Sightsong

自縄自縛日記

フリート横田『東京ヤミ市酒場』

2018-05-14 15:59:21 | 関東

フリート横田『東京ヤミ市酒場 飲んで・歩いて・聴いてきた。』(京阪神エルマガジン社、2017年)を読む。

というのも、藤木TDC『東京戦後地図 ヤミ市跡を歩く』によって、戦後ヤミ市の跡(主に、ヤミ市そのものではなく、GHQの命令等によって行き着いた場所)が、いまもこまごました飲み屋が軒を連ねる横丁やビルになっていることを知り、その実践版として、雑誌『東京人』2017年11月号の「高架下の誘惑」特集を紐解いていたからである。

『東京戦後地図』によれば、神田駅北口側はスラブ式鉄筋コンクリートで線路直下を使える。一方南側は明治期の煉瓦アーチ式ゆえ、神田小路のように小型店舗がひしめく構造ができた。そこに今もある飲み屋が、たとえば「ふじくら」「宮ちゃん」が一緒になったところであり、その横の「次郎長寿司」。「ふじくら・宮ちゃん」では先日ちょっと飲み食いしてきた。良いところだった。

アーチの中には中二階がありお店の人が寝起きもしていたようであり(プラスアルファ?)、そのことについて、『東京人』にはもう少し解説がなされていた。それが、本書の著者であるフリート横田氏によって書かれていたのだった。

そんなわけで順番が前後したが、本書を見つけて喜んで買ってきて、一通り読んだところである。神田だけでなく、新橋、新宿、渋谷、池袋、大井町、赤羽、西荻窪、吉祥寺、溝の口、横須賀、野毛、船橋について、ヤミ市跡がどのように形成されたのか手短にまとめられ、いくつかの酒場が紹介されている。『東京人』と同様の実践版である。

まあとにかく自由になればまた好きな街をふらつくつもりである。


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