと主人公であるゴジラ。
ハワイでのムートー(雄)との激突。
劇中ではTVニュースであっさり流されていたが、実際にはそのニュースはこの激突の凄惨さを伝えている。
そしてゴジラ、ムートーの及ぼす甚大な被害もしっかりと描かれている。
怪獣達にとって人類は眼中になく、ただ巻き込まれ死んで行く存在として描かれている。
ゴジラの放射火炎に関する解釈も興味深い。
実は何度も放射していたり、ムートーのEMP攻撃を受けてのゴジラの影響も実に興味深い描写が連続する。

こう言った描写が含まれたディレクターズ・カット版が存在するなら、ある意味劇場公開版よりも更にエモーショナルな作品になる可能性もある。

是非、映画を観た後に読んでみてください!!


PS:現在開催中のコミコン2014。
  そこでレジェンダリーからエドワーズ監督の正式な続投。
  更にモスラ・ラドン・キングギドラが、今後の続編に登場する事が発表されました!!
  また凄い事になりそうな予感がします。


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