題名からは窺い知れない優れた小説です。中編並みの長さだし、コミカルなイメージさえする題名だしということで、少々高をくくっていたが、どうしてどうしてすこぶる秀逸な人間分析・観察の名著であります。
現代社会で生きることの鬱陶しさ、苦しさ、哀しみ、よろこび、、。すべてこの小さな小説に入ってる。感動ものです。
ぼくがどの範疇に入るかなんて考えること自体馬鹿馬鹿しくなりました。生きるってことは誰かを蹴落 . . . 本文を読む
青変わらず最後に逆転を魅せる長岡節です。今回もかなり強引なんだが、それでももうずっと彼の作品を読んでる愛読者たちは従順に納得する。全編を貫く透明感が好きだなあ、、。
6篇の短編集だが、僕はヤクザの世界の筋を見せてくれた「最期の晩餐」が好き。「夏の終わりの時間割」は切なく悲しすぎる。「三色の貌」は特異な題材で、冒頭に持って来るのはさすが。長岡の才能を光らせている。 . . . 本文を読む
グランドロマンの演劇はここ2,3年、欠かさず見ている。安易ではないが、強烈にこちらに訴えるものが常に存在する。今回も楽しみにしていた。
8人の女たち。どこにでもある介護センターが舞台だ。時間はAIが主要となる現未来。けれどそこにあるのは、まるで卑近な、どこにでもありそうな現代の日常。前所長が自死したときに残した遺書から人はあたふた動き廻る、、。
初めてかもしれないが、今回の劇は不思議とこちらに . . . 本文を読む