興味津々心理学

アメリカ発の臨床心理学博士、黒川隆徳によるあなたの日常の心理学。三度の飯よりサイコセラピーが好き。

花火

2020-08-14 | 戯言(たわごと、ざれごと)
今朝、息子に朝食を食べさせている時の事です。

彼は冷たい水の入ったガラスのコップに指を入れて遊び始めました。

「◯◯、コップのお水は飲むもので、指を入れるものじゃないよ」

「◯◯、ゆびをいれてるさいちゅう」

「うん、そうだね。指を入れてる最中だね。冷たくて気持ちいいよね。でも落としそうだし、飲んじゃおうか」

「ゆびをいれてるさいちゅう」

やれやれと、ガラスのコップをフィンガーボウルのようにしている彼を見守っていたら、ふとした瞬間に手を滑らせてそのコップをフローリングの床に落としてしまいました。

ああ、もう! と一瞬思いましたが、幸いコップは割れておらず、なんとなく言葉を飲むと、彼は床に視線を落として叫びました。

「みずたまりがはなびになった!」

床に目をやると、確かに飛び散った水がまるで夜空の花火のようです。私は彼の感性に感銘を受けて、

「本当だね!床に溢れた水で水溜まりができていて、花火みたいだね!」

と言うと、彼は、

「はなび はなび!」

と嬉しそうです。

しかし私はふと我に返り、彼に言いました。

「水たまりが花火になったのは楽しいし、◯◯が喋るの上手になったのもパパとても嬉しいよ。でもほら、コップの水で遊んでいると落としてこぼしちゃうでしょ? 分かった?」

「わかんなーい」

彼はニコニコしながらそう言いつつも、何かが伝わっている感覚はありました。

リモートワークで片道2時間の通勤時間がなくなった事で、気づいたら随分とスローライフになっています。それでも瞬く間に過ぎる日々で、その一日いちにちがなんとも味わい深いです。


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