興味津々心理学

アメリカ発の臨床心理学博士、黒川隆徳によるあなたの日常の心理学。三度の飯よりサイコセラピーが好き。

プロフェッショナリズム

2018-03-13 | 戯言(たわごと、ざれごと)

捨て鉢になって、破壊的になっている人を前にして、どんなに凄いサイコセラピーのテクニックも無効化、無力化する。ではとにかく死にたい人に対してサイコセラピーは無意味か?「死ぬ勇気を得るために来てるんです」という人に、一体何ができる? ちょっとでも気力が回復すればそれはいつでも自殺のエネルギーになり得る。でも、良くなりたくないクライアントが良くならないのはクライアント本人だけのせい?セラピストに責任はないのか?その状況にあぐらをかいて良いのか?とにかく人生を終わらせたい、絶望の人が、一抹の希望でも抱けるようになるのがサイコセラピーだろう?絶望から希望を二人で作っていくのがサイコセラピーだろう?それこそが究極のテクニックだと思うけれど、それが常にできるわけではない。それが100%確実にできる人はいない。それでも生涯かけて100%に向けて努力するのがサイコセラピストの仕事だと思う。