今日から6月。水無月で夏服への衣替えとなります。
畑のみず菜は、みずみずしい青さを見せています。
身近にある川となると穂高川、梓川(あづさがわ)があります。梓川には倭橋(やまとばし)、梓橋の大きな橋が架っています。何か万葉の匂いのする地名です。
ということで今朝の日めくり万葉集は、選者がギタリストの村治佳織(むらじかおり)さんで巻4-531海上女王(うなかみのおおきみ)の詩でした。
梓弓(あづさゆみ)
爪引(つまび)く夜音(よおと)の
遠音(とほおと)に
君の御幸(みゆき)を
聞かくし良(よ)しも
延喜式という古い書物に信濃国が祈年祭の祭料として梓弓を100張を進上したことが書かれています。
万葉集には、「梓弓」も含み「梓」という言葉の入った詩が54首ほどあるようです。
梓弓は、武器であるとともに儀式で使うように、弦の爪弾いて霊的な魂鎮めか、魂呼びか、どちらにせよある種楽器として重要なものであったようです。
古くは使者が梓の木の杖を持ち、梓の木には人(女性)と心を通じることができるという、属性を持っていたようです。
従って神と人と心が通じるということができるという、梓弓の聖性つながるようです。
(古代・中世の信濃社会 塚本学先生退官記念論文集 銀河書房 参照)
なお、日めくり万葉集では「あづさつみ」としていますが、参照書籍では「あずさゆみ」と「ず」としています。今ではどちらかというと「づ」が主流のようですが「ず」の方が正しい使用です。