思考の部屋

日々、思考の世界を追求して思うところを綴る小部屋

梓弓

2009年06月01日 | 古代精神史

  今日から6月。水無月で夏服への衣替えとなります。

  畑のみず菜は、みずみずしい青さを見せています。

 身近にある川となると穂高川、梓川(あづさがわ)があります。梓川には倭橋(やまとばし)、梓橋の大きな橋が架っています。何か万葉の匂いのする地名です。

 ということで今朝の日めくり万葉集は、選者がギタリストの村治佳織(むらじかおり)さんで巻4-531海上女王(うなかみのおおきみ)の詩でした。

梓弓(あづさゆみ)
爪引(つまび)く夜音(よおと)の
遠音(とほおと)に
君の御幸(みゆき)を
聞かくし良(よ)しも

 延喜式という古い書物に信濃国が祈年祭の祭料として梓弓を100張を進上したことが書かれています。

 万葉集には、「梓弓」も含み「梓」という言葉の入った詩が54首ほどあるようです。

 梓弓は、武器であるとともに儀式で使うように、弦の爪弾いて霊的な魂鎮めか、魂呼びか、どちらにせよある種楽器として重要なものであったようです。

 古くは使者が梓の木の杖を持ち、梓の木には人(女性)と心を通じることができるという、属性を持っていたようです。

 従って神と人と心が通じるということができるという、梓弓の聖性つながるようです。
 (古代・中世の信濃社会 塚本学先生退官記念論文集 銀河書房 参照)

 なお、日めくり万葉集では「あづさつみ」としていますが、参照書籍では「あずさゆみ」と「ず」としています。今ではどちらかというと「づ」が主流のようですが「ず」の方が正しい使用です。


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