Sightsong

自縄自縛日記

映像『Woodstock Jazz Festival '81』

2015-05-31 08:33:56 | アヴァンギャルド・ジャズ

『Woodstock Jazz Festival '81』(1981年)というDVDが出ている。その一部は観たことがあるし(15年くらい前にebayで汚いVHSのダビング物を買った)、また、やはり一部が『Creative Music Studio Woodstock Jazz Festival』(Douglas Music、1981年)というCD 2枚組になって何年か前に出たものを持っている。ひょっとしたらネットのどこかにアップされているかもね。

それにしても、こうしてまともな1時間の映像として出てくると感無量である(汚いVHSは、観ている途中で、磁気テープがデッキに巻き込まれてグチャグチャになった)。

何しろこのメンバー、感涙必至。

1) Arrival
Marilyn Crispell (p)
Howard Johnson (sax)

20代半ばの若いクリスペルが登場する。ビックリ。何でもクリスペルはウッドストックに住み、カール・ベルガーにより組織された「Creative Music Studio」で教えてもいたようだ。

2) Left Job
Ed Blackwell (ds)
Baikida Carroll (tp)
unknown (b)
Marilyn Crispell (p)
Julius Hemphill (sax)

目玉はジュリアス・ヘンフィルに、エド・ブラックウェル、そして若いクリスペル。

3) We Are
Karl Berger (balaphon)
Ed Blackwell (ds)
Aiyb Dieng (talking drum)
Nana Vasconcelos (talking drum)
Colin Walcot (tabla)

ベルガーが真ん中に座ってバラフォンを叩き、ナナ・ヴァスコンセロスのトーキング・ドラムをフィーチャーする。見事。

4) Broadway Blues
Jack DeJohnette (ds)
Pat Metheny (g)
Dewey Redman (sax)
Miroslav Vitous (b)

デューイ・レッドマンが出てきただけで涙腺がゆるむ。ちょうどパット・メセニーの『80/81』でも共演していたころか。

5) The Song Is You
Anthony Braxton (vo)

会場の外側で、アンソニー・ブラクストンが、面白そうに集まったミュージシャンたちに対して得意そうにスキャットを披露する。チック・コリアがにやにやしている。で、それは何と訊かれて、ブラクストンは「The Song Is Youだよ!」。

6) Impressions
Anthony Braxton (sax)
Chick Corea (p)
Jack DeJohnette (ds)
Miroslav Vitous (b)

昔、この音源をはじめて聴いたときにはぶっ飛んだ。何しろ「Circle」が空中分解したあとにも、コリアとブラクストンはこんな風にギンギンに共演していたのだ。ブラクストンは、テーマを吹き終わった直後は同じ音ばかりを出してヘボな即興かと思わせるが、間もなく、微分的・抽象的なソロを展開して、自分の世界を爆発させる。(ところで、ブラクストンは昔からおじさんカーディガンを着ていたのだな。)

7) Stella by Starlight
Chick Corea (p)
Lee Konitz (sax)

リラックスしたデュオ。コニッツはアルトを吹きながら声を出す芸。わたしが90年代後半にコニッツとバール・フィリップスの共演を法政大学で観たとき、コニッツはやはりそれを披露していた。昔からの得意技だったのか。

8) All Blues
Anthony Braxton (sax)
Chick Corea (sax)
Lee Konitz (sax)
Jack DeJohnette (ds)
Pat Metheny (g)
Miroslav Vitous (b)

オールスターどころでない、いや凄いね。ブラクストンとコニッツが顔を見合わせて微笑みあっていたりして楽しい。デジョネットは叩きまくり、精魂尽き果てたようで、演奏後スティックを興奮してブン投げる。

●参照(ごった煮ジャズ映像)
ジュリアン・ベネディクト『Play Your Own Thing』(2007年)
Vision Festivalの映像『Vision Vol.3』(2003年)
アラン・ロス『INSIDE OUT IN THE OPEN』(2001年)
エバ・ヤーン『Rising Tones Cross』(1985年)
ロン・マン『イマジン・ザ・サウンド』(1981年)
『Jazz in Denmark』 1960年代のバド・パウエル、NYC5、ダラー・ブランド(1962-65年)
バート・スターン『真夏の夜のジャズ』(1958年)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。