ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

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久留米絣と女の底力

2015-05-30 08:47:21 | アート・美術展

 

ときどき見るNHKの「イッピン」。

日本の優れた手仕事を紹介する番組です。

たまたま見たのは「久留米絣」の紹介でした。

私自身は、特別久留米絣に魅かれるわけではなく、むしろ、「少し野暮ったいなあ」と、済みません、こんなことを思っておりました。

でも、そのときに紹介されていた久留米が、あまりにキュートでした。

 

藍のなかに浮か水玉。

この生地をワンピースにしたものがこちら。

それよりなにより目を引いたのは、久留米絣の創始者だという井上伝さんのお話。

この方、1788年というから江戸時代、米屋の長女として生まれ、7,8歳くらいからもう木綿の機織りをはじめ、12・3歳にして大人も及ばない腕になったとか。

久留米絣は、藍染めのなかに「白い斑点」を見付け、「きれいだなあ」と思ったのか、藍のなかに白の模様を織りこむことを思いついたとか。

藍と白、というのは日本人の原点。

その美しさは当然だと、現代に生きる私は思っていましたが、それだって「発見」だったのですね。

それ自体が驚き。

で、もっと面白いのは、この白の絣模様を出すために、からくり人形で知られる田中儀右衛門」こと、田中久重の協力を得たこと。

この人、ほら機械仕掛けでお茶を運ぶ人形とか作った人。

 

伝は、彼の協力を得て、絵模様も織り出すことに成功!

そのとき田中はなんと15歳だったそうです。

そして伝は25歳!

毎日毎日、ひたすら機を織りながら、そのなかから、「藍と白の組み合わせ」の美しさを発見し、それをどうにか身にまといたいと試行錯誤の日々。

こぎん刺しや刺し子の美しさもそうだけど、必要に迫られやっていた手仕事、でもそのなかに「美しさ」を感じたい、自分の手で美しさを作り出したいという女性の感性と、それをほかの人に伝えていく伝播力ってすごいよね。

食べるだけでも大変だった日々のなかで、寝る間を惜しんで、でも、きっと、作ることが楽しくて仕方がなかったんでしょうね。

私の持っている久留米は、自作の右のうさぎちゃん。

機械織りです。可愛過ぎて着用できない。

 

埋もれているようで、実はどっこい埋もれていない女の底力。

 いまさらですが見習いたいものです。

いや、私たちだって、日々の暮らしのなかで自分なりの美というものを探し、作っているんですよね。

きもののなかにも新しい美を発見いたしませう。

そうそう、田中久重って東芝の創始者なんだってね、

きものって、いろんなこと教えてくれるもんです。

 「北斎の娘、杏さんの「百日紅」を観る」→このお栄さんも北斎の代筆までしたとか。

 

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