Sightsong

自縄自縛日記

マキシ・キルシュネル『Dispositivo』

2018-06-01 10:06:27 | アヴァンギャルド・ジャズ

マキシ・キルシュネル『Dispositivo』(Blue Art、2017年)を聴く。

Maxi Kirszner (b)
Nataniel Edelman (p)
Fermín Merlo (ds)

知らなかった存在だが、先日、神楽坂の大洋レコードに置いてあった。中南米音楽専門のお店であり、ジャズもその文脈の中で揃っている。たまに覗くと発見ばかりでとてもありがたいところである。在庫数も必ずしも多くないのでまさに一期一会。

マキシ・キルシュネルはブエノスアイレス生まれのベーシストであり、ジョン・エイベアやウィリアム・パーカーにも師事している。ピアノのナタニエル・エデルマン、ドラムスのフェルミン・メリオとともにブエノスアイレスで活動しているようである。

ちょっと変わったピアノトリオに聴こえる。三者が着かず離れずの動きを見せるのではなく、どちらかと言えば、お互いに間合いを取って離れたままサウンドを作り上げている印象。キルシュネルのベースは中庸で柔らかく、またメリオのドラムスはポール・モチアン的に伸び縮みしており、このサウンドに整合的。

最終曲はモチアン作曲の「In the Year of the Dragon」。ジェリ・アレン、チャーリー・ヘイデン、ポール・モチアンによる同名のアルバムに収録された曲である。原曲が三者の絡みにより有機的なグルーヴを形成していたのに対し、本盤では、そのスタンスのまま突き進む。その分、転調の面白さが際立っていて、ここには、エデルマンのピアノが大きく貢献している。


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