セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 79本、 演劇 51本

よろずのことに気をつけよ(川瀬 七緒 著) (講談社 2011)  65点

2017-05-07 18:10:38 | 読書遍歴
江戸川乱歩賞受賞作である。この賞も随分変わって来たなあと思う。この小説はミステリーではあるけれど、犯人探しであるのにそれらしき体裁を整っていないし、何だか鼻白む感じもしましたね。 謎が謎を呼ぶ、呪術ミステリーというテーマはまあ面白く読めたが、ミステリーでこれをどれだけこなそうかというのは大変なんだろうなあ、その後苦労は確かによく分かりました。 僕はそもそも本格を信望しているので、こういう展開は . . . 本文を読む
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がっかりアバター『りゅうくんのベイビー産んじゃってゴメンね…~』(作・演出 坂本隆太朗)(於・芸術創造館) 85点

2017-05-07 17:40:45 | 演劇遍歴
1年ぶりのがっかり。前回は大舞台(?)HEPだったが、今回はうんと収まった芸術創造館。でも彼らの劇は私擬的なものも多く、やはりこういう小さな劇場の方が共犯感を持ち、いいのではと思う。 出し物はいわゆる坂本の81/2なんだよね。ちょっと前に見たべろべろガンキュウ女もそうだけど、劇を産む苦しむをみんな抱えている。それが一番主題になるんだろうなあ。でも僕はこういうの大好きです。 それと、やはりがっか . . . 本文を読む
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魚クラブ『夜が掴む』(作:大竹野正典 演出:昇竜之助)(於・シアトリカル應典院) 80点

2017-05-06 19:08:49 | 演劇遍歴
30年前に上演された劇の再演らしい。ピアノ殺人事件。何らか記憶に多少残る程度の事件だが、イメージ的には恐ろしい、、。 団地が舞台設定なので、やはり時代を強く感じるが、それでも現代の、人間の狂気そのものは色褪せてはいない。 大きな音響と少々誇張されたコメディ調展開。漫画チックなんだが、だからこそ超現実感が奏でられる。 タッチは大竹野正典作品をこれで3年連続見てきたが、ほとんど変わらない。この劇 . . . 本文を読む
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劇団 狸寝入‏ 「水平線の歩き方」(作:成井豊 演出:課長風月)(於・関学学生会館) 75点

2017-05-05 19:38:08 | 演劇遍歴
近くまで何回も来たことがあるのに初体験の関学構内。甲東園から坂を上る。まだ5月だというのに暑い。15分とは言うけど、そんな時間では行けない山また山である。 でも成井ものでも最高傑作と(勝手に自分で思っている)誉れ高いこの作品を見られるとあらば、こんな汗かきごとき何をか、、、と勇んでこの劇を見る。 やはり学生らしき少々荒い感の漂う成井劇であったが、最初は堅かった劇もどんどんノリが良くなる。これは . . . 本文を読む
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僕とカミンスキーの旅 (2015/独=ベルギー)(ヴォルフガング・ベッカー) 85点

2017-05-04 19:51:50 | 映画遍歴
絵画が好きで、さらに映画好きの人なら、たまらなく、いとおしくなる映画です。この映像から絵画への転換、あるいは逆の、壮絶な美しさ。たまりません。じっくり人生を考え、感じる映画です。年老いても珠玉の青春への心を持っている人たちへの回向でしょうなあ。エンディングでの巨匠たちの絵画群の目を見張るすごさ。 これぞ映画。 . . . 本文を読む
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セイレーンの懺悔(中山 七里 著)(2016 小学館) 65点

2017-05-03 22:08:08 | 読書遍歴
通常のミステリーというべきか、ちょっと甘い感もする作品である。僕には最初の方から真犯人が匂っていたので、どんなに展開がよれても、それほど意外感もなく、むしろ中山にしては少々失望さえ感じる感想となる。 救いは同僚里谷太一との掛け合いだけだが、ラストではなぜかイケメン刑事とのロマンスに変わっている。どうもすっきりしないなあ。 これからこの中山の作品をどうしようか悩んでいるところである。 群を抜い . . . 本文を読む
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