「黒蜥蜴」のときに着用したベージュピンクの結城紬。
「同じきものを二度着ているのを見たことがない」(?)
と言われるほど、枚数だけは持っている紫苑ですが、相手のことばのなかにまったく羨望らしき響きが含まれていないのは、「どうせ、プチプラでしょ」と思われているからでしょうか。
まさにその通り。
しかし、この単結城紬は秋が来ると着用するお気に入りの一着です。
「琉球の紅型は心打つものばかり」
きものを着始めたばかりの頃に、かの有名なSというネットオークションで、材料として購入したものです。
当初は、とにかく布の感触を手で確かめたくて、いろんな布を入手していました。
材料というのは、袖の部分に斜めに線状の汚れがついていたのです。
このショップ、手織りとか琉球ものとかのルートがあるようで、モノは悪くないようですが…。
で、入手したものを、「まず、この汚れを落ちるところまで落としてしまおう」と、袖の部分の洗濯。
すると、なんと、きれ~いに取れてしまったのです。
汚れには水で落ちる汚れと油で落とす汚れ(クリーニング)がありますが、水で落ちる汚れだったのが幸いでした。
で、怖いもの知らずのシロウト、全部洗ってしまおうと、絹用洗剤でお洗濯![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/bz/up.gif)
すると、すっかりきれいになってしまいましたとさ。
縮みがなかったのは、前の持ち主が洗いに出していたからでしょう。
このベージュ紬、幅広だったのでお直しに出しました。するとその方がきれいにアイロンかけてくれたので、戻ったときには新品のようになっていたのです![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/bz/up.gif)
このブログを書くに当たり、結城を洗ったのはかなり前のこと。まあ、時間は関係にないけど、もう一度、ステップを確認したくて、同じショップで、これは材料ではなく購入したもののなんとなく汚れがあるため箪笥の肥やしになっていた手織りの単を洗ってみることにしました。
というのは、友禅の教室では、染めた布の糊を落とすために洗ってアイロンをかける湯のしを自分で行います。
きものを仕立てる前に行う湯のしと同じです。
きものほど高価なものは作らないから(私は、まだ未経験。写真は地入れといって糊を入れる作業です)、多少縮んでも許容範囲ということなのでしょう。
「それならきものも洗えますよね」と、かなり飛躍した質問ながら、先生は、
「また変なことをしようとしているのね」
とでもいうように(?)ジロリと私を見たものの、「絹が縮むのは乾くとき。だから、洗ったらバスタオルで水気を取って、すぐにアイロンをかけるといいのよ」と教えて下さったのです。
で、単なら洗えるのではないかと実験![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/bz/up.gif)
写真ではよくわかりませんが、グレーの濃淡に薄く黄色が入っている紬。
なんとなく薄汚れている上、袖の付け根に汚れが目立ちます。
最初は、袖の部分だけを水につけてみま
した。
大丈夫そうなので、三つ畳にしてタブに入れておしゃれ用の洗剤を入れて洗います。
黄色く写っているのは、光の関係なのか、紬のなかの薄い黄色が強調されています。
きれい![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/bz/up.gif)
あとは、洗剤を落として、バスタオルだけでは心もとないので、20秒くらいの脱水。
で、アイロンをかけましたが、なかなか大変なので、これは縮まないと判断して、干すことにしました。
7割かた乾いたところでアイロン掛け。
最初は裏からやはり恐る恐るかけていたのですが、面倒になって表から力を入れてかけていると、なんと、紬の生地がしなやかになっています![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/bz/note.gif)
![P9234283 P9234283](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/91/51b5dde8055815a1c145a43e27003eac.jpg)
「洗い」とはドライ・クリーニングのことですが、あれは油で油を取る行為。汗などは取れませんよね。
対して、洗い張りは水洗いすること。紬はとてもしなやかになります。
ではおうちで洗っても同じではないか。
とまあ、ここは小さな声にしておきます。
自分で洗うきもの。洗う技術以上にアイロンの技術が重要かもしれません。
強い力で、ぐっと引っ張りながらアイロンをかけていくと、脇縫いの糸の部分も、このようになります。
![P9234294 P9234294](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/5d/6543a8561b188c29c607e14568ce05c0.jpg)
洗ったばかりで布(糸?)が縮み、糸がひきつっています。
アイロンをかけたあと。黄色は生地の色です。汚れではありません。
出来上がった紬、汚れは取れてさっぱりしました。
今回の洗いでわかったのは、洗いにはアイロンかけが大切な作業だということです。
和裁では、縫ったあとキセといって強くアイロンをかけていきますが、このキセのかけ方で出来上がりの良し悪しはかなり左右されます。
洗ったあとに布目がゆがんだりするのですが、ほどいたときより、そのまま洗ったほうが歪みは少ないようです。
しかし、こういう作業、時間を忘れるほど楽しいけど、コスパ的には割に合わないかも。
洗いに出したほうが安くつくかもしれません。
しかし、懲りない紫苑、先生の「洗って縮んでも、アイロンかければある程度伸びるのよ」とのお言葉に従って、前に洗って失敗したきもの、再生してみるつもりです。
![P1060202 P1060202](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/65/ab36323a63fb937b0b70b9c50917688e.jpg)
![P1060716 P1060716](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/c5/2808c7a88cc245b5c1353137674781dd.jpg)
「自分でできるきもののお手入れ&お直し」(世界文化社)に縮み率が載っていました。
お召W17.5センチ→16.6 L87.5→86センチ
縮緬まで載っているけど、これは縮み率高い。
ブログ村の方の体験談も載っています。探して参考にさせていただきます。
きものを自分で洗う行為、まあ、遊びみたいなものですね。
洗った紬、着てみます。気が向いたら見てくださいね![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/bz/note.gif)
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応援ありがとうございます。
きものは洗うのも楽しい![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/bz/happy01.gif)
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