老境のドヌーブに心境移入する走馬灯のような映画です。この手の映画では是枝の「真実」が先行しているが、作品的には是枝の方が断然格上だと認識。でも何より、ドヌーブと実娘 キアラ・マストロヤンニという取り合わせが興味深く、
キアラの顔はあの名優マルチェロ・マストロヤンニにまさにそっくり。ずいぶん昔から映画を見てきた吾輩としてはこの3人が映像の中に飛び交っていたような嬉しい映画空間を奏でていたような気がする。
映画としてはドヌーブの若い時の回想シーンが現実のものとフルに挿入され、なかなか面白い作品となっていた。ただ、あのラストはちょっとどうかな、と、、。皆さんのご意見をお聞きしたいです。
この映画、ラストでいろんなご意見ありますね。Unknownさまのようにあのラストをよしとする方多いようです。ドヌーブも共感したから、出演したんでしょうし、、。
的確なご意見だと思います。
「真実」の感想もお聞きしたいですね。
それでは、また。
多くのレビューでは爆破シーンが注目されていますが、私としては、その後アンティークが宙に舞う最後に心打たれました。
静謐な闇の中で綺羅星のように輝くアンティーク。そのひとつひとつには、ドヌーブが関わった人々との思い出や愛がこめられていました。
彼女の肉体は一瞬にして散りましたが、その思い出や愛だけは時の彼方へと飛び立ったかのようでした。時から解放され、形が歪むこともなく老朽することもなく、ただそこに揺蕩うのだと思えました。
あの映像を見せるためには、爆破もありなのかなと。
是枝監督の「真実」は未見ですが、「断然格上」だとおっしゃるので楽しみです。