MA社会研究所情報

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イギリスにおける市民性形成論。自由主義、公民的共和主義。グローバル化で地球を意識。

2009-02-24 16:35:21 | Weblog
放送大学の大学院講座で「イギリスの市民性形成論」を聴いた。
イギリスの市民性形成に影響を与えたのは自由主義であった。18世紀には市民革命があり、自由、平等、民主主義のリベラリズムの上に発展してきた。また、古代ローマの共和主義のリパブリカンと言う共和国公民という考えの上にも立っている。
ジョンロックは人間は自然法で個人個人の物を持ち、政府の機能はそれを守ることである、投票権と財産権を必須の市民の権利だとした。自由な自立的個人と、個人の生存を守る国家の役目を示した。ジョンスチュアートミルやトマスヒルグリーンは国家は個人を守るだけではなく、共同体のために積極的に働くべきだとした。マーシャルは市民は市民的(思想、財産、契約、裁判権)、政治的(投票権、議会に立候補する権利)、社会的(経済、福祉、安全、財産、市民生活、福祉、公教育を受ける)権利を有するとした。
1970年代には新自由主義が保守党のサッチャー首相やメージャー首相によって行われた。ハイエクやノーウィックの思想で市場原理を導入し、個人の自由と財産を保護し、福祉を削減した。移民が増えて、文化的多元性が増した。グローバル化で世界や、地球を意識した市民性になった。
1999年に労働党のブレア首相になり生活保護を与える福祉ではなく、国民の能力を向上させて仕事についてもらう考えになった。若者の政治への無関心が広がっている。学校教育で市民性の形成を義務化している。
現在は国民国家が分節化し、EUで多元的市民性がでている。ギリシャのアリストテレス以来の権力を分かち合う公民的共和主義の伝統があり、市民に公共の美徳を求めている。


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