Sightsong

自縄自縛日記

シヴァン・ペルウェル@埼玉会館

2024-01-14 23:05:49 | 中東・アフリカ

埼玉会館(2024/1/4)。

Şivan Perwer (vo, saz)
Hakan Akay (saz)
Renas Yunus (saz)
Abdurrahman Gülbeyaz (perc)
Jun Kawasaki 河崎純 (b)
Fuji (saz)
Ken Matsuo 松尾賢 (oud)
Mizuho 瑞穂 (vln)
Junzo Tateiwa 立岩潤三 (perc)
Yumi Ito 伊藤結美 (perc)
Erika Ueda 上田恵利加 (cho)

クルド人歌手シヴァン・ペルウェルの活動50周年記念コンサート。川口や蕨に多くのクルド人が住んでいるからこそ、この場所で開かれたのだろう。みたところホールの客席数千数百の6、7割が埋まっていた。日本人はせいぜい3パーセントくらいではなかったか。たぶん日本でペルウェルの紹介はほとんどなされてこなかった(ドキュメンタリー映画『バックドロップ・クルディスタン』に使われていた記憶がある)。

僕が前にペルウェルのステージを観たのは20年前、2004年のことだった。仕事で訪れていたブリュッセルに、たまたまサックスの松風鉱一さんが旅で来ていて、一緒にコンサートに出かけた。しばらくすると会場が盛り上がり、手をつないで横にずらりと並び、踊りが始まって、隣に座っていた老婦人もそわそわして立ち上がり、踊りに加わった。そのときかなり驚いたのだけれど、あとでペルウェルの映像作品を入手して調べてみると、クルド人の独特の踊りなのだった。

親しみやすく耳に残る雰囲気はちょっと変わってもいる。ペルウェルのアルバム『Min beriya te kiriye』によれば、たとえば「maqams」というコード・スケールは、上がるときに例えば 3/4 - 3/4 - 1 - 1 - 1/2 - 1 - 1 という並び。つまり半音の半分の1/4音階を使っている。歌詞はもちろんクルド語ゆえ解らないが、覚えている旋律の曲もあった。(たぶん)<Helebce>という歌では、1988年に化学爆弾の使用により5千人以上が亡くなったことを取り上げ、歌詞の中に「ヒロシマ、ナガサキ」が引用されている。(たぶん)<Cane, cane>は老いも若きも一緒に村の広場で踊ろうよ、という歌詞で、ジャネ、ジャネと発音している。

今回は座席が決まっているホールだから踊りはないだろうと思っていたら、読みが甘かった。演奏中盤から女性たちが最前列に並んで踊り、舌を震わせる高音の叫び声を発し、子どもたちが走り回り、多くの人たちがステージを背景に自撮り、興奮と歓喜の渦。そしてペルウェルの声はまったく衰えておらず、朗々とした歌と情感とこぶしにほれぼれとしてしまった。

Fuji X-E2, 7Artisans 12mmF2.8, Leica Elmarit 90mmF2.8 (M)

●シヴァン・ペルウェル
シヴァン・ペルウェルの映像とクルディッシュ・ダンス
クルドの歌手シヴァン・ペルウェル、ブリュッセル


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