大好きな作家幸田文さま。
「ハンサム・ウーマン」とはこんな人のことではないかと思う。
キリリとしてカッコいい。
でも、こういう人が姑さんだったら息が詰まるだろうな、
だから本だけで十分。
彼女の対談集をぱらぱらめくっていたら、名高い着付け師の遠藤波津子さんという方とのお話を見付けました。
「着物に惚れることですね」とのタイトル。
着物にまつわる、いい話がいっぱいなのですが、その中で着つけが終わって、
「実際の体型よりいい姿に仕上がった自分を鏡に映してみれば~~」と遠藤先生のお言葉。
「実際の体型よりいい姿に仕上がる自分」というのはいいですね。
まっ、それに対し、
「私など年寄りにしてはたくさん鏡を使うほうでしょうか」と文さま。
そうなんだ、この方、鏡など見ないでさらさらと着るイメージだったので、ちょっと意外~~。
文さまの珍しい日本髪写真、抱いている子どもは玉さん。
やはり縞きものですね。
思春期の頃、鏡を見ていると父親から「鏡ばかり見るな!」と叱られたことがあります。
そのせいか、長いあいだ鏡を見ることは好ましくないことだと思っていました。
文さまの姿見。わが家のとよく似てるわ
鏡といわないところが素敵!二点とも「新潮文学アルバム」より。
着物を着るようになると、鏡しょっちゅう見ますね。
襟が気になる、乱れはないか、鏡を見る回数が格段に増えた。
鏡を見ているとときどき父の声が聞こえるような気がして。
「鏡ばかり見るな!」
ちょっと気が咎める~~??。
で、遠藤先生によると、初心者の着付け師は、お客様に夢中になって鏡をあまり見ないそうです。
「それが一人前になると、仕事をしながら鏡を見て視線は半々でできるようになる」のだとか。
こういうところまでチェックされているんですね。
「やはり鏡というのは客観的に見るという意味で非常に大切でございますね」と遠藤先生。
一生ものの、全身が写せる大きい鏡を、とお二人。
そうだよ、お父さん、私が鏡を見ていたのは、自分を客観的に見ていたんだよ、
といまさらながら、草葉の陰にいる父に抗議したい~~??
R子さんの写真映像が面白くて、真剣な顔で撮る紫苑。
着物を着ると、鏡を見る回数がとにかく増えます。
それが人をキレイにしていくのかも。
鏡を見ましょう、もっと。それも全身鏡、「姿見」でバランスを。
いや、若い方は、もう十分に見てる?
でも、電車のなかでのお化粧は止めてね、とおばさんは思うのでした。
「着付け、試行錯誤」のカテゴリー作りました。
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