上野の国立博物館で開催中のボストン美術館展を見に行った。明治時代に米国のボストン美術館の日本美術担当になった岡倉天心とフェノロサやピゲローが収集した日本の美術品が並んでいる。大震災以来、帰宅困難になると思うと家から遠くへ行くのが怖くなっていたが、数年ぶりに上野に行った。上野駅は下町風ではなくなり、山の手の駅ビルと同じおしゃれな店が並んでいた。上野公園は整備されて、ホームレスのテントもなくなっていた。樹木も切り払われて見通しが良くなったが、自然の道の感じがしなくなった。高原の山小屋のようなカフェができていた。コーヒーの世界的チェーン店のスターバックスの店もできていた。広場では展示会の撤収作業をしていた。国立美術館の前は人が多く、平成館の前では40分待ちの行列になった。膝が痛くなるので行列は避けていたが仕方なく行列に並ぶ。暇なので携帯電話の写真を整理していたら時間がつぶせた。入場してエスカレーターを上がる。入口に説明文があり、平日なので客は老夫婦が多い、展示室の中に入ると橋元雅邦の騎竜弁天の絵や仏像や、明王像が並ぶ、吉備大臣が中国に留学した様子を描いた絵巻が面白い。平治物語絵巻の夜討ちの絵もある。山水図もある。日本刀やお能の装束もきれいに展示されている。和服も派手な模様が付いている。日本刀は美術品としてはきれいだが切られると思うと恐ろしい。尾形光琳の松島図屏風は工芸的できれいだった。曽我蕭白の雲竜図は巨大で迫力があったが竜の眼が情けなく感じた。平成館は美術館としては巨大で、往復500mぐらい歩くのでスニーカーかハイキングシューズがいる。美術館に行くのも山登りのようで体力がいる。見終わった人々はぐったりとしてソファーに座りこんでいた。
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